父の書棚



次男は今日、私の実家に行ってきたようです。

父のお墓参りをして、無事に受験が終わったことを報告し、そして父の書斎に入ったそうです。

父は無類の本好きでした。
特に日本古代史、中国古代史の本が好きで、たくさんありました。
父が亡くなってもう14年。
それでもその本たちは捨てられずずっと残していました。

次男が今まで父の書棚に興味を持ったことはなかったのですが、大学での専攻は父のそれと同じ。

『母さん!!おじいちゃんの書棚は宝の山だったで!!!俺の好きな本がいっぱいあった!!!!』

と20冊ほど持ち帰ってきました。

『あとな、一番嬉しかったんは、おじいちゃんのスクラップ!!!あれ、大学の研究資料にそのまま使わしてもらうわ!!!!』

え?

そう言えば、ありました。ありました。

生前の父はとてもアナログな人なので、新聞記事で好きなものはハサミで切り取り、一つ一つスクラップブックに貼りつけていました。

かれこれ私の記憶が正しければ昭和の終わりか平成の始まり辺りから毎日やっていたので膨大な量です。

一つ一つの記事にその新聞記事が掲載された日付まで丁寧に書き込んであります。

何度か捨てようかなと思ったこともありましたが、まさかこんな日が来るとは。

次男にとって父のスクラップブックは貴重な資料なのだそう。

『なんかさ~俺、おじいちゃんの孫なんだな~ってゾワゾワって鳥肌立ったよ‼️』

それを聞いて料理中の私は涙が出そうになりました。

父が今生きていてくれていたら…

どんなに喜んだことだろう…

次男が幼稚園児の時に父は亡くなりました。
次男には父のことはほとんど記憶がありません。

それでも遺伝子のレベルではしっかりと繋がっていて、むしろ娘の私より似ています。

すごいことですよね。

父の娘で、この子の母親で良かったと思えた出来事でした。




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