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きっともう会えないあなたへ


20歳の誕生日。

あなたが私を祝ってくれたこと、私はきっと幾つになっても忘れない。





「あやかちゃん、何料理が好きなの?」

その人は、私の誕生日2週間前ほどに私にこう尋ねた。
私が好きなのはイタリアンなので、素直にそう答えたら、本当におしゃれなイタリアンに連れて行ってもらえた。
コース料理なんて食べたことがなかったし、食べ方がわからなかったけど、その人の見様見真似で美味しくいただいた。
(帰りの電車はお腹いっぱいすぎて二人で吐きそうになっていた)



人生で初めて「朝まで飲むこと」を一緒に経験したのもその人とだったし、飲み会後のラーメンが美味しいことを教えてくれたのもその人だった。

私にとってその人は、まるでお姉さんのような存在だった。
何でも知っている人。迷ったら正しい道を教えてくれる人。
ただの職場の先輩ってだけじゃなかった。

なのに、その人は今はここにはいない。
けれど、どこかで元気にしているらしい。風の噂でそう聞いた。

それなら、いいか。
そう思っていた。

その人がいなくなってからもうすぐで一年が経つが、本当にそれでいいのかなって、ずっと悩んでいたことがついに今日爆発した。


「転んでも起き上がる、迷ったら立ち止まる。そして問う、あなたならこんな時どうする?」って宇多田ヒカルが歌ってたけど、毎日これ。

ねえ、あなたなら、どうする?

私のこの日々、あなたがいたらもっと違ったかしら?


なにも変わらなかったとしても、私はあなたがそばにいるだけで毎日が楽しかったはずだし、気を楽にして全てをこなせたはず。
でも、私の毎日がぎこちないのは決してあなたのせいじゃない。それは、あくまで私のせい。
ただ、あなたがここにいた世界線を覗いてみたいだけ。


10年、20年経ったって私はあなたの帰りを待ってると思う。
誰に何と言われようと、私のあなたは変わらないまま私の心に住んでる。



あなたが、

あなたが元気なら私もそれでいい
けど、あなたは、私のことを少しでも覚えてるかな?

欲を言えば、私のことを忘れないで生きてて欲しいな。

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