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【アメコミ紹介】「バットマン/スーパーマン:シークレット・シックス」
本作について
「バットマン:メタル」でダークマルチバースの存在が明らかになったあと、DCユニバースの正史世界たるプライムアースはダークマルチバースの侵略を幾度となく受けてきました
その中でも「嗤うバットマン」ことアース -(マイナス)22からやってきたブルース・ウェイン/バットマンの脅威は絶大で、「バットマン:メタル」の後日談にして本作の前日譚である「バットマン・フー・ラフズ」では、嗤うバットマンが正史世界のバットマンを自分と同じ存在しようと企てた事件が発生し、私たちがよく知るブルース・ウェインもあと少し遅ければ、新たな嗤うバットマンとなっていたくらいです
そんな「バットマン・フー・ラフズ」のラストシーンではバットマンだけでなく、とある人物もダークマルチバース・ウイルスと呼ぶべきなにかに感染してしまったことが明らかになっています
その人物が誰なのか、そして嗤うバットマンはバットマンに何をしたのかに関しては「バットマン・フー・ラフズ」をご覧下さい
いつも通りの事件
いつも通りにデイリー・プラネットで記者として働いていたクラーク・ケント/スーパーマンはブルース・ウェイン/バットマンからの緊急の連絡を受ける
それを聞いたクラークはスーパーマンに姿を変え、ジャスティスリーグの衛星基地へ向かう
そこで見たものは、想像もできないくらいに無惨な光景だった…
(あまりに衝撃的な光景なのでぼかしを入れています)
リーグの衛星基地で非常に惨たらしい事件が起きたにも関わらず、やけに落ち着いていて、どこか様子がおかしいバットマン
そして、彼は…
"嗤った"
というわけで、正史世界ことアース0/プライムアースのお話に思わせておいて、実はアース -(マイナス)22の嗤うバットマンの過去回想だった、というミスリードを上手く活用した面白いシーンです
こういう手法はほかのコミックでいうとヴィレッジブックスから出版されてる「スパイダーバース」でも同じような導入がありましたね
そういうのめっちゃ好きなんですよ~おもろい〜〜〜
アート綺麗
てか、アートめちゃくちゃ綺麗ですね
ナイトウィングとかそういう美形ヒーローのアートとかすごく似合いそうですね、ぜひやってほしいな
調べてみると、デヴィッド・マルケス(David Marquez)氏はMARVELで活躍されていたアーティストさんらしくて、本作からDCに移籍してきた方なんでしょうね
なんか、MARVELからDCへ移籍するクリエイター多いですが、一体なぜ?笑
DCの方が待遇が良いのでしょうか?
あるいは、新たな環境でクリエイティブな仕事をしたいのでしょうか?
2021年現在、本作でライターを務めていたデヴィッド・マルケスは、マルケス同様MARVELから移籍してきたライターでマイルズ・モラレスの生みの親としても知られているのはブライアン・マイケル・ベンディスと共にスコット・スナイダー&ホルヘ・ヒメネス他が担当していたジャスティスリーグを引き継いでいるみたいです
Shopro Booksからも邦訳本の出版が決定している「バットマン・デスメタル」を経て生まれ変わったDCユニバースを描くイベントである「インフィニット・フロンティア(Infinite Frontier)」のシリーズのひとつとして始まった新しいジャスティスリーグのコミックですから、ジャスティスリーグの方の邦訳も期待しています
そもそも、インフロは邦訳されるんでしょうか・・・?
トムキングのバットマンの邦訳をしていたほうがいいのでは・・・?
そもそも&そもそもトムキングのバットマンの邦訳はどうなった・・・?
ここからが本当のバットマン/スーパーマン
嗤うバットマンによる新たな犯行が発生したことをジム・ゴードンから聞いたバットマンとスーパーマンはアース0(正史世界)における嗤うバットマンのバットケイブに向かった
そこにはアース -22においてバットマンを嗤うバットマンへと変貌させた物質が検知されるバッタランの金型があったが、6つのバッタランは既に持ちされていた
ヒーローをジョーカーのようにするウイルスが付着したバッタランは6つだけだが、感染者候補はジャスティス・リーグやタイタンズなどの全てのヒーロー
つまりはバットマンとスーパーマン以外、誰も信じられないという状況に至ってしまう
そんな中、嗤うバットマンのロビンがバットマンとスーパーマンに襲い掛かるが、その正体はあまりにも意外なものだった・・・
あらすじ紹介はここまで!
