新米日本語教師 小1の取り出し授業始めます
420時間の講座を修了し、現在国家試験に向けて体力温存中。
でも、ずっと興味のあった「取り出し授業」の募集を知り、書類提出後、面接を経て採用頂いたのはひと月前。
夏休みが終わった9月2日、いよいよ日本語補助教員としてデビューです。
この記事は、初心者の私が、その時々の気づきや指導内容を記録してよりよい指導につなげられるよう、振り返りができる資料にしたいと思います。
いよいよ初日が来た!
職員室に足を踏み入れるのは何年ぶり?
しかも同じ市内とはいえ初めて伺う学校。
「右も左も」わからない。誰が誰やらわからない。どきどきドキドキ・・・
担当のY先生が同席してくださり、H教頭先生との挨拶から担任のS先生との簡単な顔合わせをさせていただき、そのまま教室へ。
『みんなちっちゃーい❤(心の声)』
男の子も、女の子も、みんなまだ幼くて、とってもかわいいです!
S先生が「だれかな???」と紹介してくれます。
とっさの自己紹介は、名前と、Kさんの日本語の勉強のお手伝いをすること。そして娘が二人いることを精一杯の笑顔で伝えました。
後にS先生から、「娘がいる」という話で親近感を持ってくださったことを伺いました。昨今の個人情報保護の観点からどこまで話をするかは難しいですが、興味を持ってもらえたり、好印象につながる簡潔な自己紹介の重要性を感じました。
子どもたちはどんな印象を持ったか、知りたいなぁ。
まずは授業の見学
1時限目 国語
今日は夏休みの宿題の絵日記をひとりずつ発表しているという授業の2回目だそう。担当するKさんはすでに発表を終えていましたので、気分は授業参観ですが、そこは気を引き締めて。
Y先生も時々いろんな観点で説明してくださいます。
例えば…
・手を挙げているからと言って、理解しているとは限らない。わかっていなくてもつられて手を挙げることは、低学年にはよくあること。
・細かく言い換えて説明するのではなく、必要な時だけ。
それより、「先生は何て言った?」「聞いてる?」という形で主体性を持たせる。
2時間目 算数
この時間から隣には座らないものの、Y先生がKさんのそばを巡回しつつ、ときどき声掛けをしていきます。
S先生が今日の単元と、「めあて」を板書されます。
・・・あれれ?Kさん、なかなか書けない。そうか、書くのは苦手なのか。
次は、3問板書されて、「わかる人!」と先生が声をかけると、Kさん手を挙げた!!!(え?でもまだ問題書き写せてないし、答えもかけてないのに??!!)
しかし、Kさん、問題の答えをきちんと答えて正解。
つまり、彼は算数は好き。
でも、書くのは苦手、のようです。
Y先生曰く
・鉛筆の持ち方が極端に手首を曲げている。おそらく鉛筆の先を見えるように書きたいんだろう。正しい持ち方で書くスピードは上がる。
3時限目 音楽→別室でY先生と打ち合わせ
ここで、学校の仕組みや、今後の方針について説明を受け、色々とわからないことを教えていただくことができました。
また、事前にKさんのお父様から聞きとった内容についても連携していただく。
Kさんは日本生まれ。なので、日常会話については現段階においてはそれほど支障はないが、やはり細かい点で意思の疎通がうまくいかなかったりすることからのお友達とのコミュニケーションを問題視しておられるそう。
また、今日見た限りでは、どうも「書く」ことについて苦手意識があるようでした。
4時限目 「書写」カタカナ→取り出し授業
別室での授業です。
今日はY先生がKさんに授業するのを一緒に見学する形でした。
まずは改めてアイスブレーク的な雑談をします。
「Kさん、算数得意なんだね! 問題、簡単だった?」
「うん、さんすう、好きだよ」
とても賢い子のようです。
この時間の流れは
・今日の授業を見ていて気になったところについて、確認のために解いてもらったり、音読させて確認する。
・「書く」技能向上のため、鉛筆の握り方や丸を塗りつぶす動きで運筆練習し、テキストで授業と同じページを書いてみる。
・そのあと、指定テキストを頭からどんどん流してやってみて、どこに問題があるのかを探ります。
彼は日本生まれなので、「生活言語能力(BICS:生活場面で必要とされる文脈の支えがある場合に働く能力。一般的には2年ほどで習得可能とされる)」はほぼ習得しているようです。
よって、文部科学省の日本語指導のプログラムで言うと・・・
①「サバイバル日本語」プログラム
②「日本語基礎」プログラム
③「技能別日本語」プログラム
④「日本語と教科の統合学習」プログラム
⑤「教科の補修」プログラム
…②以降での学習ということになるのかな?
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/22/1304738_005.pdf
学校の色んなルールはおいおい。
例えば廊下にしるしがあり、基本右側通行。子供達はとてもよく挨拶をしてくれます。聞く姿勢(始業と終業の挨拶の時は後ろ手を組んで姿勢を正す)、挨拶の号令のかけ方。筆箱をしまうことや、配布物のまとめ方など、一つ一つが新鮮で、勝手がわからない!なので、どこまで声かけていいかわからないのが初日の感想でした。
先生への報告書
Y先生との打ち合わせの中で、担任の先生への情報連携の用紙をいただきました。「任意で」とのことでしたが、これはぜひ利用したいと思います。
初日は、頂いたものをそのまま利用して、今日の入り込み授業での気づきと、取り出し授業の内容を簡単にご報告しました。
お忙しい先生とは、おそらく毎回それほど密な話はできないと思いましたので、先生への報告を毎回見ていただくことで先生との信頼関係を築いていければと思います。
本当に、久々にあの胃が痛くなるような緊張を感じながらの初日でしたが、これはとても楽しそう!
国家試験の勉強もほっぽり出して、「かすたねっと」等WEB上で参考になりそうなものを見るのにハマりそうです。