転生物語-後編−
転生物語-後編-
天からの恵をもっと自分達のものにしたい。
美しい月の国ムーンラグーン。
強い生命太陽の国サンランド。
この2つの国は地上の人間達の憧れの国だった。
天からの恵に最初こそ感謝していた地上の人々もどんどん貪欲になり、もっと自分たちの物にしようと企てていた。
太陽の国は大きく、王の強い炎で守られ近く事も難しかった為標的にと絞ったのは月の国ムーンラグーンだった。
ただ、地上の人々はこの月の国のユエという女騎士の驚異に何度も返り討ちにあっていた。
そんな時ある噂を耳にした。
「おい!太陽の国が月の国に和解を求めているそうだ!太陽の国と手を組まれてはもう月の国は我々の手に入らなくなるぞ!!」
「それは困る!なんとか阻止しなくては!!!」
そう考えた地上の人々は月の国や太陽の国にお互いが啀み合うように噂を流して回った。
「太陽の国の王は月の国の滅亡を望んでいるらしい!」
「月の国の巫女は太陽の国を悪者にする話を作って悪い噂をいるらしい!」
そうした悪い噂にどんどんおヒレが付き、自国の尊敬できる統治者を愚弄するという悪しき存在として両国は憎しみ合い、溝は深まっていった。
そうして地上の人々は機会を伺った。
自分たちにとって一番都合の良いタイミングを。
最強の戦士ユエが城を留守にし、手薄になる月の国の隙を、虎視眈々と息を潜め。
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