カナダでの会社倒産から転職まで
これは私が勤めていたカナダの会社が倒産してから次の会社に転職するまでの記録を書いたものです。
倒産
2023年4月、1年11ヶ月務めた会社から倒産するという突然の連絡。1月頃から数人の同僚がレイオフされ始めていたので、会社の業績が危ないことには気づいていたものの倒産するとまでは思っていませんでした。この頃、北米のTech業界ではレイオフが頻繁に行われていました。2023年5月初めにはカナダ大手のShopifyで20%のレイオフ。LinkedInでは毎日のように、レイオフにあったので職探しをしているという投稿を目にしました。(ちなみにここにレイオフ一覧がまとまっています) 私の会社は30人ほどの小規模で、いわゆるエージェンシーと言われるクライアント向けに受託やコンサルティングをしていました。3月には主要クライアントを2社失い、社長は新しいクライアントの獲得に向けて奮闘していましたが、それも甲斐なく会社は突然終わりを迎えました。急すぎて私はただただ呆然とし、その事実を受け入れるのに時間がかかりました。
転職活動を始める
倒産の連絡を受けて4月後半からとりあえずLinkedInで仕事を探して応募し始めました。同時にポートフォリオサイトやレジュメの更新をし始めたり、週一で元同僚たちとオンラインミーティングを開催し情報交換をしました。4, 5月はなかなかインタビューに進むこともできず、周りでも明るい話題はあまりなく、Tech業界の冬の時代をしみじみと実感しました。その頃、日本の会社で社長をしている方から直接LinkedInでメッセージをいただき、Web3事業に参画しないかとお誘いを受けました。Web3は元々興味があったので面接を受けることにし、無事業務委託として仕事をさせていただくことになりました。
日本の会社で働き始める
6月に日本の会社から正式にオファーをいただき、7月中旬からその会社で働き始めることになりました。仕事内容は主にフロントエンド、必要あればバックエンドもし、勤務地もどこから働いてもよく、柔軟な働き方をさせてもらいました。ただカナダにいて日本の会社で働くのはカナダにいる意味がないなと思い始めたのとプライベートで問題が発生したので、すべて引き上げて8月に日本に帰国してきました。仕事は充実していたし、このまま当分は日本にいることも考えたのですが、この頃から元同僚たちの就職が決まり始めて、私もやっぱりカナダに戻って働きたいと強く思うようになったのです。そしてまた8月終わり頃からカナダの会社に応募し始めました。このときは4,5月に応募したときとは違ってインタビューにも行けるようになっていました。(とはいえ10社応募して1社インタビューに招待されるくらいでしたが) Tech業界も少し回復し始めた感じがありました。
再び転職活動を始める
インタビューは主に以下の種類があります。順番や形式は会社やポジションによって違います。
Phone interview: リクルーターか人事の方に自己紹介をするとともに、会社やポジションについて説明を聞きます。ここでBehavioural questionsが織り交ぜられている会社もあります。
Take home assignment: 課題を出されてインタビュー先から言われた期間内に完成させて提出するものです。課題はプロジェクトを完成させるもの、アリゴリズム、すでにあるPRを改善するものなど会社によって様々です。
Technical interview: 色々な形式がありますが、アリゴリズムなどのproblem solvingや技術についての詳しい質問が多いかと思います。
System design interview: 会社やポジションによってはあったりなかったりするかと思いますが、あるシステムや機能を作るのにどういった技術を使うか、どういったプロセスを踏むか、何に考慮すべきかなどをディスカッションします。
Behavioural questions: あるシチュエーション(ex チームメイトとのコンフリクトなど)が起こったときの状況説明やその対応方法について具体的に説明するものです。
最初に始めたのはLeetcodeを使ったアルゴリズムの学習でした。特にExploreというセクションから分野ごとに学習をしました。その後はよくInterviewに出てくる項目を調べたりChat GPTに思いつく様々な質問(What's the difference between XX and XX? What's the benefits of XX? など)をして知識を固めていきました。Chat GPTへの質問内容は、この記事やGlassdoorの投稿を参考にしました。system designの対策としては、youtubeを見たり、Pramp という面接練習プラットフォームを使って練習をしました。最後に、behavioural questionsの対策として自分の今までの経験をSTARのフォーマットにそってNotionに書き並べ、conflictについて聞かれたらこれを言おうとか、challenging projectはこれを答えようとかあらかじめ準備しました。9月はまるまる実家にいたので、フルタイムの仕事をしながらインタビューの準備に時間を使うことできてサポートしてくれた両親に感謝です。
内定
9月の終わり頃、ようやく準備も整い、カナダでエンジニアとして働いている友人にreferralをお願いしました。すぐに面接に招待され、トントン拍子に進み2週間以内にはインターミディエイトのJavascript Engineerとして内定をもらうことができました。実はもう一社最終面接までいった会社がありました。グローバルに展開している会社で、そこにはSeniorポジションで応募しました。ただそこはトントン拍子には進まず、1回目の面接から5回目の面接となる最終面接までなんと1ヶ月半以上もかかりました。4回目の面接であるsystem design interviewでも意外と感触が良かったので最終も来るかも、と思って待っていたのですが、1週間経っても連絡はなく、リクルーターにフォローアップメールを送ると、vacationを取っているから返信は1週間できないという自動返信メール。完全に落ちたと思っていたのですが、なんとその1週間後にリクルーターからは謝りのメールと共に最終面接の招待が来ました。ただすでに友人の紹介してくれた会社に行こうと決めて、オファーにサインをしていたので、最終面接は複雑な気持ちで望むことになりました。結果的にはオファーまでは至らず、悩む必要もなくて良かったのですが、Seniorポジションの最終面接まで経験できたことは自信になったと同時に、自分の中で課題を見つけて次へのモチベーションになりました。
おわりに
何度か就職活動についての記事を書いていますが、何回やっても今だに途中で挫折したり、不安にかられたりしています。会社が倒産して就活がなかなかうまくいっていないときは、このままずっと転職できないかもと思ったこともありました。みなさんが言われていることですが、面接は準備と練習あるのみ、諦めないことが大切だと今回また思いました。そして、この数ヶ月間私を支えてくれた家族、元同僚、友達に本当に感謝です。
(写真は日本に帰ったときに撮った瀬戸大橋の写真です。)
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