海外カンファレンスで少数派の女性エンジニア同士が巡り会えた奇跡
こんにちは。こんにちは。職業「戸倉彩」です。
昨年の話になりますが、個人Twitterを通じて体験した「忘れられない思い出」についてシェアしたいと思います。
舞台は海外のテック系カンファレンス
2019年5月。ワタシはアメリカのワシントン州シアトル市で開催されていたマイクロソフト本社主催の開発者向けカンファレンス「Micorosoft Build 2019」にインフルエンサーとしてご招待いただき、日本から個人で参加していました。会場は世界中から集まった6,000人以上の参加者がセッションやワークショップに参加して最新テクノロジーを学び、展示ブースや体験コーナーなどで思い思いの時間を過ごしていました。Twitterでは #MSBuild というハッシュタグが使われ、多くの技術情報が活発に飛び交っていました。そんな中、とある女性のツイートが目にとまりました。
「イベント主催者が女性参加者が会話をしたり交流できるような場を提供してないことにがっかりしてます。この場所は男性とごく少数の女性でいっぱいです。少なくとも出会いの場があれば良かったと感じています。」というような内容でした。
テック系カンファレンスによっては、IT業界でマイノリティーの女性エンジニアを応援する目的で、Women in Techトラックや特別セッションなどが用意されていたり、女性エンジニア同士が気軽に繋がれる機会が設けられているケースがあります。残念ながらこの時に開催されたイベントでは、そうした取り組みが盛り込まれていませんでした。
勇気を振り絞って行動してみた
偶然にもワタシは先ほどのツイートを見かける直前に、心の声を日本語でツイートしていました。※このツイートは後に、多くの方々から反響をいただくことになりました。(142件リツイート/453件いいね/93,151インプレッション)
イベントに参加してから2日間。会場内でセッション部屋に移動する通路ですれ違うのは男性参加者が大多数で、女性と会話する機会は、ほぼゼロに近い状態でした。そんなこともあり、彼女のツイートを見かけた時はとても共感し、いいね!を押したのですが、それ以上に自分に何ができるんだろうと思い悩んでいました。そこに今度は別の女性から提案ツイートが飛び込んできました。
「明朝に会場で女性参加者ミートアップしない?」
気づいたら、ワタシは速攻で参加表明のレスを入れ必死になっていました。このミートアップを実現させたい!と願いを込めて。
Microsoft Buildは、知る人ぞ知るマイクロソフト界隈の開発者には注目度の高い年次イベントで、2016年はわずか1分でチケットが完売したこともあり、年によってはチケット入手が非常に困難だったりします。また、一般参加チケット費用も3日間で2,395ドル(約26万円)と決して安くはないので個人で参加するにはハードルが高めです。ワタシにとっては、長い間「一生に一回で良いから参加してみたい」と願い続け、やっと参加する機会に恵まれたイベントでした。最新テクノロジーとの出会いを求めて参加したイベントでしたが、同性のエンジニアと繋がれたらどんなに素晴らしいことか、出会える確率からしても極めて稀なことだと確信していました。
当日までどうなるか分からないミートアップ
その後、集合する時間と場所がツイートされ、ワタシは日本から参加している他の女性参加者にも声をかけたくて日本語でツイートしたりしながら当日まで待つことにしました。
お互いにTwitterで繋がったばかりの参加者同士。しかも、翌日の朝一の貴重なテクニカルセッションをスキップしてまで集まるという試みは、エンジニアにとって覚悟が必要でした。時間になり、指定場所に1人、2人と集まり始め、挨拶だけして立ち去る人もいれば、しばらく自己紹介や情報交換して盛り上がった人もいました。ミートアップへの日本からの参加者はワタシだけでした。
女性エンジニアにはストーリーがある
その時に出会えた女性の共通点について、ワタシはその時に次のようにツイートしました。
[MS Buildで出会ったIT業界で働く女性の共通点]
・IT業界で働く意欲が高い
・プログラミングスキルを習得している
・女性エンジニアが集うことで、お互いにエンパワーし合えることを知っている
・女性のキャリアストーリーには人々を元気づける何かが含まれている
どこにいても繋がっている仲間に
「また次に会った時にはお互いの成長について褒め称えられるように、頑張りましょう!いつでもテクノロジーの力でワタシ達は繋がってるのだから大丈夫!!」そう言いながら最後まで残っていた4人は別れました。このようにして奇跡的にワタシは海外カンファレンスでIT業界で活躍し、そして同じ志を持っている女性と繋がることができました。Twitterのツイートは必ず誰かが見ていて、共感した人が集まり、そこから始まるドラマがあることを実感しました。
EoF