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【不妊治療と私】②〜当事者目線で〜

私は、不妊治療クリニックの職員でもあり、実際に不妊治療を経験し、ママになることができました。

ただ、ここまでくるのに、相当疲弊したのも事実です。

まさか自分が不妊治療を受けることになるなんて…

不妊治療を受けられている方の大半が、このように思われているのではないでしょうか。

私も同じでした。

私が不妊治療に直面し、感じたことも織り交ぜながらご紹介していきます。

「不妊治療」に踏み込むまでが難しい

「不妊」の定義は以下となっています。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。 日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

前は不妊期間って2年だったんですが、1年に短縮されました。

要は、初婚年齢・初産年齢が上がって、そんな2年も流暢に待てないよ!ってことなのかなと思います。

女性の出産適齢期には、リミットがありますからね。


それで、「不妊」の難しさの一つに

【原因がハッキリしないことが多い】ということがあると思います。

例えば、多嚢胞性卵巣とか、男性側の因子とか、卵管閉塞とか、様々な不妊原因があるのですが、分かっていればアプローチができるものの、

全て正常なのになかなか妊娠できない人っているんですよね。


そして「不妊」って、1年間計画的に夫婦関係を持ってみて、「妊娠しなかった」という事実があって、そこで始めて「おや?」と気付くわけです。


その1年間、文字で書くと「すぐじゃん」と思うかもしれないけど、実際に体験してみると、、、

とっても長いんですよね、、、!


最初は、すぐ妊娠できるでしょ!と思って、なんとなく排卵日を狙って夫婦関係を持ってみる

あれ、できない

じゃぁ基礎体温でも測って、確実に夫婦関係を持ってみよう

あれ、できない

ていうか、基礎体温も毎日大変だし、夫婦関係もどこか義務化

排卵日付近しか夫婦関係持たなくなる

いつも通り生理がくる

夫婦ともに流石に落ち込む


この過程を踏んで、初めて「不妊治療」が頭をかすめてきます。

ここまでで、結構なメンタルダウンしていて、その状態からの「不妊治療」ですから、病むんですよね。w

私の不妊原因

結局、

私の不妊原因は「下垂体障害」「男性因子」でした

要は、

女性ホルモンに命令を出す下垂体という脳の部分が働いていなかった

精子が子宮まで届いていなかった

という感じです。


もうね、ショックったらなかったです。

結局は、「不妊治療に携わること」と「当事者として不妊治療に直面すること」って全く異なるものだったわけですね。

ただ、私の場合は、妊娠できずモヤモヤしていた、タイミングをとっていた時期の方がしんどかったかなーと今振り返ると思います。

特に生理周期が長かった私は、待ち時間が長すぎて、待ちきれなかった。

モヤモヤの暗黒時代でした。

印象的だった主治医の言葉

私はタイミングを経て、2度の人工授精、そして体外受精1度目で妊娠することができました。

割と順調だったのでは、と思います。

ただ、そのステップアップの過程で相当の葛藤があったんですよね。

不妊治療クリニックのナースなのに、ですよ!w

本格的な治療に進むべきかどうか、相当に悩んでいた時に、主治医の先生からの言葉が印象的でした。

一般的には3周期頑張れば、普通なら妊娠するから、その事実を踏まえた上でどうするかだね

「不妊」の事実を受け入れられなかった私の背中を押してくれた、一言でした。

不妊治療に挑むまでのモヤモヤがしんどい

不妊治療に一度取り組んだら、目の前のことを必死に取り組むということができます。(辛いですけどね、、、)

ただ、自分って「不妊」なのかな、病院に行くべきなのかなっていう、「不妊治療」の前段階におけるサポート体制ってないなって思ったんですよね。

デリケートな問題なので、なかなか人には相談できないですし。

友人に勇気を出して打ち明けても、順調に妊娠・出産した人にはたぶん理解し難い。

それで見当違いな答えが返ってきても、絶対モヤモヤする。

不妊治療を公言している人自体が周りにいないから、誰に頼っていいか分からない。

私は運よく、知識もそれなりにあり、分からないことがあれば先生や先輩に聞ける環境がありました。

その体制がなかったら、メンタルやられていたかも、と思います。ほんとに。

私にとって暗黒時代でした。


そんな暗黒時代にいる方の

一筋の光になれたらと思い、今後も発信していこうと思います。


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