生まれたわが子の検査結果 #10
誘発分娩でお産を終えたわたし。出血量も多く立ち上がれなかったため、分娩台で3時間ほど横になっていた。
起きているのか寝ているのか、うつらうつら、
あんなに朝から賑やかだった他の分娩室も、わたしがお産を終えた頃には静まり返っていた。忙しいお産ラッシュが去った後だからなのか、わたしは移動させられることなく貧血が安定するまで分娩室でひとり過ごしていた。たまに助産師さんが様子をみに来て、「もうちょっと寝てよっか」といって出ていく。
他のお母さんは今頃赤ちゃんと一緒にいるのかなあ。
お腹にやってきたわが子は先天性疾患。思いもよらない妊娠・出産となったわたしの記録。
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出産を19時前に終え、気づけば23時を過ぎていた。ひとりで立って歩けなかったので大部屋には行けないと判断され、一晩だけMFICUの空いていた個室で寝ることになった。
まな板の上の鯉のようにベッドに移動されて個室に運ばれる。
娘の検査は終わっただろうか。それとも結果報告は明日に持ち越しだろうか。出産に立ち会った夫が説明を聴くことになっていたので、夫は小児科に移動して待機している。
さすがに夜の23時だ。もう夫も家に帰されているのだろう。個室に横になりやっと携帯を確認する元気が出てきたけれど連絡は入ってなかった。
ふらふらの身体で連絡をする。
そういえば生まれたわが子をみて、名前は「〇〇だね」と決まったことも思い出す。
なんと、疑われていた十二指腸閉鎖以外にも色々みつかったらしい。
そして今から病室に来るとな。
産声をあげたわが子はとてもしっかりしていて、トリソミーではなさそうだったし、何より本当に健康な赤ちゃんそのものだったので、大したことないと思っていた。
そのタイミングで看護師さんが部屋に来て、今から旦那さんが来てくれるからねと連絡が。
不思議と疲労感なのか、根拠のない安心感なのか、娘の結果よりの心配よりも、こんなに夜遅くても夫に会えることの方が嬉しかった。
まもなくして病室に来た夫が先生から受けた説明をなにやら深刻そうにわたしにしてくれた。
・明日、早速十二指腸の手術になったこと。
・十二指腸閉鎖以外にも食道と肛門にも閉鎖がみつかったとのこと。
・それぞれ手術が必要なこと。
・合併症のリスク。
ここまで消化管閉鎖が合併して生まれてくる症例は大きな病院でも珍しいらしい。何時間も丁寧にたくさんの先生が夫にひとつひとつの状況と処置について説明してくれたとのこと。
「そうかあ生まれて翌日に手術かあ」
「思ってた期間より長めに頑張ることになるんだね」
「食道、十二指腸、肛門、閉鎖してる状態でよくあそこまで大きくなってくれたよね」
「早くごはん食べさせてあげたいねえ」
そんなことを話したのを覚えている。
そして夫は終電ギリギリに駆け込んで家に帰っていった。また数時間後には病院に来ると言うのに。
何時間も検査を待って、何時間もお医者さんから説明を受けて、出産に立ち会っただけでもたくさん驚いたことあったはずなのに、その直後には娘のことでたくさん頑張ってくれた夫に感謝。
たくさんたくさん緊張してくれたんだなあ
出産前に1番気がかりだった手術はもう数時間後に控えている。まずはひとつひとつ。
わたしにできることは、まずひとつ終わった。今は身体の回復に集中しよう。
2400gで生まれた小さめの娘。その小さなからだで明日早速手術をうけるのだ。
親にできることはとにかく信じること。
次回 ひとつめの手術
***
現在、出産を終え3週間を過ぎようとしています。無事に娘もわたしも回復に向かい、一緒に暮らせる準備を進めています。
「産後はクロダイじゃけえ。」と瀬戸内の知り合いが立派な海の幸を送ってくれました。産後の回復にいいと瀬戸内では食べられてきたそうな。
しっかりあーだこーだいいながら捌いて美味しく頂きました。血抜きも上手にしてあって、捌くのが下手くそなわたしでもぷりぷり新鮮なお刺身、あら汁を堪能できました^ ^