誰でも何度でも主役になれる音楽
中学生くらいからずっとインスト音楽が好きです。
インストを聴かない人は経験がないと思うのですが、どんな音楽聴くの?と聞かれてインスト!と答えても大抵は会話があまり広がりません。なので流行りに敏感な10代の頃はそれなりにJ-POPや邦ロックもかじったりしましたが、心から癒して励ましてもらったのは、いつもインストでした。
今まで私は、あまりインストの良さを語ることをせず自分だけのひそかな楽しみに留めていたのですが、もしかして改めて私なりの解釈と聴き方を共有したら、読んだ方にちょっとふだんの楽しみが増えるんじゃないか(あわよくば会話が弾むチャンスが私に訪れるんじゃないか)と思って、記事にします。
解釈は、自由
Wikipediaでインストゥルメンタル音楽を調べると「対義語は声楽曲」とあるくらいなので、もちろんその特徴は歌がないこと。歌がないと退屈…って言われたことがあるのですが、むしろ自由な聴き方ができて最高だよ!と伝えたい。
というのも、歌があれば歌詞や声色で作曲者の想いを聴き手にビシビシ伝えられますが、インストってそれがない分、聴き手みずからが感じ取りにいくんですよね。
新しいことにチャレンジする曲かなとか、
どこかの朝の風景に感動して作った曲なのかな、とかとか…。
ここで感じ取ったイメージっていうのは、作曲者と対話できるかよほど詳細なライナーノーツがない限り、聞き手側の勝手な解釈です。(多少タイトルに影響は受けるかもしれませんが。)
そうすると本当は失恋の曲だったのに、転んでケガをした人、会社でミスした人、美容室で気に入らない髪型にされた人、そういう人達に「あれ、この曲ってもしかして私に元気出せって伝えてる?」という幸せな勘違いで慰めることができる。インストはそんな余白というか可能性があるジャンルだと思っています。
楽しみが増幅する聴き方
私が一番好きな聴き方は「同じ曲をひたすらくりかえし、ただし1回の再生につき1つの楽器だけを聴く」です!(1つの楽器単体を聴くのも大好きなのですが、今回はバンドを想定しています)
どういうことかというと、1リピート再生にして、1回目はドラムを、2回目はベースを、3回目はピアノを・・・という風にただただ聴くんです。そうすると、はじめはメロディーラインだけがその曲の印象だったのが、リズムが離れたり合わさったりする構成が見えてきて、ぐっとくるポイントが格段に増えます。
ここでスコーンと入るドラムがやばい!とか、
ずっと続いてたベースにメロディーが重なってきれい!!とか。
そういうぐっとくるポイントがわかると飽きることってなかなかなくて、むしろ聴くたびに感動が増幅していく。そういう意味でインストは、誰でも何度でも主役になれる音楽だと思うのです。
インストに思うこと
はじめに書いたように10代初期から10年以上インストを中心に聴いているので、これは私の価値観にもかなり影響を与えています。とくに人との接し方について。
言葉が足りなくてもお互いがちょっと想像力を働かせれば、 同じことをするのも自分がいつもフレッシュな気持ちを心がければ、 きっと楽しくなる。
そう前向きにさせてくれる原動力をこれからも大事にしていきます。