ゼノブレイド3考察「オリジン」と「ノアの方舟」
こんにちは。はじめまして。AYSと申します。
昨年ゼノブレイド3発売前に考察記事を書こうとしていたのですが両親が立て続けに他界したため、リソースを割く余裕がありませんでした。
新年度になり法事も仕事も一段落…と言ったところに、DLCストーリー「新たなる未来」が配信されまして、GWの最中にストーリークリアしました。
本編も追加ストーリーもやり込みが不充分であるので、サブクエストも未完・未着手のものも多く残っていますが、メインストーリーでわかる情報をベースに「オープニング」「エンディング」「オリジン」「ノア」をテーマに順を追って考察をしたいと思います。
オープニングの粗筋
オープニングの場面、本編のケヴェスサイドの主人公達であるノア、ユーニ、ランツそして彼等と仲間のヨランが「女王」生誕祭の花火を見るために急いでいるという流れです。
彼等4名は幼少期の姿であり、恐らくは10歳前後でしょう。
そして程なくして、ノア以外の人物、物全ての時間が静止、ノアの目前には地球のような大きな惑星が現れ、二つの青と黄の光を放つ渦がぶつかりあうシーンとなり、そして舞台をアイオニオンへ移し本編のノアの語りからゲームがスタートします。オープニングからわかること、わからないこと
ここでわかること
・ノアが本当の主人公であること
・オープニングはケヴェス側(ゼノブレイド1)の世界っぽい
・きっと二つの世界が融合してアイオニオンができた
わからないこと
・アグヌスサイド、特にミオはどうなってるの?
・何故ノアだけ動けたのか?他の3人はどうなったのか?
となります。
この辺りはオープニングムービーからわかる情報だけでなく、公式サイトや公式ツイッターに掲載された事前情報も補完しての話です。エンディングの粗筋
エンディングについては、細かく語ると蛇足とネタバレだらけになりますので、大雑把に言うと両主人公の世界であるケヴェスとアグヌスの大地がそれぞれの住民達と共にアイオニオンから分かたれて、元の二つの世界に戻る…と言った流れから、最後にオープニングと同じシチュエーションのシーンが流れます。
今度は二つの渦の衝突や時間の静止が起こるわけでもなく、ごく普通に時が流れ、どこからともなく本編の「おくり」の旋律が聞こえてきて、ノアがその場から立ち去り姿を消す…となったところでエンディングムービーが終わります。エンディングからわかること、わからないこと
わかること
・やっぱりノアが主人公だったんだな
・世界は元に戻った(?)
わからないこと
・結局この後どうなったのか
・ノア以外のキャラクター達の行方
・やはりアグヌス側の描写がない
となります。オープニングとエンディングを見比べてみて
こうして文章化してみて気付くところがあるのですが、根本的にオープニングとエンディングの違いはノア以外の時間が静止したかどうか、という部分でしかなく、違和感や謎を多く残す内容となっています。
その違和感や謎として
・メインストーリーの中で二つの世界の融合は避けられない事象であったことが語られている。従って、融合事象を回避したという可能性は有り得ない。
・「新たなる未来」のエンディングでは二つの世界が最終的に一つの世界になったことが描写されている。
・ケヴェス・ノアとの対の存在であるアグヌス・ミオの描写が一切ない。
と言ったことが挙げられます。オリジンとは
ここで謎や違和感を説明するにはゼノブレイド3における「オリジン」について、多少の知識が必要です。
長くなりますがお付き合いください。
オリジンとは、大雑把に言うとゼノブレイドシリーズの世界(宇宙)を再構築する凄い装置…となります。
オープニングで二つの世界が衝突していますが、この際に宇宙が消失しても新たな宇宙を再構築(生む)することを目的として建造された装置です。
ゼノブレイド1の世界と2の世界は物質と反物質で構成されており、互いに衝突を起こすと所謂対消滅が起き、膨大なエネルギーの放射と共に世界が消失します。
オリジンは二つの世界それぞれが持つ「全ての情報」を記憶しており、世界が消失して「無」になっても再生ができるように設計されております。
ただ、どちらか一つの世界でオリジンを完成させてしまうと対消滅で全てを失うリスクがあるため、オリジンは二つの世界で分担して半分ずつ建造し、世界の衝突の際に合体することで完成し、起動するようになっています。
また、対消滅を起こす物質で造るわけにもいかないので、オリジンは「どちらの世界の性質にも該当しない物質」が素材となっています。オープニング・エンディングでの「オリジン」
「オリジン」の役割・機能がわかったことで大きな違和感が生まれます。
実はオープニングは疎か、エンディングでも「オリジン」を描写するシーンも連想するシーンは一コマもありません。
