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ある意味、今がチャンスの東京国立博物館

現在、東京国立博物館で展示中の『国宝 檜図屏風』をお目当てに行って参りました。

今の期間は平成館で特別展を開催していないため、通常よりも人手が少なく、ゆったりと展示室を巡ることが出来ます。

東京国立博物館の収蔵品は約12万件。
総合文化展で展示されているものは常時約3,000件。
そして、年間の展示替え回数は400回にのぼるそう…!
さすがはNational museum。お気に入りの場所なのに私は何も知りませんでした。

年パスを利用して2〜3ヶ月毎に訪れていますが、確かに、本館、東洋館の展示物が特集を組まれて少しずつ変化しているのが分かります。
常設展だけど、年間を通しての常設ではない、
訪れる度に「おや⁉︎」という発見があり、飽きることはありません。

今回訪れた時に出会えた、総合文化展の逸品をご紹介。自己視点で、作品の全体像もさることながら、ディテールに注目してみました。

国宝 檜図屏風(安土桃山時代1590):狩野永徳筆
手前に描かれた檜の巨木、金泥、岩場、そして水面と奥行きを感じられます。
力強く荒々しい「大画(たいが)」の中にも写実的な葉の描写が際立ちます。
こちらは南蛮文化の特集展示。
まず目を引いたのが、表装の更紗文様です。おしゃれ!
こちらも表装に一目惚れ。
格式ある文様ですが、柄の配置と配色にセンスを感じます。
陣羽織 茶地題目文字模様紙子(安土桃山)
背中に仏様のお名前を配し、中央にはお経の文字が描かれています。自らが御守りになっているかのよう。
鎧下着 白平絹地経文日輪仏像模様(江戸時代)
厚地の生地で作られており、冬場に活躍したそう。
振袖 白綸子地大菊小花文様(江戸時代)
現代よりもファッション性を感じられる、まさに粋なデザイン。
被衣 染分麻地松皮菱菊蕨模様

着物の形をしていますが、なんと贅沢にも女性が外出する際、顔が見えないように頭に被る覆い布。町方の被衣は麻製で、藍の濃淡を基調とした型染が好まれたそう。


そして、密かな推しスポットの東洋館へ。
仕事関連でシルクロードについて調べたことがあり、以来、ハマりつつある東洋美術。
東洋館はさらに現実離れできる、最適なスポットです。

いつ見ても美しいガラスケース。
パキスタン ガンダーラ3世紀
まさに仏陀「誕生」の瞬間。彫が深く、エキゾチック。
ガラスの装身具
グラデーションが出来るほどの豊富な資源技術力に圧倒されます。
黒褐釉象形容器(クメール アンコール時代)
いつもちょこんと展示されていて可愛い!
見る度に感心する、テキスタイルのための傾斜壁面。
おかげさまで私たちもとっても見やすく、間近で鑑賞出来ます。
(うろ覚えですが)インドカシミール
細かい模様にさらに金糸の刺繍がほどこされ、メリハリの効いた柄行きがシックでカッコ良い!
博物館にあるいろんな「顔」の中でも、埴輪の次に癒される、南国の先住民族の仮面たち。

総合文化展はいわゆる常設展ですが、
いつメンが展示されていることはありません。
そのくらいの収蔵品があることは承知の上で、学芸員さん方の特集組みが「特別展」であり、これが見られることはかなり嬉しいことです。

もうすぐで話題の埴輪展が始まりますが、
今だからこそ「特別」な収蔵品が展示されています。
お時間があればぜひ、トーハクへ!

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