時系列に沿って、ホムラの物語を追いつつ、感想を添えていきます。ネタバレがありますので、未読の方は先にゲームをプレイする事を強くお勧めします。
※この記事は、伝説「忘却の海」を含みません。見解は末尾に記載しています。
わんぱくだった子供時代
まずはホムラの生まれと育ちから遡っていきたいと思います。
ホムラは、リモリア人として海の中で暮らしていました。わんぱくな子だったようで、家族は手を焼いていたようです。危険な環境にも関わらず、家族と離れたりしていたようで、怖いもの知らずな子だったのかもしれません。
リモリアのしきたり
子供の頃のホムラは、ある時、母親が行う海月の儀式を見ます。
「海月の儀式」とは、葬儀の事を指すようです。現実世界でもクラゲは、体の90%が水分でできているため、死ぬと溶けて消えてしまうそうです。恋と深空でも、クラゲにあやかって「海月の儀式」と呼ばれるようになったのかもしれません。リモリアでは、海に還る事が美徳とされる文化のようでした。
誕生日の衝撃
陸に興味を持ったホムラは、年に1度、海水が逆流する日を利用して、深海から海面へ向かいます。しかし、そこで事件が起きました。
「Lemuria Cardiac Microvascular Endothelial Cells」は「リモリア心臓微小血管内皮細胞」となります。「何かが引き裂かれ、飲み込まれ、血の塊が固まったように見える。」とは、おそらくリモリア人の心臓が取り出された事を表しているのでしょう。EVERは永遠の命を欲しており、リモリア人の不死化細胞を手に入れるために、潮汐逆流の日に弱る事を利用して、リモリア人を捕獲していたのだと思われます。
海は弱肉強食で、死が隣り合わせの環境だったと思われるので、ホムラは血自体は見慣れていたと思います。しかし、赤色は光が届かない場所では、ほぼ黒色に見えるので、深海に住んでいたホムラは、赤色は見たことが無かったのではないでしょうか。海面にたどり着いた時、ホムラは初めて赤色を見て、衝撃を受けたのでしょう。
主人公との出会い
潮汐逆流の日で、力が入らなくなったホムラは、座礁してしまったようです。ホムラは「リモリアの生き物は陸地では生きていけない」とは聞かされていても、力が弱る事までは教えてもらっていなかったのかもしれません。
ホムラは、遠足で帽子島に訪れていた主人公に助けられたようです。助けてもらったホムラは、主人公に恋をしました。
ホムラは主人公に夢中になってしまい、日が出て周りが明るくなった事で、やっと時間が過ぎたことを知ったのではないでしょうか。
ホムラの住んでいる場所は深海で、海流を利用して泳がなければ、子供のホムラにはたどり着けない距離だったのかもしれません。海流を利用するためには、干潮時にはもう帰る必要があったのでしょう。
帰らなくてはいけないホムラは、主人公の方からホムラに会いに来てもらう約束をしたのだと思われます。
別れる前にホムラは主人公とリモリアの契約を結びます。リモリアの契約は、相手の名前を呼ぶことで行動を制御できるもののようです。ホムラは自分を捧げても良いほど、主人公に心底恋してしまったのでしょう。契約した証は、ホムラの鎖骨に魚を模した印として刻まれました。
主人公がリモリアの契約に応じてくれた事で、ホムラはもうすっかり恋人気分でした。ホムラにとっては遠距離恋愛のつもりだったのかもしれません。
恋に浮かれていたホムラは、深海に帰ってやっと一族がEVERに蹂躙されたことを知らされたのだと思います。一族の悲劇を知った幼いホムラに、さらなる悲劇が追い打ちをかけます。
主人公を待っていたホムラでしたが、いつまで待っても主人公は現れませんでした。当時を振り返ってホムラは「牢獄」と評しているので、無味乾燥な日々だったことが伺えます。叔母のタンレイから見ても、ホムラは覇気がなくなったようでした。
リモリアの復讐
リモリア人達は陸にあこがれを抱いていました。しかし現実は悲惨でした。陸に期待していた分、かえって憎しみも強かったでしょう。
リモリア人達は人間を憎み、復讐を望むようになります。そしてホムラにも復讐することを求めました。しかし、ホムラは気が進んでいないようでした。
