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祖母の形見、ジュエリーリフォームに至らずに

願望は口に出すべし。
ふとした時の母と会話。

私「30になるし、ちゃんとした指輪をもう一本買おうと思っておりまして」

母「あんた前から一文字のダイヤあげるって言ってるでしょう。リフォームしなさいよ」

私「!!!見に行く!!!」

母方の祖母は贅沢ものにはさほど興味がなかったものの、婚約指輪と揃いで一文字の指輪を持っていて、母は形見として1本ずつ私たち姉にあげようと思っていたらしい。娘が2人いるってこういう時にいいよねえ。

遠い昔にそんな話を聞いてうんうんと答えた気がするが、当時本物の指輪なんて分不相応なものしばらく縁がないだろうと思っていたので記憶の底に埋まっていた。

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ダイヤが5つ並んでいると言うその指輪は、昔のデザインで台が高くてゴツいのだと言う。好きなようにリフォームしなさいと言われ、妄想を膨らませる。

結婚指輪はハーフエタニティのようなデザインだから、そのまま一文字の形のはあんまり使わなさそうかな。
5つもダイヤがあるのだし、2-3に分けて2つの指輪にしてしまおうかな〜。縦横に配置してクロスモチーフにしてもよいかな〜。
いずれにせよ新しく買うよりも安く上がりそう。

姉に羨ましがられそうだが、彼女が譲り受ける婚約指輪の方がダイヤの質も大きさも良いらしいので許して欲しい。
ブランドものへの憧れもなくはないが、背に腹は変えられない。安く上がった方が良い。
そして祖母の形見ということで記念にふさわしいものになるだろう。ジュエリーリフォームの経験を積むのも悪くない。

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実家に行き、母に指輪を見せてもらう。
なるほど台座は高く意匠が凝らしてあって、ダイヤを囲む4つの爪は堅牢な感じ。いわゆる流行りのデザインでは決してない。
ほへーと思って、ダイヤの大きさのイメージを見るために指にはめる。

・・・。

・・・・・。

なんかめちゃくちゃしっくり来るんですけど・・・。そしてサイズもぴったりなんですけど・・・。

私「あの、わたくしお手手がレトロなようで、レトロデザインがそのまま似合ってしまうんですけども」

母「そのままのデザインで使ってくれた方がおばあちゃんも喜ぶでしょうよ」

私「それはww言われてしまうとリフォーム絶対できないやつww」

母「ま、飽きてからリフォームしなさいな。そのままはめて帰りな」

私「はーい」

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お家に持って帰ってきて他の指輪と組み合わせてみる。
台が高いというのは古めかしく見えるので今は嫌厭されがちだが、その分石が目立って大きく見えるという話でもある。
ただ、1つだけどーんと前に出る違和感はあるので、複数組み合わせたらよかろうと思ったのだ。

案の定、台が高すぎてそれだけだと悪目立ちしてしまってつけにくい指輪とか

高円寺の古着屋で3ケタで買った、ナゾの指輪

それだけでもつけらるんだけど、なんとなく寂しくなってしまう指輪とか

甲府の玉屋で2000円で買った、ガラスオパールとガーネット

組み合わせが最高にハマる。可愛いんですけど!!!
こりゃあもう、リフォームいらずだわ〜。

おもちゃと組み合わせて輝きの差が目立たないかと思ったがそこはヴィンテージ、多少曇りもあり違和感なく馴染む。クリーニングに出そうと思っていたけどこれはこれでありかも。

逆に結婚指輪は地金にダイヤが埋め込まれているようなデザインなので、あまり台が高くないデザインと組み合わせるのが良い感じ。なんとなく合う・合わないは感じていたのだけど、今回晴れてその違和感を言語化することができた。

と、いう訳で祖母の形見のリングは、思いがけずそのまま私の右手の人差し指に収まることになったのであった。

予定より前倒しで安上がりどころが支出ゼロでジュエリーが手に入ってしまい、さらに組み合わせ方も一段レベルが上がってしまった感がある。

・・・。

やっぱりもう一個買うか・・・。


おわり。

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今回リフォーム検討するにあたって、好みすぎるブランドを見つけたので備忘録。

台座を活かして、合う石にするリフォームの仕方。こちらは真珠の台座だったらしく。

オリジナルもあって、クラダリングも!他のデザインもとっても素敵。眼福眼福。

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