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昭和28年(1953年)狂犬病予防法施行令  / 制定(全文)

昭和20年、日本は敗戦し占領されます。その占領下で狂犬病予防法が制定されます。それは占領軍が狂犬病対策を重要課題と捉えていたからであるとする資料を読んだことがあります。
しかし、占領が解かれても狂犬病の撲滅することは出来ませんでした。
その後、昭和28年、29年と改正を重ね、その効果として昭和32年の猫の発症確認を最後に日本国内での感染確認がなくなり、狂犬病は撲滅されたと考えられています。

そこまでの狂犬病予防法の変遷をゆっくり見ています。

これまで、昭和28年の「地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法令の整理に関する法律」による法律の改正を見てきました。
その内容の幾つかは「政令の定める」が加わるものでした。しかし法改正があった時点(改正法が成立した時点)では政令(狂犬病予防法施行令)はなく、法改正の施行と同時に施行できるように制定されました。

これから当分、その昭和28年に制定された当時の狂犬病予防法施行令を読んでいきます。

引用元は以下になります
狂犬病予防法施行令・御署名原本・昭和二十八年・政令第二三六号 @ 国立公文書館 デジタルアーカイブ

これを私が手入力したものになります。
頭合わせや正確ではないし、傍点はつけていません。
私が上記引用元の文章を見て入力したものなので間違えがあるかもしれません。
もし間違えを見つけた方は、ご連絡いただけると幸いです。

(以下、私の手入力 ~ ここから)


 狂犬病予防法施行令をここに公布する
御名 御璽
 昭和二十八年八月三十一日
  内閣総理大臣 吉田 茂

政令第二百三十六号
  狂犬病予防法施行令
 内閣は、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)第四条第五項、第五条第二項、第六条第六項及び第十四条第一項の規定に基き、この政令を制定する。

 (鑑札の再交付)
第一条 都道府県知事(保健所を設置する市にあつては、市長。以下同じ。)は、鑑札を亡失し、またはき損した犬の所有者から鑑札の再交付の申請があつたときは、鑑札を交付しなければならない。

 (犬の所在地の変更)
第二条 都道府県知事は、犬の所有者が他の都道府県の区域から当該都道府県の区域内にその犬の所在地を移した旨の届出があつたときは、犬の所有者に、犬に旧所在地の都道府県知事が交付した鑑札と引替に鑑札を交付するとともに、犬の旧所在地の都道府県知事に犬の新所在地を通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた都道府県知事は、通知をした都道府県知事に、その犬の原簿を送付しなければならない。

 (注射済票の再交付)
第三条 保健所長は、注射済票を亡失し、またはき損した犬の所有者から注射済票の再交付の申請があつたときは、注射済票を交付しなければならない。

 (省令への委任)
第四条 前三条に規定するもののほか、犬の登録及び鑑札の交付並びに注射済票の交付に関して必要な事項は、厚生省令で定める。

 (処分前の評価)
第五条 予防員は、狂犬病予防法第六条第六項の規定によつて犬を処分し、又は同法第十四条第一項の規定によつて犬を殺す場合には、あらかじめ、適当な評価人三人以上にその犬を評価させておかなければならない。


   附 則
この政令は、昭和二十八年九月一日から施行する。


  厚生大臣  山県勝見
  内閣総理  吉田 茂


(私の手入力 ~ ここまで)

次回から一つ一つ読んでいきますが、昭和25年狂犬病予防法制定時にほぼ同時に制定された狂犬病予防法施行規則に含まれていたことが多いことにお気づきの方もいらっしゃるかとおもいます。
その辺りの調整で、狂犬病予防法施行規則も改正になります。それは、この狂犬病予防法施行令の後に見ていきます。

ここまで。


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