ホムラは身内の面倒を見ようとするなど、仲間意識が強い性格なのだと思います。そのため、一族が復讐を求めていたら、応えずにはいられなかったのでしょう。
Kは人間にさらわれた一人でした。ホムラはがんばってKを、家である海に帰そうと努力しますが、間に合わずKは死期を迎えます。Kは陸にいるより、たとえ体が動かず沈みゆくだけだとしても、海で最後を迎えることを選びました。Kを救おうとがんばってきたホムラは、悲しみながらKの意思を尊重します。
Kは幼い娘を人間に捉えられて、亡骸をさらされていました。
娘を奪われたKは人間をひときわ憎んでいたかもしれません。Kは失意の中、海の中へ消えていきました。
親戚という近しい者の死は、後々までホムラの心に傷を残しました。
主人公へ会いに行く
しびれを切らしたホムラは、子供の頃に「どこまでも君を追いかけ続ける」と言った通り、待っているのではなく、自分から会いに行きます。
リモリアの復讐のためにEVERの情報を探っている最中、ホムラは主人公が狙われている事を知ります。そこでホムラは交渉をしかけ、EVER内部の者と内通することに成功します。
情報提供を受けたホムラは、主人公が、自分が講演を行った大学の学生だという事を知ります。ホムラは主人公に会いたくて、大学に行く口実を考えはじめてしまいます。
主人公は複数の勢力から狙われているようでした。自身も狙われている立場なので、ホムラは逸る気持ちを抑え、冷静になろうと努めます。
冷静になろうと努めるホムラですが、会いたい気持ちが抑えられないのでしょう。主人公と会えるかもしれないと期待を膨らませつつ、キャンパスを歩いているように見えます。
キャンパスを歩いていると、ホムラは偶然、主人公の写真を見つけます。成長した主人公の顔を見れたホムラはとても嬉しそうです。長年、画質が悪い写真を見て想いを馳せていたのなら、当然でしょう。主人公と会ってしまうかもしれないのに、キャンパス内を歩き回る事はいけない事だと、ホムラ自身も後ろめたいのかもしれません。足跡が重なっている事を信じることで、自分と主人公の繋がりを確かめ、自分を諫めようとしているように見えます。
主人公の顔を見てしまったホムラは、主人公を想う気持ちが高まってしまい、がまんできずに臨空大学の特任教授の依頼を受けてしまいます。
主人公との邂逅
念願叶って、ついにホムラは主人公と邂逅します。話の内容が頭に入ってこないほどですから、そうとう嬉しかった事が伺えます。
浮き立つホムラに、ひどい仕打ちが訪れます。なんと主人公はリモリアの事を覚えていなかったのです。ホムラは思わず動揺してしまいます。
主人公は、転生時でなくても、体内のエネルギーに刺激を与えれば、意識と記憶がリセットされます。おそらくホムラは、このエーテルコアの性質を知らなかったのでしょう。
ホムラは恋人との遠距離恋愛のつもりだったので、会えない辛さでも、病みつきになったのだと思います。
しかし、主人公と相思相愛というスパイスがなければ、それは病みつきになる辛さではなく、ただ辛いだけになってしまいます。
あれだけ主人公に会いたがっていたホムラなら未練がましく「もっと声を聞きたかったが、この辺りで去ろう」と言ってもおかしくはないと思いますが、「これ以上ここにいても意味はない」と言い捨てています。きっと主人公が覚えていない事にショックを受けたのでしょう。
可愛さ余って憎さ百倍。ホムラは完全に拗ねてしまいます。
出会いのやり直し
主人公が在学中に、既に臨空市にいたホムラが、帽子島が封鎖されている事を知らないのは違和感があります。「なるほど」と言っている時、ホムラは目をそらしていました。目をそらしたのは嘘をついているからでしょう。ホムラは知らないふりをしているのだと思います。おそらく、子供に手伝ってもらい、主人公をおびき寄せ、偶然の出会いを演出したのではないでしょうか。
金魚すくいの出店には「リモリアの海で世界最後の魚を救おう EVOLバーチャルフィッシュの中には本物の魚が1匹だけいるよ!」と書いてありました。諦めきれないホムラは、ヒントを散りばめることで、なんとか主人公に思い出してもらおうとしているように見えます。
