振り返れば・・・ISO認証、CAP認証、衛生検査所認可取得の業務(しかも英語で)をやってきたって、結構レアな経験を語ろう②
大規模病院を退職する数年前から、ISO15179取得に始まりQMSの維持・運営、衛生検査所登録申請(2回)、CAP取得と、よくもまぁ色々とやってきたなと思うのですが、やはり経験してみないとわからないことが多くて、初めからやろうとすると大変だと思います。
かくいう私もISOやCAP取得に関しては、それぞれ専門のコンサル会社等に入ってもらい、規格の読み込みと解釈、SOP(Standard Operation Procedure)を元とした全文書の内容確認、内部監査員の育成等々を経験しました。
最初の衛生検査所登録は、管理者が検査センター出身でよくわかっていたので(私は医療機関出身なので衛生検査所登録はご縁がなかった)、すんなりと通すことができました。(厳しくない自治体ということもあるようですが)
そんな経験をしてきたからこそ、今回の「難易度数倍増し増し」衛生検査所登録申請に対して孤軍奮闘できたのだと思っていて、日本の文化や臨床検査業界、ISOやCAPの規格にも精通しているからこそ、海外のラボを日本で設立という課題にも対応できたのだろうな、と。
自分で自分を褒めてあげよう笑
保健所の担当の方にも「今まで担当した中で一番大変な状況」と、とても心配していただきまして。そんな中、わずか2ヶ月で通したことにたいそう驚かれました。ISOとか認可取得のコンサルをしたほうが良いのでは?と言われたり。
振り返れば認可取得ジプシーしてますからね、これから取得にチャレンジしていこうという方々のサポートをしたほうが良いのかもしれんと、私も実はちょっと思っていたりします。
会社の利益とスピード重視、成果重視の外資系あるあるなのだそうですが・・・こういう無茶振りはもう遠慮したい汗(インセンティブがあるわけでも残業代が出るわけでもないし)
今回の案件は、実は他にも様々な状況が重なっていて「無茶振り難易度増し増しで10倍」的な案件でしたが・・・
前の会社と共通しているのは「専門職がいない状態でスタートさせている」こと
最初に採用され、動き始める営業部隊や学術系の方が、ラボの場所を選定し、技術提携元や本社の指示でラボ内のレイアウトや機器設置を行い、今の会社は「衛生検査所指導要綱(というRule Book)」を参考にしながら、ある程度の文書を先に作るという作業もされていました。しかし、我々専門職が入ってみると、様々な問題や改善しなければいけない点が多く出てきます。
「衛生検査所指導要綱」に書かれていない、専門職が持っている知識やノウハウがあるのですよね。
ラボのデザインや精密機器等のレイアウトは、それこそ一度決まってしまうと変更ができなくなります。(それで苦慮した部分がありました)
新規ラボの立ち上げをするのであれば「時間的な余裕を持って、専門職を採用して一緒に作っていくというのが望ましい」のではないかな、と思う次第です。
既存の医療機関でISO取得もしてきましたが、すでにある古(いにしえ)の検査室スタイルから大きく変更していくための労力って本当に半端なかったのです。
建物の躯体を変えるわけにはいかないとなると、何とか要求事項を満たすために知恵を絞っていくしかないのですが・・・実は苦肉の策も結構ありました。
そんな「解決策」を考えられるのも、専門職だからできることではありますけど・・・新しく作るなら最初から考慮して作っていった方が楽ですよね。
今後、新規ラボを立ち上げ、衛生検査所の認可や国際認証を取るという明確なプランがあるなら、ISO規格に準じた仕組み作りをしておくと、あとあと楽だと思います。