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M&A株式1-3 株式のとりまとめ
株主の一人が、他の株主が有する株式をとりまとめるために、主に他の株主から株式の売却および売却にかかる手続の委任を受ける場合と、他の株主から買い集める場合があります。
とりまとめ方法は譲受企業に予め共有ください。
委任によるとりまとめ
株主の一人が、他の株主から株式譲渡に関する事項について委任を受けることにより、全株主の意思を取りまとめることができます。
<委任によるとりまとめ>
![](https://assets.st-note.com/img/1712448565278-mPH05Os9MU.png)
委任状には、譲渡する株式の内容および以下の委任事項その他必要な事項を明記します。委任契約は、委任者および受任者から一方的な解除が可能であるため、委任者から一方的に解除できない旨を規定します。また、委任者からはその委任意思の確認のため、できる限り自署および実印で押印してもらいます。
また、案件によっては、委任者と受任者との間で生じた問題は、当事者間で解決する旨を記載することもあります。
<委任事項>
・株式譲渡契約書の締結権限
・株価等条件の交渉権限
・株式譲渡代金の受領権限
・株式譲渡に係る譲渡承認請求および同承認通知書の受領権限
・株式名義書換請求権限
・コンサルタントへの手数料の支払
・その他株式譲渡に関する一切の権限
買い集めによるとりまとめ
株主の一人が、他の株主から株式を譲り受けることによるとりまとめを行うこともあります。株式譲渡を受けるタイミングは、譲受企業への譲渡の直前でもかまいません。
<買い集めによるとりまとめ>
![](https://assets.st-note.com/img/1712448771916-QKJ0VWLzU5.png)
買い集めにおける親族内での株式譲渡であっても株式譲渡契約書の締結、株式譲渡承認手続、株券発行会社においては株券の交付および株主名簿の名義書換をもれなく行います。
株式譲渡の価格は、原則、当事者間で自由に決めることができます。しかし、買い集め時の株式譲渡の売買価格を譲受企業への売買価格と異なる価格にするときは慎重に対応する必要があります。
譲受企業への株式譲渡が決定している段階において、M&Aによる株式譲渡を行う旨を隠して安価で株式譲渡を行うことが、錯誤や詐欺に当たる場合には、当該株式譲渡が後に無効となりまたは取り消されることがあります。その結果、譲受企業への株式譲渡も無効または取消しとなることもあります。また、株式を買い集めた株主が譲受企業に譲渡することにより、利益が発生する場合など、当該取引当事者の課税関係にも注意が必要です。
買い集め以外にもスクイーズアウトによりとりまとめを行うこともあり得ます。