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note#4. Why golf shoes? part.2

上品で上質な本革ゴルフシューズに魅了され、日本にその商品を持ち込み会社を設立して10年、それまでのゴルフシューズの知識を詰め込んだ新しいスタイルのゴルフシューズを開発しました。ここまで私を突き動かしたものは何だったのか?part.2では、商品開発に至るまでの経緯をお伝えします。

1. 本革ゴルフシューズのデメリット

本革ゴルフシューズを日本で展開するにつれ、厳しい一面を見ることになります。以下のようなデメリットが明確になってきたのです。

①お手入れが大変・・・お手入れこそが本革シューズの醍醐味だが、スポーツ用途としては面倒なポイントに。

②水に弱い・・・本革は突然の雨や露に弱く、水を吸って重くなってしまう。また生産工程で完全防水機能をつけることができない。

③重い・・・昨今の軽量化されたシューズと比べると天然皮革はグッと重くなる。重いシューズが敬遠されがち。

こういったデメリットもあるのですが、それでもその上質さやカッコ良さが勝って愛用する方もいたわけです。私も惚れ込んだ一人ですから。特に、かつて一世を風靡したFootJoyのクラシックスタイルが好きという男性ゴルファーから支持をいただいていました。残念ながらFJのクラシックタイプは生産中止となってしまったので、この手のシューズが好きだったゴルファーに求められたのだと思います。

2. 新しいゴルフシューズの発想

今やほとんどのメーカーがスニーカー+ワイヤーのシューズをラインナップしているけれど、デザイン的にはNGで、クラシックスタイルが好きってゴルファーがそこそこ存在するのではないか?

つまり、クラシックスタイルのデザインは残しつつ、スニーカーのように履きやすく、ゴルフシューズとしての機能性を持ち合わせる手軽なゴルフシューズがあったら、みんなに喜んでもらえるのではないか?と、ジワジワっとアイデアが私の脳裏をよぎるようになります。

前途した、①~③のデメリットを払拭したシューズ、つまり①お手入れが簡単で②完全防水で③程よい重さで+クラシックスタイルのデザインを融合させた、まさにデザイン性と機能性を合わせ持ったハイブリッドシューズを創れないものか!と。

3. やるっきゃない!チャンス到来

ひそかに構想を練っていたこのハイブリッドシューズ創りが、実現化するときがやってきます。2016年、男性ゴルフファッションの革命を起こしたいと独立した旧知の社長様から連絡をいただき、そのファッションに合うシューズを探している、イタリア製本革シューズはどうだろうという相談を受けました。

本革ゴルフシューズに限界を感じていた私は、思い切ってこの構想をぶつけてみたのです。

すると、これまでの実績や新構想の事業性を感じてくださり、どんどん前向きな話になっていきました。そして、進むことにしたのです!まさにチャンス到来。

4. 心に秘めた思い

私がいちゴルファーとして思うことのひとつに、「ゴルフ用品の偏り」というのがあります。多くの商材がファッション性を追求するばかりでゴルフに適した機能性を持ち合わせていない(大抵がゴルフ経験のない人が作っているから)またはその逆で、機能性は十分だけどファッション性に欠ける(ファッションに興味がない技術者が作っている場合が多いのかも)。どちらかに偏っているなと思っていました。

私は自分がゴルファーであり、ファッションが好きなので、その両面をちゃんと入れていこうと、ゴルフをする上で絶対に必要な要素を商品開発にしっかり盛り込もうと思いました。

安定したスイングができること、疲れにくいこと、しっかりしたグリップ力があること、歩きやすいこと、などなど、自分がゴルファーとしてあったらいいなをすべて盛り込もうと。

5. このタイミングでその道のプロと出会うなんて!

商品開発を始めたい私、「でもいったい何をどうしたらいいの?」シューズ工場に行ったことはあっても、自分がいざ作るとなると???本当に未知の世界に突然飛び込んでしまったわけです。

アメリカ時代から仲良くしているゴルフ業界の友達に相談したところ、「ピッタリの人がいるよ!」と紹介された男性が。。。ゴルフシューズを手掛けた経験のある靴づくりのプロ。ちょうど独立して、東南アジアの工場とのパイプもあるというのです。あの時、あのタイミングで彼と出会っていなかったら、私のシューズはこの世には存在しませんでした。靴づくりのいろはをいちから教えてもらい、木型職人を尋ねたり、素材を見に行ったり。時すでに春、来春デビューに間に合うのか!そんな状況の中、力強い味方と共に手探りの商品開発がスタートしました。

次回は、aJADEゴルフシューズデビューまでのお話をしたいと思います。

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