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後見人日記〜相続手続きと特別代理人①〜

ひんやりする日があると思いきや、急に暑くなったりと、目まぐるしい。おかげで私のデリケートな鼻はぶっ壊れ気味。でも、だんだんと濃くなる緑に、気持ちも上向き。

さて、最近は相続関連の業務が多い。私は社会福祉士なのでよくわからないことが多いが、わからないではすまされないのは当たり前。
Bさん、Cさんは兄弟。2人とも私が後見人として就任している。Bさんたちの父親Xさんは、H25年ごろに亡くなっているが、相続がなされていなかった。家庭裁判所からは、「いつまでにとは言わないが、相続の手続きをするようにしてくださいね」とやんわり言われたのが半年前。分割自体は、同じ割合で共有にすればよいのでそれほど難しくない。自宅の土地と畑、山林なので大きな価値はないのだ。徐々に準備を重ねて今に至るのだが、N司法書士には多大な協力をいただいた。いつものことだが、とても頼もしい、鬼滅の刃の「柱」のような人だ。

特別代理人(略してトクダイ)

私が法定代理人になるのだが、相続が関わるので、両方の代理人として遺産分割協議をすることはできない。よって、どちらかに特別代理人をつけなくてはならない。ここまでは教科書通りで流石の私でもわかるのだが、その手順はさっぱりわからない。まずは家裁の書記官に電話で根掘り葉掘り尋ねる。
手続き自体の手順はこうだ。
① まず遺産分割協議書の案を作成し、家裁に上申書をつけ、不動産の登記事項証明書等と相続関係がわかる戸籍謄本を提出

② それが通ったら、特別代理人選任申し立てを行う。様式は、未成年後見のものがネットにあるのでそれを流用するとよい。もちろん特別代理人は自分で探すこと、遺産分割協議案も再度添付して提出のこと

③ 審判が降りたら、遺産分割協議書に実印と署名をもらう

④   家庭裁判所に写しを提出。その後法務局にて所有権移転の登記をする

手順はわかったが、細目がわからない。私は遺産分割協議書も作ったことがない。ここらへんで、N司法書士の出番である。おもむろにスマホを取り出し、相手の多忙さも考えず、電話を入れた。

特代の候補者について

さて、N司法書士に電話。いつものことだが、だるそうに「ハィ・・」と電話に出る。嫌われてる?そんなことはない。煉獄さんのように心が広いのだ。
さて、ここから事情を話すと、ちょうど近くにいるとのことで会ってくれることになった。さすが兄貴!
まず戸籍と不動産の登記事項証明をN司法書士に確認してもらう。遺産分割協議書は、ネット上に参考になる様式がいくらでも散らばっているので、それを参考にするようにとのこと。これはできそうだ。問題は、誰を特代にするのかということ。Bさん、Cさんとも生活保護で、報酬など支払えそうにない。N司法書士に正面からは懇願せず、答えを待つ。「僕がしようか。報酬はいいから」の一言。もう感謝しかない。

最後の砦 法務局

手順をこなしていく。家裁にお伺いを立てながらなので時間はかかったが、無事審判が降りたのが先月。協議書も完成した。
あとは法務局だ。普段、登記事項証明書の取得に立ち寄るだけなので、所有権移転登記は経験なし。なので、ここはN司法書士に頼らず、法務局に電話で必要書類を尋ねることにした。しかし、予想外の返答だった。
「電話では質問にお答えしておりません。相談予約を取ってください」
まさかである。信じられず、「必要書類を確認しているだけですよ」と言ってみたが、無駄だった。それすら教えられないとは。状況により必要書類も複雑なのだろうからと思い直す。相続関連の書籍を確認。
遺産分割協議の場合の所有権移転登記には、以下のものが必要と書いてあった
①相続関係のわかる戸籍謄本
②被相続人の住民票除票または戸籍の附票
③遺産分割協議書
④相続人全員の印鑑登録証明
⑤相続人全員の住民票または戸籍の附票
⑥固定資産税評価証明書
⑦登記申請書

たくさん必要だわ・・。一応、N司法書士に電話で確認。法務局の対応について愚痴ってみたら笑われた。書類を揃えていれば一発でできそうなものだが、そうはいかない。年金事務所と同じく、一度は何らかの不備が指摘されそうだ。同一世帯だから、住民票は1部でよいのか、それとも個人ごとに必要なのか。それよりもわからないのは登録免許税である。

登録免許税

法務局へ収入印紙で納付するものだが、金額は、固定資産の課税価格(1000円未満切り捨て)×0.4%になる。
単純に計算していけばよさそうだが、課税価格が0のものがある。最低額というものがあるのかN司法書士に確認したが、付近の土地の価格を参考にするとか。この辺りのことは不明とのこと。予約を取って行くしかない。これも勉強だ。

次回へ続く

さて、法務局の予約も取れた。だいぶん先だが。また詳細が分かればノートに掲載していきたい。
N司法書士にはひたすら感謝。ひと段落したら、何か美味しいものでも持っていこうかな。

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