シェアハウスインタビュー vol.4 れなちゃん
私は今、約140人規模のシェアハウスに住んでいます。
そこには様々な経歴、面白いキャラクター、素敵な価値観のひとたちがぎゅっと揃っています。
せっかくだから、この家に住んでいる間にいろいろなひとのお話を聴いてみたい!とはじめた企画です◎
第4回は、れなちゃんにお話をお伺いしました。
<まずは自己紹介をどうぞ!>
れなです。岩手県の雫石っていうめちゃくちゃ田舎出身で、趣味は旅行です。
...って言っても言いやすいから旅行って言ってるけど、アニメを見たり本を読んだりすることも大好きで、小さいころはひとりで完結する趣味が好きだった。あとは、アイドルやバンドも好きだから、よくDVDを見たりフェスに行ったりしているよ。
アイドルは、もともとすごい好きなわけではなかったのね。
岩手に住んでいたとき、盛岡のショッピングモールに全然知らない地下アイドルが来ていて、リリースイベントをやっていたの。メンバーの1人が岩手県出身で、凱旋ライブ的な感じだったのかな。
観客はおじいちゃん2人と私たち親子だけで、全然人もいないしライブとして成り立っていないのに、その地下アイドルの子たちはめちゃくちゃ楽しそうだったんだよね。その姿を見て、本当に感動した。
岩手は閉鎖的な場所だったから、「世間ではモー娘が流行っている」みたいな情報すらなかなか入ってこない。だから、お客さん2人のよくわからない地下アイドルが、私にとってはモー娘。だったの。
それまではライブや歌にそんなに興味はなかったんだけど、それがきっかけでアイドルが好きになった。
<アイドルを好きになったのはそういうきっかけだったんだね。
今お仕事は何しているの?>
会社員と自分の会社と両方やっているよ。
会社員は、海外イベント事業部と言って日本の文化などを海外に発信していくところにいる。
自分の会社では、アイドルのセカンドキャリアを支援する会社を立ち上げた。
あとこれは完全に趣味なんだけど、自分でアイドルもつくってる!
<すごいな〜!聞きたいことが多すぎて何から聞いたらいいかわかんないんだけど(笑)まずは会社員としてやっているお仕事のお話を聞かせて!>
会社員の仕事は、4月に転職したばっかりなんだよね。
今の会社はひとりひとりが個人事業主のような感じで、自分でイベントを企画して作り上げて海外に発信している。最近私がやったのは、まだまだ有名じゃないけどネット上に自分のダンス動画をあげている子たちのフェス開催。
踊ってみた、みたいな感じでアップしている人たちを兵庫や愛媛まで訪ねて、「やりませんか?」って声かけて、イベントをつくったよ(笑)
私はアイドルやサブカルが好きだからそういうイベントをつくっているけど、政治のイベントもあるし、企業のPRイベントをやっている人もいるし、ある意味なんでもありなんだよね。
<すごい面白い会社だね。
そこに転職しようと思ったのは何か理由があったの?>
そもそも私は、頑張っている人がめちゃくちゃ好きなのね。
だから、自分でアイドルを作ったり、アイドルのセカンドキャリア支援の会社を作ったりしている。
エンタメも好きだし、頑張っている子を売りたいっていう気持ちがあって、サラリーマンとしてもそれに直結する仕事がしたいなって思ったのがきっかけだった。
私が今いる会社は、転職活動の面接で自分が考えたイベントをプレゼンするっていう面白いところだったんだよね。しかも転職活動でプレゼンしたイベントを今プロジェクトとしてやっているの。
最終的に合否の決め手は、「そのイベントあなたは本当にわくわくする?」というところ。つまり、「私はこれが本当に好きで、やりきれるかどうか。」という気持ちで合否が決まる会社だった。
そういう熱意を買ってくれる会社で、その雰囲気が自分に合ってるかもなって思ったの。
<それは面白い会社だね。実際に入ってみてどう?>
めちゃくちゃ楽しい!だけど、思った以上に自分は本当になんにもできないなって思うことが多い。
熱意を買ってくれるとはいえ会社だから、結果は出さないといけない。
でも私は賢くないから、ビジネスがどうとかお金を産むにはどうしたら良いかが全くわからないんだよね。やる気だけは人一倍あるけど、それだけだとどうにもならないことが多い。