スマートに金魚を掬って見せ、リモリアの知識を披露し、かっこよく決めたと思ったら、帰り際にホムラは主人公から赤い魚をプレゼントされてしまいました。ホムラの鎖骨には、魚を模した赤い印があります。赤い魚をもらったホムラは、主人公と契約を交わした時の事を思い出したでしょう。動揺したホムラは、主人公が話している途中で、退散してしまいます。
主人公との再会
アトリエで作品制作をしていたところに主人公が訪ねてきます。
ホムラは主人公に会えたことが嬉しくて喋りすぎてしまいます。はしゃいでいるようです。
ホムラは、主人公からワンダラー出現の元凶の疑いをかけられて、はぐらかそうとします。サンゴの石を使った絵を買ったレーウィンが、リモリアの復讐に関わっていたからでしょう。
ホムラがはぐらかしていると、主人公は帰ってしまいそうになり、ホムラは慌てて主人公を引き留めます。ホムラとしては、長年の想い人をここで手放したくはなかったのでしょう。
ホムラは主人公を引き留めるために、とっさに嘘をつきます。サンゴの石に、自分の血を垂らし、青い魚の幻影を出します。ホムラは青い魚の幻影を出す能力を持ち、ホムラの血は特異エネルギーを増幅する効力があります。それを、青い魚も、特異エネルギーも、両方サンゴの石が原因だと、主人公に錯覚させました。作戦は上手くいき、主人公を引き留める事に成功します。しかし、引き留めたはいいものの、主人公はサンゴの石について、また追求してきます。
ホムラはもう一回はぐらかしますが、主人公の方も、また引き上げようとしてしまいます。
ホムラは慌てて、覚えていないが記録があると言って、主人公を引き留めます。
主人公と一緒にいたいホムラは、とっさにボディーガードを依頼することを思いつきます。特異エネルギーが付着したサンゴの石を渡すことを交換条件に、代用品を手に入れるために同行するよう、主人公に交渉します。ホムラは話している最中、目が泳ぎまくっていましたが、なんとか作戦は成功。主人公は同意してくれました。
主人公との追憶
ホムラは一族の中でも前線で復讐を執行していたためか、EVERはホムラがリモリア人だという疑いをかけているようです。
リモリアを狙う奴をおびき出すためでしょうか。EVERが疑っている事は事実だと言わんばかりに、ホムラはリモリアをテーマにした作品を発表したり、リモリアについての講義を行います。
ホムラが撒いた罠にかかった人物がホムラに接触してきて、ホムラをN109区の懸賞にかけました。
ホムラが懸賞にかけられている事を知った主人公が、ホムラにN109区の情報を聞きに来ました。
話の途中で主人公は、絵の幻影を見たと言い出します。ホムラは、主人公のこの言葉を聞いて、もしかしたら記憶が呼び起こされたのかもしれないと期待したでしょう。ホムラは主人公に何を見たのか問いただします。主人公が話したのは、海辺の記憶でした。
主人公が思い出すかもしれないと思ってか、ホムラはリモリアの話をします。
今までレーウィン以外に問題が出た事はなかったようですので、「小さなサンゴ一つでさえ、人に幻を見せる不思議な効果がある」というのは嘘でしょう。主人公の話に合わせただけだと思われます。
主人公のEvolは、他人の夢を覗き見る事ができるので、主人公が絵の幻影を見たのは、サンゴではなく、共鳴が原因でしょう。
主人公と話をしているとパパラッチが現れます。
レーウィンは意識障害があるものの精神疾患はないそうですから、精神病を患っていて自傷行為を行っていたという訳ではないでしょう。レーウィンは、延命するためにリモリア人の不死化細胞を移植した結果、体が適応しきれず意識障害が出始めたのだと思われます。ホムラを見ると、リモリア人は人魚の姿に近づくほど皮膚のウロコが増えていく体質のようです。レーウィンは移植後に体に変化が出始め、皮膚にウロコが出始めたのでしょう。せっかく生き延びたのに自分が人魚になるかもしれないという現実から逃避するためにウロコを取ろうとして、ウロコのある部分をナイフで切り付けていたのだと思います。
EVERは自分達の行っている事に対して、世間からの批判を浴びる事を危惧しているようですから、レーウィンの死因と、ホムラの絵を隠蔽したのでしょう。
EVERは証拠を隠滅し引き上げようとしますが、ホムラはしっぽを掴み引きずり出そうとします。
