選手へのリスペクトから学ぶ、最高の剣道イベントと主催者。
11月3日、第71回全日本剣道選手権大会を日本武道館まで見に行きました。
全日本といば、長野県に住んでいた頃にホワイトリンクで開催された女子の大会を一度見に行ったことがあるけれど、男子の大会の観戦と日本武道館へ足を運んだのは人生初…!!!
初の日本武道館の感想は、外観は思ったよりも小さくて、中に入ると広〜い!! ファーッ!! って感じでした。
…おっと。
話が逸れていくところでした。戻します。
その日、友達や知り合い、お世話になった先生や憧れの選手の試合を生で見て応援したくて見に行ったのもあるのですが、実は会場内の試合以外の様子を見ることも目的の一つでした。
私は普段、「あやめT」という名前で「剣道普及」と「誰もがはじめやすく、継続しやすい剣道」を目指したいろいろな剣道の活動をさせていただいています。
そのうちの一つが、約三ヶ月に一度開催している「菖蒲稽古会」です。ちょこっとだけ説明させて下さい。
「菖蒲稽古会」とは…?
北は北海道、南は沖縄から。
子供から大人まで全国から剣道人が集まります。現役実業団選手や特練員の先生、全国制覇経験のある剣道家も参加して下さいました。
(なぁぜなぁぜ?)
稽古会には以下の3つのルールを設けており、これはどんなに有名な剣道家・選手・高段の先生であっても守っていただけるよう、お願いをしております。
ご清聴ありがとうございます。
さて、次は「おまえの稽古会と全日本選手権どう関係あんだよ?」問題についてですね。違うか。
全日本選手権、私は会場内の試合以外の様子も見に行ったと言いました。気になったのは「選手へのリスペクト」です。「選手ファースト」とも言えるかもしれません。
私の記憶が確かなら、喫煙所の場所は2箇所くらいだったと思うのですが、そこでこれから出場される選手・惜しくも敗退された選手の方が、観戦者と一緒に喫煙されているのを見ました。
勘違いされたくないのですが…喫煙そのものや、選手の方が喫煙されることを批判しているわけではありません。
私が言いたいのは印象の話です。
全日本剣道選手権大会とはまさに日本一を決める大会で、優勝者には天皇盃が授与される「最も栄誉ある剣道大会」です。
そんな大会で、人並み以上の鍛錬と様々な思いを積み重ね、この日のために体と心を整えられてきた各県の代表選手が観戦者と一緒に喫煙されているんですよ…?
私も煙草はじめようかな???
違う。間違えました。
私、喫煙はしませんが、人生の9割剣道をしてきた人間です。
だから同じ剣道人として、「試合前・後の一服なんだな」と思うことはできました。思うというか、そう捉えることができたと言うべきですね。
でも、剣道関係者以外の観戦者にはどう見えるのかな…?とも思ったんです。
そして気になったのはもう一つ。
喫煙所へ向かう・立ち去る、喫煙所で喫煙中の選手にサインを求めに行く観戦者の方が割といました。
一服中や廊下を歩いている選手の姿は、観戦者からすれば「休憩中」や「空き時間」に見えるのかもしれません。
…ですが、「第71回全日本剣道選手権大会」という日本一を決める大会は、観戦者にとって以上に、選手および選手の関係者にとってとても大切で特別な日だと私は思うのです。
サインが欲しい。
一緒に写真を撮って欲しい。
その気持ちは痛いほど分かりますし、私も一瞬喫煙を検討しましたよ。しかしそれ以上に選手へのリスペクトを大切にしたい。私はそう…帰りの電車の中で首を寝違えて「いたい…」と呻きながら考えていました。
選手へのリスペクト
これをそのまま観戦者に「大切にして下さい」と言っても、受け取り方も行動の仕方も人それぞれになると思います。経験も意識も価値観もみんな違いますから。
じゃあ、選手に喫煙所に行くなって?
サインにも応じるなってこと?
…いやいや、そうじゃなくて。
これはあくまで私の勝手な考えとして読んでいただきたいのですが、例えば観戦者と選手で喫煙所を完全に分けるとか。
そうすれば選手の皆さん、もっと落ち着いて一服できるんじゃないかな…。
喫煙所までのルートも、できれば観戦者と選手が出会わないようにして、そのルートから選手が観覧席にいる関係者に会いに行く際はそこから出る…とか。
サインや写真を求める・応じられることは決して悪いことではないんです。でもこれ、普通の大会じゃないよね?って。
選手の方々がもっと…これ以上ないくらい試合だけに集中でき、試合の後も気持ちよく過ごしていただける…。
会場の中はきっとそうなっていたのだと思います。でも会場の外は、私にはそう見えない部分がありました。
私が菖蒲稽古会の主催者として学んだこと
私も稽古会を主催していて、単なる稽古会としてではなくイベントとして開催する時もあるし、今後はもっと完成された剣道イベントを主催できるようになっていきたいので、そういった会場の外での出来事を見て、守って欲しいことをゲスト・参加者一人一人の経験や意識・価値観に託す…いや投げるのではなく、主催者が分かりやすくルールを設けたり、ゲスト・参加者が守りたくなるような仕組みを作ることが、主催者には求められるなと、改めて思えたんです。
というのも、先にちょこっとだけお話しした「菖蒲稽古会」を、12月に私の生まれ育った故郷で500人規模の剣道イベントを開催するんですよ。私の次のチャレンジです。まだ500人しか無理……(T ^ T)
今回は初の県外開催ということで、クラウドファンディングをさせていただきました。
稽古会に参加できるチケットは「参加券」と「スタッフになれる券」の2つで、「スタッフになれる券」は「参加券」の倍の金額だったのにも関わらず、13人もの方が稽古会のスタッフになって下さいました。
…それは、私やコラボ相手の梶谷くんのファンだからかもしれないし、「菖蒲稽古会にスタッフとして参加したい!!」という熱い思いがあるからかもしれません。
だから、
スタッフ頑張ってくださいね。
スタッフなんだから参加者には親切に接して下さいね。
私たちのファンなんだからやってくれるでしょ。
…というのは大間違い&勘違いで。
どんな熱意があったとしても、真冬のど田舎で駐車場係や受付係をしていただくんです。それをどうしたら楽しみながら取り組んでいただけるか?
考えながら猛準備中です。
例えば、スタッフ証を記念品として持ち帰れる凝ったものにしました。こちらは剣道のご縁のおかげで低予算で作成できます。朝の係員中の防寒対策も考えます(これはまだ内緒)。あとは、稽古会が開始したら、剣道具は私と梶谷くんの両サイドにズラーっと置いていただくことも検討中。
結果的にどうなるかはまだ分かりませんが、スタッフの皆さんに自発的に参加者に対して楽しく・親切に接していただけるような仕組みを考え中です。
最高の剣道イベントにしたい。
でも「最高の剣道イベント」って具体的にどんなの?
あやめTが500人集めるから?あの梶谷先生が来るから?松尾選手も来ちゃう…から、最高の剣道イベントなの?
違うと思う。
全ての質が高い…。
参加者・ゲスト・スタッフ・主催者それぞれの満足度が高い。それが「最高の剣道イベント」な気がしている。
イベントとして大きく成長できる、またとない機会がきてます。
全日本、見に行ってよかったです。
どの試合も素晴らしかったし、勉強もできて楽しかった!!
私も頑張るぞー!!