Fish Tank
ただれる日常 慈しむ
不幸せが 鋭く一条 射しこんで
全てを 歪めた匣に沈めて
眺めるしかない
ここしか知らないの 愛していると言い聞かせ
水面揺らす指先を見上げ
ただれた日常 撫でまわす
不幸せが 鋭く一条 影落とし
全てが 歪んだ鏡の現し世
愛するしかない
ここしか知らないの 逃げ出すことなど許されず
水面よぎる エナメルの光 追う
けがれた日常 舞い泳ぐ
不幸せが 鈍色の鱗 乱反射
全ては 歪んだ硝子の内側
とどまる事なく
ここから破滅へと 飛び立つことなど容易いと
水面震わす 音色が導く
ただれた日常 突き破る
不幸せを 鋭く一条 裂き櫻咲く
刺さる破片 悦びに 紅く染まり逝く