ひと段落すると主人公が帰ろうとします。ホムラは主人公と次の約束を取り付けるべく「絵の具が足りない」と、理由を取って付けます。
主人公が返事を渋るので、ホムラはN109区の情報をちらつかせます。すると主人公は乗ってきてくれました。
おそらく、このホムラの話は嘘でしょう。昨日時点での話では、制作中の作品に一番肝心な絵の具が足りなくなったので補充するためと言っていました。しかし、今日は新しい創作を行うためと言っており、矛盾しています。おそらくホムラも、嘘を重ねすぎて、自分が何を言ったか把握しきれなくなってきたのではないでしょうか。
さすがに主人公も訝しみます。主人公を騙せなかったホムラは話をそらします。
以前ホムラは「あのサンゴは珍しいもので、海の底の『リモリア』と呼ばれる場所にあったそうだ。」と言っていました。しかし、ここは帽子島です。「これはここのものだ。」という事は、サンゴは帽子島のものだと言っている事になり矛盾します。
リモリアは遠海で、帽子島は近海で、場所も離れています。
ハンターを帯同させず、民間人がたった4人で長期滞在できるほどですから、リモリア遺跡にワンダラーはおらず、特異エネルギーもなかったと思われます。おそらく「サンゴの石がリモリアの物」というのは嘘だったのでしょう。それに、ホムラの血が特異エネルギーを増幅し、ワンダラーを呼び出せる事は既に分かっているのに、わざわざ主人公に試させる意味がありません。
ホムラは以前、主人公が絵の幻影を見た話に食いついていました。おそらくホムラは、共鳴することで、主人公の記憶がまた呼び起こされないか、試したかったのではないでしょうか。レーウィンの絵は奪われてしまったので、少しでも主人公の記憶が呼び起こされやすいように、絵の代わりとして、主人公と約束をした場所である帽子島に連れてきたのかもしれません。
ホムラの目論見は上手くいかず、主人公の記憶に変化は現れませんでした。しかしホムラは粘ります。
海から燐龍が現れました。燐龍が現れたのは、おそらくホムラの血が原因ではないでしょう。前回は、特異エネルギーが既に付着していたものに、ホムラの血を垂らして、ワンダラーが現れていました。今回は、ホムラの血は、特異エネルギーに触れていません。おそらく、主人公の共鳴が原因でしょう。主人公がサンゴの石に共鳴したとき、共鳴の波が海にまで伝わっているシーンがありました。燐龍はその波に引き寄せられたのだと思います。
燐龍を撃破した後、二人は海の中に飲み込まれました。海の中では、星の磁場の入り口が開いていました。燐龍の出てきた星の磁場でしょうか。ホムラは水中で自由に動けるため、自分ひとりで対処しようとします。
主人公がいつまで経っても思い出してくれず、さらに猫が怖い事をからかわれた後だったので、ホムラは拗ねていたのでしょう。天邪鬼な事を言ってしまいます。
主人公は無意識にリモリアの契約を行使してきます。主人公の言葉に呼応し、ホムラの鎖骨の印が光りました。「今回は、君が自分で選んだ」ということは、「前回は、自分の与り知らぬの所で選ばされた」という事になります。もしかしたら、ホムラは主人公とリモリアの契約を結んだ時に、十分な説明をしなかったのではないでしょうか。
もしかしたらホムラは、「契約の意味を理解していなかったかも?もしかして意図せず、一方的に強制した感じになってたかもしれない。もしそうなら、彼女の信頼を得てから、しっかり説明しなくては。」と思い悩んでいたかもしれません。
ホムラは、目の前の星の磁場を尻目に、主人公を抱えて、さっさと逃げたようです。
主人公がリモリアの契約を行使したことで、ホムラは、もしかして思い出したのかもしれないと期待したのでしょう。水を向けてみますが、残念ながら主人公は思い出していませんでした。