これ以降はぜひ、手に取って読んでください
見どころ
個人的に好きな場面はフラッシュが高速でウロウロしている場面ですね。
フラッシュが過ごしている時間は周りの人々とは異なるものであり、フラッシュからすればスピードスター以外の全ての人や物は止まって見えるというのを一コマで表現しているようで凄く良いですね。最高です
そして、下のコマではバリー・アレンとは別のフラッシュであるエイブリー・ホーが登場していますが、彼女が出たのはいつ以来でしょうか
邦訳でガッツリとエイブリーの活躍を拝むことができる作品としては
「フラッシュ:ライトニング・ストライクス・トゥワイス」があります
ドラマ版フラッシュのシーズン7で活躍するとされているゴッドスピードが初登場した作品でもあるので、ドラマの予習にもなるのでどうぞ
あとはこれ
NEW 52!でブルース・ウェインが記憶喪失になってバットマンが不在になった際、ジム・ゴードンがバットマンとして活躍していた時に着用していたスーツですが、NEW 52!のバットマンは凄く好きなシリーズなので、その作品で初登場した要素であるジム・バットスーツが再び登場したのが嬉しかったですね~
これは本作の重要な要素ではないのでここでも言及しますが、スーパーマンは自身がクラーク・ケントであることを世間に公表していたというのがしれっと描かれていたのは印象的でしたね
ベンディスが担当しているスーパーマン誌でクラークが世間に正体を公表したというのは以前から知っていたのですが、この作品がその後の時系列の作品というのは知らなかったので、ちょっとだけびっくりしました
感想
バットマンとスーパーマンのコンビ(ワールズ・ファイネスト)を楽しむことが出来たのは非常に良かったですが、単体作品としての読了後の満足感はあまり得られなかったかなという感じです
だからといってつまらない作品というわけではありませんし、前述の通り見どころもしっかりと用意されているため、個人的には結構好きです
「バットマン・デスメタル」に向けたプロローグのような作品ではありますが、それでも見どころがあって楽しむことが出来たのはジョシュア・ウィリアムソンとしてのライティングの賜物でしょうね、流石です
ただ、同じくワールズ・ファイネスト系作品である「バットマン/スーパーマン:クロスワールド」の方が単体作品としては楽しみやすい作品だなと感じたというのも事実なので、単体作品を楽しみたい人はおすすめしません
本作で一番良かった点はここ
バットマンはスーパーマンをこう思っていて、スーパーマンはバットマンをこう思っている、みたいなものが描かれていたのは凄く良かったですし、バットマンはスーパーマンにしかできないことがあることをしっかりと認めているだけでなく、スーパーマンのことを彼なりに信じているんだというのも伝わってくる場面も結構多かったので、そこはめちゃくちゃ良かったです
お互い正反対のような二人ですが、不思議と気が合って無二の親友であるとうのが最高ですね、ほんとに
本作が展開された「Batman / Superman」誌はミニシリーズではなく、オンゴーイングシリーズであるため、本作以降もジョシュア・ウィリアムソンによるワールズ・ファイネストの物語は続いていきます。
今後はゾッド将軍とラーズ・アル・グールがコンビを組んでバットマンとスパーマンの前に立ちはだかるんでしょうか?
だとすれば非常に読みたいですね・・・
今後の「バットマン/スーパーマン」についてはクロスオーバーイベントに関係ない独立した内容になるので、邦訳については望み薄ですが、たまにはこういう独立した作品を読んでみたいですねえ
それと、オンゴーイングの意味については下記参照
終了の期限を決めずに継続される長期シリーズのこと。
これに対して1回限りのタイトルをワン・ショット、数回限定で出版されるものをミニ・シリーズと呼ぶ。
ただし、不人気なため結果として数回で打ち切りとなるオンゴーイングも存在する。
出典
書くことがなくなったので、ここで終わります
では、また