オリジンは二つの世界の女王の号令の元に、全ての技術を結集して作られた巨大人工物でもあります。つまり民はオリジンが何の目的で作られた物であるかの認識はあるはずなのです。
オープニング・エンディングが仮にケヴェスの元の世界(1の世界)が舞台だったとしたら、当然オリジンの半片もあるはずなのですが、それがどこにもありません。
これは大きな違和感を生む要因です。ノアはオリジンのOS
ここで漸く今回の考察の核心へ入ります。
「新たなる未来」の作中で「オリジンは人を新たな世界へ導く方舟」であると、登場人物のセリフがありました。
そのまんま旧約聖書等の伝承にある「ノアの方舟」です。
「ノア」はゼノブレイド3の主人公の名前でもあります。
旧約聖書の「ノアの方舟」には当然「ノア」が搭乗します。ここから推察すると、オープニングとエンディングでノアが居て描写している空間は「オリジンの内部」であると考えられます。
あの場面に映る建物、風景、人物は全て方舟に搭乗した「情報」であり、オリジンによるシミュレーターが生活空間を再現・投影して居るに過ぎないと思われます。
ネタバレになりますがオリジン自体は「トリニティプロセッサー」と呼ばれる超高度AIのうちの一つ「ウーシア」をベースに造られており、素材なども「ウーシア」が生んだ高次元物質がベースになっています。
ノアはその中枢にアクセスし、機能を行使する権限が与えられた、謂わばOSのような存在であると考えられます。
ノアが人の人格を持つのはオリジンが一から造ったののか、たまたま「ノア」の元となった人格を依り代にしているのかは描写も説明もないのでわかりません。
ただ、オープニングやエンディングでのノアの挙動は、他者とは異なる次元で行動できる存在である事を表しています。
そして、ゲーム本編のノアは「終の剣」と呼ばれる高次元の武器を携えて転生を繰り返す存在として描かれていて、「新たなる未来」においてはラスボスでありアイオニオンを統べるメビウス・ゼットでも抗えない「アルファ」へも抵抗できることが描写されています。(アルファの話もまた別の機会で)オープニングとエンディングはシティーの過去または未来
オープニングとエンディングに映っているシーンですが、よく見ると地球人と同じ特徴を持った人とノポンしかいません。
ゼノブレイド1の世界やケヴェスのベースであるなら、頭に羽の生えたハイエンターや、機械の肉体を持ったマシーナがいるのが自然ですが、そうした人物が一人も居ません。
そしてこの人物達の服装はゲーム本編で登場する「シティー」という街の住民と同じです。
「シティー」とはケヴェスにもアグヌスにも属さず、10年の寿命の枷がない人達が構成する街であり、ここの住民はアイオニオン創生と共にオリジンが作ったと思われます。
そして「新たなる未来」では「アルファ」と呼ばれるウーシアの暴走体がシティーの人達をオリジンに乗せてアイオニオンを消して全く新たな地平へ旅立とうとしていました。
オリジンにとっては「シティー」の人達だけが必要であり、オープニングやエンディングで「シティー」の人だけ投影したのもオリジン(アルファ)の意志が反映されたものと推察されます。
なお、このシーンには厳密にはハイエンターやマシーナの特徴を持つ人物としては本編の主人公ユーニやランツがいますが、逆に言えば彼等だけと言うのも極めて不自然です。
シティーの住民ではないノア以外の3人が投影されているのは、ノアによるシミュレーションであると思われます。
オリジンのシミュレーションであればこの3人は本来は映りませんが、ノアの強い想いがオリジンに作用して映して居たのだと思われます。まとめ
オープニング、エンディングのシーンは「シティー」のシミュレーションでありゼノブレイド1・2の未来でもない別の「新たなる未来」である、というのが私の考察です。
オープニングはプロセッサーであるアルファの計算が働いたシミュレーション、エンディングはOSであるノアの想いが働いたシミュレーションです。
オープニングのシミュレーションがメビウス・ゼットの干渉を受けてアイオニオンに閉じ込められた姿がゲーム本編の「シティー」であると思われます。
ただ、これで一件落着…とはいかず、結局ミオ視点の終わりと始まりがわからず、ゲーム本編でもミオの出自がほぼ語られていません。
ゼノブレイド1・2でもメインヒロインが主人公だけでなく、世界を動かす重要な鍵となっていたことから、ミオにももっと深い背景や大事な役回りがまだ隠されているのではと思っています。
個人的にはまだ追加情報があるのではないかな、と期待をし続けます。
(モノリスソフトさん、高橋哲哉さん、お願いします…)
以上となります。長文となりましたが、読んでいただきありがとうございました。