臨床検査の分野について〜生理機能検査編
この記事では「生理機能検査」の種類について簡単に説明していきます。実はあなたにも身近な検査が多いのですよ。
生理機能検査とは?のおさらい
以前、『生理機能検査とはなんぞや?』という話を書きました。以前の記事を読んでいただく方が良いのですが、とりあえずおさらいでひと言だけ。
様々な部位、臓器や仕組みで成り立っている『器官』の働きを見る検査
です。
検体検査のように一部を持ってきても、その器官がしっかりと機能して動いているかということはわかりません。
呼吸器を例えにしてみましょう。
呼吸器というと、ざっくりと「気管」「気管支」「肺」といった各器官や臓器で構成されています。
そこからもし検体検査を出すとしたら、材料としては「喀痰」とか「肺胞洗浄液」とか、「肺や気管の組織」などが考えられます。全身にある様々な臓器の状況を反映する「血液」もありますね。
しかし、それぞれの検体の情報を集めてみても、実際の動き、例えば呼吸器の中の一つ「肺」が「どのくらいスムースに機能しているか」は、リアルにはなかなか見えてきません。
肺の役割は、空気中の酸素を取り込み、気管支の先にある「肺胞」と呼ばれる場所で毛細血管壁を通して「酸素と二酸化炭素のガス交換」を行い、吐く息と共に二酸化炭素を出す、ってことです。
ガス交換が上手にできているかどうかは「酸素飽和度」や「血液ガス」等を測定すればわかります。
ですが「きちんと呼吸ができて肺にしっかり空気を取り込むことができているか?」「肺組織の器質的変化はないか?」といったことは見えにくかったりします。
そのため「肺機能検査」として、皆さんも一度はやったことのある「肺活量」や、「フローボリューム」「一秒率」といったものを測定し「肺を含めた呼吸器官の動きや状態」をみていくのです。
こんな感じで、器官の実際の動きを見ていくのが生理機能検査ですので、患者さんそのものに色々な機器をつけるなど、直接アプローチしていくことになります。
生理機能検査の種類
生理機能検査には以下のものがあります。聞いたことがあったり、実際に受けた検査も多いのではないでしょうか?
心機能
脳波
肺機能
超音波検査
聴覚
平衡機能
筋電図
などです。
そしてこれもあくまで大分類ですので、さらに細かい検査がいくつもあります。そちらについても今後ご紹介していく予定です。
生理機能検査は受けていても何をみているのかわからない、という方も多いかと思いますので、少しでも「そうだったんだー!」って思っていただければ幸いです。