帽子島にくる時、ホムラは「レアなコアで絵の具を作って創作に取り入れたい」と主人公に言っていました。コアを手に入れる事が目的という体裁だったはずなのに、ホムラは「意外な収穫」と言ってしまいます。ホムラは、主人公がサンゴの石に共鳴したとき、共鳴の波が海にまで伝わっていた事に驚いていました。おそらく、帽子島に燐龍がいることは知っていて、主人公を連れてくる口実に使ったけれど、本当に現れるとは思っていなかったのかもしれません。また、ホムラが手に入れる事が目的なのに、「一旦これは僕のものだ。」と、主人公に渡すことが前提のような言い方をしています。さらに言うなら、主人公と初めて会った時は、サンゴの石の出所を封鎖されると困るから、主人公に代用品を取ってくるのを手伝わせるという体裁でしたが、帽子島は初めから封鎖されている場所でした。ボロが出てしまったホムラでしたが、幸いにも主人公は気づきませんでした。
主人公に過去を打ち明ける
こちらを惚れさせておいて、主人公の方はすっかり忘れている事が悔しかったのでしょう。ホムラは主人公に嫌味たっぷりに忠告します。帽子島で手を尽くしても、主人公が思い出さなかった事で業を煮やしたホムラは、友達の話という体裁で、二人の思い出を主人公に語ります。
ホムラが話してみると、主人公は、ホムラの気持ちを分かってくれ、謝ってくれました。惚れた弱みか、謝ってくれた事で溜飲を下げたホムラは、約束してくれれば、許す事にしたようです。
リモリアの契約はもう既に結んでしまっていますから、代わりに海の祝福で誓いを立てます。ここで、ホムラと主人公は、一旦の仲直りとなりました。
主人公へ開いた胸襟
主人公と仲直りしたホムラは、次はリモリア人の弱点を打ち明けます。
ホムラは、体が弱っているのにつられて、心も弱っているようです。心が弱ったホムラは、主人公が自分をどこまで受け入れてくれるか試すような事を言ってしまいます。そんなホムラの言動の裏にある不安を、主人公は理解し受け入れてくれました。主人公の言葉に安心したホムラは、主人公の膝で眠りにつきます。
主人公に対する誠意
主人公との仲を深めていったホムラは、ある時、主人公と良い雰囲気になって、キスしそうになってしまいます。しかし、すんでのところで思い留まりました。以前ホムラは「彼女とのことは時間をかけていきたい。」と言っていたので、恋人とは手順をしっかり踏んでいき、節目ではちゃんとロマンチックな場を用意して進展したい、と考えているのかもしれません。
時が変わって、叔母のタンレイが結婚することになり、ホムラは式に出席することになります。
リモリア人にとって契約を交わす事は、結婚と同じような事を意味するようです。ホムラは一途な性格のようで、再婚するタンレイに良い顔をしません。
海は弱肉強食の世界という事ですし、リモリア人はEVERから狙われている訳ですから、一生一人の相手と添い遂げる事が難しいのかもしれません。主人公を一途に思い続けているホムラのようなケースは、珍しいようでした。
出席者の内でリモリア人だけが、新郎の陰口をたいているようです。おそらくタンレイの夫は、リモリア人ではなく人間なのではないでしょうか。リモリアの復讐相手である人間だったので、新郎はリモリア人から陰口を叩かれたのかもしれません。
タンレイがわざわざ言い訳のような事を言っているということは、リモリア人の間では、タンレイみたいに結婚した人は少数派で、復讐心が強い派閥から疎まれているのかもしれません。
ホムラは主人公の事を、タンレイ以外には誰にも言っていないようでした。主人公が人間であることが一族に知れたら、主人公が疎まれるかもしれないと思って、ホムラは言い出せなかったのかもしれません。
ホムラは、テイラーから花を贈る意味を聞きます。花を贈るのは両想いになりたいから。そして、自分に見立てた花をあげるのは、自分をあげるということ。その後、ホムラは主人公と花園に行きます。
ホムラは、主人公の手に花を描くことで、自分の事を好きになってほしいと伝えたかったのだと思います。主人公も花ではないですが、ホムラの手に魚を描いてくれました。ホムラは嬉しかったと思います。
この時、ホムラは花を自分に見立てたのだと思います。そして、この世でたくさんあるもののなかで、名前があるのは誰かに好かれている証拠だと考えている。だから、自分に見立てた花をあげることで、自分をあげたことにし、その花(=自分)に主人公が名前を付けたら、それは自分を好きだという事になる。ホムラはそう考えたのではないでしょうか。
ホムラの遠回しなアプローチは、ちゃんと主人公に伝わりました。気持ちが通じ合って、感極まったホムラは主人公にキスをします。