もちろん自分の好きなことだから楽しいけど、人生で一番しんどいなとも思ってる。
自分の市場価値や社会価値がないんだなって突きつけられる感覚で、今もまだ奮闘中かな。
<そうなんだ、絶賛奮闘中なんだね。自分の会社の方はどう?>
自分の会社の方は、めちゃくちゃ熱意も語ることもたくさんあるよ(笑)
今はまだ駆け出しで利益もそこまで出ていない状態なんだけど、アーティストのセカンドキャリア支援をやりたいってずっと思っていたんだよね。
そもそも頑張っている子が好きで、ステージ上でめちゃくちゃ輝いているアイドルたち見ている瞬間も好き。きっと彼女たちは「この瞬間幸せ」って思っているんだろうなって感じるから。
でも、その瞬間って本当に短い。例えば22歳、新卒のタイミングで周りの友達が働き出して、28歳くらいで結婚しはじめて、それぞれ人生の分岐点を迎えるよね。横でそれを見ているアイドルの子たちは、「このまま私はアイドルでいいのかな」「エンタメやってていいのかな」って悩むことがあると思うんだよね。
その悩みが、頑張れない理由になっちゃうかもしれない。だけど、その後も輝く人生を設計してあげられたら、「今はエンタメを一生懸命頑張ろう」って言えるかもしれないって思ったのね。
結局はその瞬間を楽しんでほしいって思っているからこそ、セカンドキャリア支援をやろうって決めたの。その先が明るければ、アイドルとしていられる限られた時間を目一杯楽しんでもらえるかなって思った。それで、会社を立ち上げたよ。まだまだ勉強中だけどね!
<思いを形にしていくところがすごいなあ。初めてみて、今はどう?>
私がやろうとしていることって、結構エンタメ業界でも難しいと言われているところなんだよね。
エンタメ業界って、その子達が輝いている時間にはお金も期待もかけるけど、その後には責任は取らないから、どんなに頑張っていても、不安定な未来に悩むんだよね。業界的にも課題だなと思っているところだったから、ここがうまく行ったらエンタメとかアイドル業界も続けやすい環境になるんじゃないかな。
アイドルを引退した後は、バイト生活だったり、なかなか社会復帰ができない子も多いんだよね。
「アイドル」って職業として微妙な立ち位置で難しいから、その後の就職や仕事への選択肢があるだけで安心感は得られるんじゃないかなと思うし、それが重要なんじゃないかな。
ただ、私がやってあげたいと思っていることと、実際に今できることは違うんだよね。
今現在だと、紹介できる会社もエンタメ系が多い。アイドルとして頑張ってきた知見や感覚を欲しいと考えている企業も多いから。
とはいえ、アイドルを卒業した子がエンタメ系の会社に行きたいかどうかは別だよね。
例えば、「人材系に行きたいです」って言われたときに紹介してあげられるプラットフォームまでにはなってない。ゆくゆくは行きたい業界を紹介できるようにしたいけど、まだまだ難しいのが現状かな。
<「こういうのがあったらいいよね」って思ったことを、自分で作ろう!って思えるのがすごいなと思うんだけど、そうやって動ける秘訣は何かあるの?>
私は本当にばかなんだけど(笑)
助けてくれる人たちが周りにいてくれる事が多いんだと思う。
今回、セカンドキャリアの会社をやりたいって思ったときも、別に資格を持っていたわけじゃない。だけど「こういうのやりたいって思ってる!」っていうのをめちゃくちゃ人に言い続けていると「じゃあ一緒にやろう」って手を貸してくれる人がいるんだよね。
それでなんとか成り立っているけど、今サラリーマンとして働いている会社で自分の価値がないって感じてしまうように、私ひとりだったら何もできていないと思う。
自分のやりたいことをまわりに言うのは、本当に大事だよね。
<れなちゃんの思いが素敵だから、まわりも手を貸したくなるんだろうなあ。
それでは、アイドルを作っている話も教えてください!>
アイドルを作り始めて、なんだかんだで今は7グループ目。
業務委託としてアイドル借りることもあるけど、最初のほうは自分で秋葉原でスカウトして集めたりしていたよ(笑)
振り付けや作曲もプロにお願いすると1曲で60万円ぐらいかかってしまうから、自分で曲を作ったり振り付けを考えたり、出演する場や会場もブッキングしてる。
