シェアハウスインタビュー vol.8 りょうろうくん
私は今、約140人規模のシェアハウスに住んでいます。
そこには様々な経歴、面白いキャラクター、素敵な価値観のひとたちがぎゅっと揃っています。
せっかくだから、この家に住んでいる間にいろいろなひとのお話を聴いてみたい!とはじめた企画です◎
第8回は、りょうろうくんにお話をお伺いしました。
<それでは、まずは自己紹介からお願いします!>
りょうろうです。好きなことは料理です。
もともと別のシェアハウスに住んでいて、よくみんなのためにご飯を作っていた。転職を機に半年ぐらいニート期間があって、その時に生活費を抑えるために自炊をするようになったのね。それで本格的にレパートリーが増えて、どんどん料理が好きになっていった。
あとは、哲学的なことを考えるのが好きかな。
壮大だけど、幸せとは何か?とか、お互いの価値観を話し合うのが好き。
最近だと、恋愛とは何か?結婚とは何か?とかも考えたりしたかな。
<恋愛とは何か?は面白そうなテーマだね(笑)
2回転職をしたということだけど、まず1社目は何をしていたの?>
最初は石油を採るために海底をドリルで掘っていく「海洋石油掘削船」という場所で働いていたよ。
海の上で1ヶ月働き詰めのあとに1ヶ月日本に戻ってきて休み、という生活をしていた。僕の最初の勤務先はマレーシア沖で、その船の上で電気の整備士をやっていた。
もともと高専(国立高等専門学校)に通っていたから20歳で卒業して就職をしたんだけど、高専卒だと電気系の分野でしか就職ができないかなと思っていたんだよね。
それで、電気の整備士になった。
高専では電気の仕組みや回路の仕組み、皆も知っているようなオウムの法則とかの延長を勉強していたよ。
でも当時はあんまりちゃんと勉強をしていなかったから覚えてない(笑)
野球を頑張ってたくらいかな。
<なるほどね、そもそもどうして高専に入ろうと思ったの?>
一言でいうと、寮があったから。
けっこうダークな話なんだけど、親があんまり好きじゃなかったんだよね。
父親は昼間からお酒を飲んで、母親が学業のために貯めてくれたお金を遊びに使って、母親がひとりでずっと稼いで育ててくれていた。だから父親のことを尊敬していなかったし、その家庭にいるのがすごい嫌だった。高専って、中学を卒業した16歳から20歳までの5年間通う学校なんだよね。だから、逃げるようにしてというか、寮生活が楽しそうだったから入ろうって思った。(笑)
実際に入学してからも、親が払うはずの寮食の費用が滞納されていて呼び出されたり、色々ないざこざもあったな。
そういうのを自分なりに経て、当時は「ひとりで生きていく力を身につけないといけないんだな」って尖った考え方をしていた。
誰にも頼ることはない、自分の力だけて生きていく、みたいに思っていたんだよね。
そういう家庭事情とか背景があったから、よくいうと早くから「自立」はしていたのかもしれないね。
<そうだったんだね。話してくれてありがとう。
最初の仕事からはどうして転職をしようと思ったの?>
当時、会社の経営が傾いていたし、それを機に自分のキャリアも見直してみたいと思ったからかな。
2年半くらい働いていたんだけど、仕事自体が嫌いなわけではなかった。
ただ、内定が決まった年に業界的に石油の価格が落ちてしまって、会社の業績が下がったんだよね。大分やばいだろうなって思っていたのと、その時まだ22歳ぐらいだったから若いうちにもっと色々挑戦したいなと思ったのもあって、転職をすることにした。それで、ITコンサルになった。
転職活動をしていた時は、市場価値やキャリアを考えたときにIT系に行けば間違いないだろうなって思っていた。その時丁度行きたいなと思っていた会社がコンサル枠だけ募集をしていたんだよね。一応新卒枠でスキルを求められなかったのもあって、とりあえずコンサル枠で入社をすることになった。
もともとコンサルなんて仕事知らなかったし、コンサルをやりたかったっていうよりも、その会社に入りたかった。
その会社はブロックチェーンやAI、IoT、フィンテックなどいわゆるテクノロジーのトレンドに常に手を出しているところで、ここでキャリアを積めたら間違いないんじゃないかみたいな感じで決めたかな。
入社してからはめちゃくちゃ辛いときもあったけど、考える力がついたし成長したと思う。頭が良くなったというよりも、考え続ける力というか、思考体力、答えがない問いに向き合う力がついた。
そう思う一方で、会社に入ったことは結果的に間違った選択ではなかったけど、良い「キャリアを積めること」=「自分が納得いく生き方」ではないのかなと感じ始めた。
それで、今年の秋にに3社目のキッチハイクって会社に転職をした。
<はやくも2回目の転職を経験したんだね。
その時は具体的にどういう考えを経て転職をしようと思ったの?>
このシェアハウスに引っ越してきてから、コンサルの友達と「今後もこの仕事続けていく?」みたいな話をよくしてだんたよね。