愛される自信
ホムラは、自分が主人公を想う気持ちは強く固まっていましたが、主人公から想われているかは、自信がなかったようです。
ホムラは、自分に自信がないので、主人公に過去を話せないでいました。
以前、ホムラは主人公に、死に際にどうするかという話をしていました。リモリア人の死とは、海月の儀式=海の一部となることです。リモリア人は、海と一体となることを、永遠と捉えています。おそらくホムラは、主人公と死ぬまで添い遂げて、最後は一緒に海と一体となることで、死んだ後も永遠に一緒にいたいと考えているのではないでしょうか。そして、そんな自分の気持ちと比べて、主人公との温度差を感じ、不安になっているのかもしれません。ホムラの不安が伝わっているのか、主人公もキスするだけでは、ホムラの気持ちに応えきれていないかもしれないと感づいています。
ホムラがなかなか自分の事を話せないでいると、主人公がアプローチしてきてくれました。しかしホムラは、怖気づいて千夜かけることで引き延ばそうとしてしまいます。すると主人公は、話す決心がついていないホムラの気持ちを汲み取ってくれました。
主人公は自分のせいにさせる事で、ホムラが言いやすい雰囲気を作ってくれました。「同じ海に溺れてもらう」とは、温度差なく、自分と同じくらい愛して欲しいという、ホムラの願いなのだと思います。
主人公は、ホムラの気持ちに応えてくれました。「世界が奏でる他の全てを無視しよう」とは、人間界の常識や倫理観に背いても、という意味だと思います。そう決意した主人公なら、きっとホムラと一緒に海月の儀式を行ってくれるでしょう。
あとがき
解釈違いも多々あった事かと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございます。
ホムラは恋に恋するロマンチストな人だと感じました。一目ぼれした女の子と、いきなり結婚の約束をしちゃう。そして子供の頃した結婚の約束を一途に想い続ける。でも大人になって温度差に悩んでしまう。なんて乙女で可愛らしい人なんだろうと思いました。ナイーブなホムラは、これからも思い悩むことが多々あるかもしれませんが、乗り越えられるよう応援しています。
ホムラの記憶に関する見解
本記事では、伝説「忘却の海」を含んでいません。その見解を述べます。
ホムラは、伝説の記憶を持っておらず、リモリアに伝わる海神伝説を伝え聞いているだけだと考えています。理由はホムラの言動です。ホムラが主人公と出会った物語は、「忘却の海」「金砂の海」「香り纏う夢(魔女主人公の夢)」「本編」「秘話」の5つです。「金砂の海」「香り纏う夢」「本編」「秘話」で、ホムラは主人公に記憶を思い出してもらおうとしたり、自分を覚えていないか聞いたり、主人公に忘れている記憶がある事を伝えたりしています。しかし「忘却の海」だけは、主人公の記憶に触れませんでした。
「忘却の海」の物語序盤で、ホムラは主人公に対して、かなりそっけない態度を取っており、念願の再会を喜んでいる空気は感じ取れません。秘話では、大人になった主人公の声を聴いたホムラは、話の内容が入ってこないほど動揺しており、「忘却の海」でのホムラの反応と大きく乖離しています。そうすると「忘却の海」でのホムラは、主人公が大人になっていたので気づかなかったか、別時空の話ということになります。秘話でホムラは主人公の写真を見て、子供の頃と変わっていないと言っていることから、主人公が大人になっていたので気づかなかったとは考えにくいです。よって「忘却の海」は別時空という事になります。
「忘却の海」が主人公との初対面だとすると、「忘却の海」→「子供の頃の指切り」→「本編&秘話」の順番となり、ホムラは伝説の記憶を持っていないという結論になります。
また、ゲーム内のチュートリアルメッセージで伝説は別時空であると説明されています。
ただ、伝説時空から本編時空へ、鯨落都がワープしてきたり、レイのようにホムラも前世の夢を見たりして、伝説の記憶がある可能性は残るので、考察材料が揃えば、追記したいと思います。
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