自慰


肴は眉目麗しく美味

夜の褥(しとね) 
瞼閉じて浮かぶ影絵は
叶わぬ願い
縛られ悶える黒衣の雄唄姫を
淫靡に想い描く

その気高い生身に触れ指這わせることなど 
出来ないのだから 
せめて
独りでに蠢く心のまま
密かに昇りつめたい

濡れそぼる鱗に欲望乱反射する我ら、
禁忌を知る者也。

いいなと思ったら応援しよう!