星野源の顔を褒めるという行為
世間では、塩顔がブームである。塩顔とは、平たく言えば「あっさりした顔」「薄い顔」のことのようだ。例えば阿部寛のようなダンディーな男前ではなく、坂口健太郎のようなさらっとした、汗をかかなさそうなイケメンのことだ(と思う)。
僕の中でイケメンというか、普遍的な「かっこよさ」の象徴はオダギリジョーとか木村拓哉だったりするので、すこし違和感を覚えるが、まあこういうのは世の中の流れに左右されるものなので気にしない。バチバチの黒ギャル時代があったかと思えば、美白という言葉が当たり前のように浸透していたりもする。個人的な話にはなるが、可愛い女の子といえば松井玲奈一辺倒だったころもあれば、いまは「高畑充希最高!高畑充希になりたい!」とすら思っていたりもする(もちろん、今も松井玲奈大好きです)。食べ物にしてもファッションにしても同じことで、好みとか流行りは移り変わるものだから、塩顔だって流行るだろう。
だが、最近の「星野源はイケメン」的風潮はあまりピンとこない。もちろん整った顔立ちだと思うし(曲もキャッチーなのにかっこいいし)、星野源は全然きらいじゃないのだが、あえて言いたい。星野源って、イケメンではないでしょ。というか、星野源みたいな顔、めちゃくちゃいっぱいいるでしょ。
僕の中の星野源は、中肉中背を体現したような存在である。先述した坂口健太郎は高身長で手足も長く、すらっとしたスタイルにあのうっっっっっすい顔があるから、どこか中性的な魅力がある。だからイケメンと呼んで差し支えない。星野源は、そうじゃないでしょ。超典型的な日本人的体型。それであの、塩顔ですか?薄い眼に、薄い唇。特徴というか、つかみどころのない顔。正直、映えないでしょ!インスタに!あれが今の日本的イケメンなら、なんでもありじゃんとツッコミたくなる。
というか、星野源の魅力ってやっぱり音楽にあるんじゃないですか?僕は熱心なファンじゃないけど、SAKEROCKもソロも代表的な曲はキャッチーでかっこいいじゃん。そっちを褒めろよ!「星野源の顔しか褒めない」って、カレー食べてるのに福神漬けしか褒めないようなもんだろ!30分並んだラーメン屋で「ご注文は?」「んー、じゃあチャーハン単品!大盛りで!」みたいなもんだろ!ラーメン食え!大盛りにしてんじゃねえ!米で腹を満たそうとするな!いやチャーハンはうまいけど。
とまあ、こんな感じでめちゃくちゃ不満に思っていたので、星野源(の顔)が好きな女の子に聞いてみたんですよ。「どこがいいの?」って。そしたらまあ、特につかみどころのない、要領を得ない答えだったので、もう何言ってたかまったく覚えてないんですけど、その女の子の顔をよく見たら星野源に激似で面白かったです。
ちなみに僕の顔もペラッペラに薄いし、我ながら「つかみどころがないなぁ」と常々思っているので、塩顔ブームが永遠に続けばいいと思っています。塩を通り越して無添加顔とか流行ればいい。素材の味を生かそう。でも肌は地黒なので、黒ギャルブームが再来すればいいなとも思っています。
あと星野源の曲は本当に好きです。新曲の「アイデア」、聴いても聴いても聴き飽きないです。