"ふつおた"みたいな会話
休日。親友宅に招かれる。駅まで迎えに来てもらう。家に行く前に駅前の小綺麗な海鮮居酒屋でお昼ごはん。10貫に赤だしがついた税込み1,000円の寿司ランチを食べる。
「おいしいなぁ。でもガリもっとほしいな」
「わかる。取り放題にしてほしい」
「でも加減知らないヤツもおるからなぁ」
「そうそう、そういうヤツのせいでこんなガリ少ないねんきっと」
とにかくガリがすきなふたり。
ミスドに寄る。レジがふたつ。ふたつのレジの店員さんの声が同じくらいのボリュームで聞こえて、どちらを聞けばいいか分からなくなる。シナモンドーナツを買う。
そしてお待ちかねの親友宅。旧い建物で、団地のかおりがする。日当たりがとてもいい。おひさまの匂いがする、とか言っちゃいそうになる。
紅茶を淹れてもらい、もらいもののゴディバのクッキーを出してもらう。電気カーペットの上で私は編みかけの編み物の続きをする。彼女は絵を描く。ラジオとかかけながらまったり作業したいよね、という私のリクエストに応えてもらい、FM802のラジオ番組が小さな音で流れている。
「うそぉ、なんで?!」
「どしたん?」
「ここ、だいたいの当たりつけて編んだのに、こんなにズレてるの、どういうこと?つらい。かなしい」
「人生やん」
「お、たしかに。人生やん。ここ目指してたのになんか全然違うことしてるって、あるよね」
そんなひとりごとを拾ってもらいながら完成した編み物。
「まー、なんやかんやでイイ感じに完成したわ」
「それも人生やん」
「それ、なんにでも使えるやん」
「でもなんにでも使ってたらアホやん」
そうかもしれないね。
どうやら編み物って人生らしいです。
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