「大阪出身なのに」を乗りこえる
「大阪出身なのに、ノリツッコミしないんだね」
新卒で入った都内の会社で、上司に言われてびっくりした言葉です。
ここまで極端なことは珍しいにしろ、出身地でこういう人だと決めつけられることに違和感があります。しかもそれを「まあまあ気にするな」で済ますのもどうも違う気がするのです。どちらにとってもたぶん良くない。
このグレーな気持ちはきっと、私の根っこにある「1人ひとりに向き合って暮らしたい」という思いに通じるはずなので、あーだこーだ記事にします。
地域によって、言葉や食べ物や人との距離感の取り方が違うのはわたしたちにとってごく身近なバラエティーで、テレビや旅行を通した驚きや刺激が、どんどん蓄積していく。これは誰にでもある経験だと思います。
だから地域名を聞けば、目の前に居る人をよく見るよりも、そういった経験を思い出すほうがきっと簡単なんでしょう。例えば私だって、新作ディズニー映画のポスターを見たなら必ずプリンセスがが出てくるだろうと思う。
でも、いまあなたの目の前に居る人は、そんなフィクションの登場人物なんでしょうか?と言いたいわけです。あなたと同じ時代に同じ場所に存在している人間なのに、と。
単純に、ステレオタイプをやめましょうとか、多様性を認めましょう、とか押し付けがましくしたくはないんです。ただ、その人を知ることを手抜きしてほしくない。だってそれは、まわりまわってあなた自身の好奇心をせばめたり思考を不自由にすることにつながるから。
ちなみに、冒頭の言葉に対して当時の私は「つっこめるほど面白い振りじゃなかったんで。」とかわいげも生産性も全くない切り返しをしてしまいました。
実はいまでも、こういう状況でビシッと決めらる言葉を見つけられていません。でもこうした中途半場な気持ちでも発信さえすれば、スケールは違えど、いろんなバイアスにその人らしさを隠されてしまった人の微力になれると信じています。
だから たった一言でも 乗りこえるガッツを持ち続けたいんです。