
游ゴシック体や游明朝体、ヒラギノフォントを作ったのは、山形県遊佐町ご出身の方だった!
游ゴシック体や游明朝体、ヒラギノフォントなどを作った方が、山形県遊佐町のご出身だったとは!米田佐之助さんのFacebookでの投稿で知りまして、大変おぼげ(驚き)ました。
その書体設計士・鳥海(とりのうみ)修さんが、「第58回 吉川英治文化賞」を受賞されたとのこと。嬉しいですの〜。
▼字游工房の書体設計士・鳥海修氏が「第58回 吉川英治文化賞」を受賞 | ニュース&プレスリリース | 企業情報 | 株式会社モリサワ
https://www.morisawa.co.jp/about/news/10116
ちなみに、このnoteの本文のフォントも、鳥海修さんが手掛けた「ヒラギノ明朝」です。
鳥海さんは、酒田工業高校(現・酒田光陵高校)機械科を卒業されるまで遊佐町で育ち、その後、多摩美術大学をご卒業されているとのことです。
以下、鳥海さんの著書『文字を作る仕事』の「はじめに」の文章より引用。
印象に残っていることがある。ふるさと山形の雑木林の中で感じる空気のすがすがしさであったり、子供の頃のある夏の日に、思いっきり遊んだあとの湧き水の冷たさだったり、ふとしたときに感じる清涼感のようなものが私にとっての水や空気だ。当たり前にあるけど良質なもの、こんな書体が私の理想だ。
游ゴシックや游明朝、ヒラギノフォントなどの、美しく清涼な良質さの源泉は、山形県の庄内地方、遊佐町の原風景にあったのだというようなことを、鳥海さんは仰っています。
鳥海さんが作った会社名「字游工房」については、インタビューで以下のように語っておられました。
「自由に文字を作りたいよな」ということになったんです。ただそのまま「自由」だとつまらないから、「字」に「遊」で「字遊工房」にしようと決まったんです。でも、なんとなく軽いなあと思っていてね。そのまま公証役場に申請書類を提出しに行く道で、あるギャラリーの名前で「游」と言う字を見つけたんだけど、それを見て「これだ!」って思ったんです。
〜字游工房の歩みと書体へのこだわり〜
|モリサワ note編集部
https://note.morisawa.co.jp/n/nbe70894ff0fd
自由に、というところから「遊」を使おうと思ったけど、しっくりこなくて、たまたま見つけた「游」(意味:水に漂うようにゆらゆらする。)がぴったりきて、それに決めたというストーリーも、水が豊かな遊佐生まれの庄内人ならではという感じがして、素敵ですのー。そして、鳥海山の麓で育った「鳥海(とりのうみ)」さんというご本名も。
インタビューでは、山形県酒田市の「久村の酒場」の店内に書いてあるメニューの字がとにかく美しかったというお話をされていて、それも嬉しかったです。

游ゴシックや游明朝、ヒラギノフォントの美しさと、庄内の里山にある原風景の美しさ。そこに人類の遺伝子の奥深くに通ずるような共通する美しさがあるとするならば、そのフォント達を愛し評価している多くの人達に、今後、庄内の風景も愛されうる可能性を秘めているということではないでしょうか。まだまだ庄内には、世の中の大多数の人に知られていない風景が多いわけですが、そう思うと、無限大に広がる山形や庄内のポテンシャルを感じずにはいられません。

この鳥海さんの情報をいち早く投稿してくださった、よねさん、大変もっけでした!
改めて、このような美しいフォントを作ってくださった、鳥海さんに感謝感謝、もっけだの、という思いでいっぱいです。