そこで話していて共通点だなと思ったのが、同じ会社で働いている人が幸せそうじゃないよねってこと。
優秀な人も多いし、もちろん幸せに働いている人もいると思うんだけど、「本当にそれをやりたくてやっているの?」「日々やらなきゃいけないことに追われて、ただ時間を費やしているだけなんじゃない?」と思うような人をたくさん見かけた。
でもそれってぶっちゃけ自分の会社だけじゃないと思うんだよね。
満員電車とかで通勤するサラリーマンの表情とかみても思うけど、日本の世の中一般的にそうだなって。
そういうのを薄々感じていて、引っ越してきて同業他社の友達と話して、生き生きしている人って世の中そんなに多くないんじゃないかなって思った。
僕自身仕事にやりがいが全くなかったわけじゃないし、成長できていいなって思っている部分もあったけど、そういう気づきを経て「幸せとはなにか?」「生涯を通して向き合いたい事は何か?」をきちんと考えようって思ったんだよね。
<なるほどね。考えてみて、りょうろうくんにとっての「幸せ」、「生涯を通して向き合いたいこと」の答えは出た?>
一応仮で出ましたって感じかな。
「幸せとはなにか?」って人によって全然違うものだし、だからこそ自分で定義するものだと思っている。今の僕なりに定義する幸せとは「誰かのために情熱をもって行動できること」かな。
あと、「生涯を通してやりたいこと」も考えたけど、ぶっちゃけそんなの考えても最初は見つからなかったんだよね。
でも、これに悩んでいる人って自分だけじゃなくたくさんいると思う。それで結局何をやったらいいかわからなくて、日々目の前のことに忙殺されていくんだと思うんだけど。
話がちょっと脱線したけど、そこから色々本とか動画のインプットも経て、これからどうしていくか?を考えた。
その結果、自分がやっていて苦じゃないものとか、好きになりそうなものを手当たり次第挑戦していく、という結論になった。
挑戦してみて何か成功体験があったら、結果的に好きになって生涯やりとげたいことや天職に繋がるかもしれない。
そうやって考えたときに、僕にとってやっているのが苦じゃないもの「IT」と「料理」を掛け算したのね。
それで、キッチハイク(今いる会社)かなって思って、転職した。
<苦じゃないもの、好きになりそうなもの、とても良いね。
実際に転職をしてみて今はどう?>
めちゃくちゃ楽しいよ。
キッチハイクはもともと食のCtoCサービスをやっているところだった。今はコロナの関係もあって、地域自治体向けで地方創生のために地域の特産品を送って、オンラインで現地と繋いで料理を作ったりしているよ。
ITって言っても今やっていることはプログラミングだから、実質スキルはゼロからのスタートなんだよね。でも、自分がやりたいと思ったことに100%責任を持ってコミットしたら、本当に楽しいんだなって思った。
もともと転職する前、キッチハイクの社長に「リスクあると思うよ」って言われたんだよね。
「経済的にも辛くなるだろうし、精神的にも体力的にも辛いよ。それでも安定した立場を捨ててまで来たいと思う?」って。
それに対して俺は、「回答は変わりません、行きたいです」って答えた。
その時には腹は括れていたんだよね。「失敗しても良い」って思えるようになっていた。
たとえ自分の軸に沿った挑戦が失敗して一文無しになったとしても、「自分がやりたいと思ったことに挑んだ」「努力した」ということが僕にとって爽やかな実績になるから。失敗はしてもいいから、挑戦者であり続けたいって思ってる。
あとなんでうちの会社が楽しいと思うかって、転職をして気づいたけど同じく自分の人生に腹を括って生きている人が多いということ。だから、一緒に仕事をしていて尊敬できる人が多いんだよね。愚痴を言う人がまったくいない。仕事に対してネガティブじゃなくて、みんな前向きなんだよね。
僕は愚痴を話すのが好きじゃないから、そういう話題になったら何も話さないんだけど、そうじゃなくて未来を向いて仕事をしている感覚が好きだな
あともうひとつ、もともと起業に興味があったから、転職ではなく起業するっていう選択肢もあったんだよね。それで起業コンシェルジュに相談したら、「まずあなたは自分でモノを作れるようになったら?」って言われた。
自分でサービスを作れるようになったらかっこいいし、それだけのスキルがあったらいくらでも挑戦ができると思った。
毎回エンジニアを雇って失敗して、お金を払い続けてってやっているともたないと思うんだけど、自分の時間を捻出して自分でモノを作れたら挑戦する回数が増えるよね。そういうのもあってエンジニアになりたいって思った。
コンサルも汎用的な思考力みたいなソフトスキルは身に付くんだけど、それは「エンジニア」みたいなわかりやすい武器ではないし、形にして見えやすくするのが難しい。そう考えた時に、やっぱり「◎◎会社のりょうろう」にしかならないんだよね。それで、会社の箔をとっても「りょうろう」という一人の人として戦えるようになりたいって思った。
<肩書きじゃなくて自分の名前で戦えるようになりたいの、めちゃくちゃわかる!!!!
