何者にもなれなかった私は、命を「書くこと」につかうと決めた
私は何者にもなれなかった。でも、言葉の力を信じている。
だから、
「書くこと」に命をつかうと決めた。
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他人の感情に敏感で繊細な、感受性が豊かすぎる人間として生を受けてしまったのが運の尽きだった。「HSP」なんて概念が浸透して、生きづらさに名前がついたようで救われた。HSP気質は自己と他者との境界線が脆いらしく、他人の痛みも自分の痛みと受け止めてしまう盛大なバグが生じているらしい。
複雑な生育環境や周りとうまく馴染めなかった学生時代も相まって、「この世のすべての不