めちゃめちゃ売れているわけじゃないけど、そうやって駆け出しのアイドルちゃんたちのプロデュースをしているよ。
<作曲も振り付けも全部やってるのすごいなあ。
逆に、自分がアイドルになりたいとかは思わなかったの?>
好きだからいいなとは思うけど、どちらかというと見ているのが好きなんだよね。
誰かが何かに変身する瞬間に感動するの。
だから、「プロデュースをする」っていうことに魅力を感じる。
アイドルをつくるのって、誰かの人生を本当に180度変えられる仕事だなって思うから、作る方に楽しさを感じているかな。
<直近では、サラリーマンとしての仕事を一人前にできるとか、アイドルのセカンドキャリアの道を増やしていくことに注力していくと思うんだけど、10年後20年後どういう風になっていたいとかはある?>
ちゅーそんとかにはそういう考え方良くないって言われると思うんだけど(笑)
私は、「今これをやりたいから、今はこれを頑張る」って感じで生きてるんだよね。
きっといつかやばい壁にぶつかると思うんだけど、でも今は、目の前にいる7グループのアイドルの子たちを本当に売ってあげたいって思うから今それを頑張る。
セカンドキャリアも本当は中長期的なビジョンを描いたほうが良いと思うんだけど、まずは7グループのアイドルの子たちが卒業をしたときに、ちゃんと社会復帰できるような環境を作るのが目標なんだよね。
今後どうしたいとかはわからないけど、この先も頑張る子の夢を叶える仕事をしていたいなと思っているよ。
<プロデュースするのも幸せだし、その子たちにとっても舞台にあがれるのは幸せだし、みんなハッピーで素敵だね。
それでは話は変わって、れなちゃんがシェアハウスへ来たきっかけは?>
まゆちゃんも言っていたけど、私も性格的には絶対に合わないと思ってた(笑)
旅行好きって言ったのもそうだけど、どちらかというと経験にお金をかけたいっていうのがあるのね。
物欲も全然ないし、服も全然持ってないし、今は一張羅を着てる(笑)
もともと一人暮らしをしていたけど、そこの家賃も4万円ぐらいで住めれば良いと思っていた。
だから、私にとってここは、スペックや立地にしては高い物件だと思っているのね。でも、ダンススタジオが使えたり、そういうのが好きな人たちが集まっているところがいいなって思った。それに、20代のアグレッシブなときに住みたいなっていう気持ちもあった。
住み始めたら意外と落ち着いた人が多かったから、思っていたのと良い意味で違ってよかったなって思った。
<住み始めてちょうど1年くらいだけど、どう?>
うーん、馴染むのが遅いなって思った(笑)
この3ヶ月ぐらいでめっちゃ輪が広がった感覚があるかな。
これまでは、自分がエンタメをやっていることをあんまり言いたくなかったんだよね。
誇りに思っているんだけど、「アイドル好き」とか「アイドルを作っている」とか、普通の会社員じゃないところが言いづらいなって思っていた。
その時は前職時代だったから、その仕事の話をしていた。
本当の自分の気持ちはあんまり言ってなくて、違う自分で接していた。
でも話しているとエンタメが好きな子たちが多くて、自分がやっていることを自信持って話せるようになっていった。そうしたら意外と打ち解けられて、そこから仲良くなったり旅行に行くようになった。
もうすぐ1年経つけど、本当にここ3.4ヶ月で変わったし、もっと楽しくなってきたところかな。
あゆみちゃんとも最初はこんにちはって挨拶をする関係で、あゆみちゃんのことややっていることも素敵だなって思っていたけど、そもそも話す機会もあんまりなかった。だから、この前飲みにいって色々話せたときに、これこれって思った(笑)
同じ物件に住んでいるとはいえ、意外と本当の自分の芯の部分を話す瞬間はあんまりないよね。
でも、このシェアハウスは違いを受け入れてくれる人が多いから、自分はコンプレックスに思っていたりするところも、受け入れてくれるじゃん
だから、もっと自分のことを発信してもいいなって思った。
このインタビューもめっちゃいいと思うよ!
大変だと思うけど、応援してるね!
<わたしも、れなちゃんと色々話せてよかったよ!ありがとう!>
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