今のところで経験を積んだら、自分でサービスを作って起業したいの?>
ゆくゆくはそういう思いもある。ただ、今の会社のビジョンや理念って僕が求めているものと合致しているんだよね。そう考えるとずっと働き続けているかもしれない。どうなるかはわからないけど、軸をぶらさずに、やりたいと思ったことをその都度できていればいいかな。
僕の夢、というか生涯大切にしていきたい志があるんだけど、それは「世界をもっと活き活きさせる」ということ。今までの僕のように「このままでいいのか?」と漠然と不安を抱えている人や、この先どこに行けばいいのかもわからず、何も行動できずにただ目の前の事に忙殺されている人が、もっと自分の人生に腹を括って納得の行く道を生きられるような世界を実現したい。そのために、僕は挑戦を続けたいな。
<とても素敵な志だね。
それでは話は変わって、どうしてこのシェアハウスに引っ越してきたの?>
ここにきた理由はIT系の同業の人と話して刺激を受けたかったから。IT企業が多いエリアにアクセスしやすい駅で考えて、ここにしたよ。
140人もいれば、同業の人も1人はいるかなと思ったしね(笑)
実際に引っ越してきて思うけど、本当に最高だね。
将来について話し合ったり哲学的な話をしたり、切磋琢磨できる関係ができたのがすごく嬉しい。
なによりもみんなが前を向いて夢を語り合っていて、そういう姿を見ると僕自身も頑張ろうって思える。それがお互いにとって良い循環になっているんだよね。
だから、いろいろな刺激を受けているし、引っ越してきてよかったなと思っているよ。
<お互いに刺激を受けているのとても素敵だよね。
ここに住んでいる間にやってみたいことはある?>
シェアハウスに対してとかではないんだけど、すごいエンジニアになりたい!っていうのがひとつ。
あとは、趣味の料理をもうちょっと頑張りたいな。
最近はパスタを練習しているよ!
<確かに、道ゆく人がみんな「りょうろうくんのパスタおいしかった!」って言っているのをよく聞くよ!>
ありがとう(笑)
ちょうど今は中華も始めようと思っていて、中華用のガスコンロと鉄鍋を買ったばかりなんだよね。ちょっとガチ目にやろうかなと思って。
そうなったのもここの刺激のおかげ。じゅんさん(住人)が色々なカレーを作っているじゃん。あれを見ると僕も何かひとつ極めたいなって思ったんだよね。
そう思うと本当にいろいろな面から刺激を受けているなって思うよ。
<中華も絶対美味しいだろうなあ、楽しみにしているね!
最後に、りょうろうくんが思う料理の魅力って何?>
料理の魅力は、作ったあとに一緒に食べて「うまいね」という時間が共有できること。
自分ひとりのために作るのはそんなに面白くない。誰かのために作ったら誰かが来て、つまんで、おいしいって思ってもらえるのがすごい好き。そうやって食べてくれるのが嬉しいな。
あと、料理は学んだことがすぐ形として出てくるのも面白いよね。
パスタもちょっと本で勉強したら、すぐに今までと全然違う出来栄えになるのが面白いしね。
最後に、日頃からの感謝を込めて、みんないつもありがとう!
<こちらこそ、素敵なお話を聞かせてくれてありがとう!これからもよろしくね!>
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