1日だけオマーンへ入国、カオスだけど温かみのあるツアー(10/9)
朝焼けが見えるか見えないかくらいの空がまだ暗い朝6時。アパートに「同志」が乗ったタクシーが到着して集合場所のメトロのブルジュマン駅スピニーズ(スーパー)前へ向かう。今日はドバイどころかUAEも飛び出して、隣国オマーンの自治区ムサンダム半島へ行くツアーに参加する。UAEも同じだが、まさか自分にオマーンに行く機会が来るとは思いもよらなかった。
スピニーズを朝6時35分(朝7時~7時15分だったのに前日の夕方に6時35分に変更のお知らせ。朝早すぎてバスもない笑)に出て、片道3時間ほどのなかなか長いバス旅だ。インド人やメキシコ人、ブラジル人などでバスはほとんど満員になった。
バスに乗り込むとまず朝ごはん。「同志」と一緒に、スピニーズの横に偶然あったマクドナルドでドバイで初めての朝マックを買った。熱々のハッシュドポテトとチーズ、ハムが薄いアラビックブレッドに巻いてあり、美味しい。早朝で注文する機械も動いていなかったし、スタッフもみんないつもよりゆっくりだ。
10時くらいにいよいよUAEとオマーンの国境に差し掛かった。国境を警備しているカーキ色の制服(胸にピンバッジが沢山ついていた)に赤色のベレー帽をかぶったオマーン人がバスに乗り込んでくる。
私たちは、旅行会社のスタッフから一人ずつ受け取ったオマーン政府のサイン入り書類とパスポートを片手に静かに座席で待つ。陸路での国境横断は初めてということで、妙な緊張感でいっぱいだ。「何事もないように済むように」と祈っていると、握りしめていたパスポートは開かれもせず、あっさり審査は終わった笑
オマーンに入ると、いつも使っているドバイで買ったSIMカードは機能しないためインターネットは全くつながらない。車窓から見える家のつくりも違う。店の電話番号も初めのケタが違う。他の首長国を訪れる時でさえ外国に来た感覚があるが、今回は本当に外国に来たのだから当たり前か。
バスは港に着き、そこから半島に行く船へ乗ることに。バスを降りてオマーンに初上陸すると、他のバスで来ている同じようなツアー客でごった返していた。みんなそれなりに大荷物を抱え、木造の船を橋渡しにするする渡っていく。まるでどこかに集団で逃亡するよう。映画のワンシーンのような光景だ。船のスタッフが、1人ずつ両手をつかんで引き上げてくれて頼もしい。
乗ってきたバス2,3台で1つの船が割り当てられているらしいが、他の船を見渡しても私たちのような日本や中国、韓国などのアジア系の乗客は誰一人いない。日影がある座席はすでにびっしり埋まっているし、出されたバナナやリンゴ、オレンジが動物に食べられたかのように散らばっていて、なかなかカオスな船内で面白い笑
半島に着くと、海上で小さな船に乗り換えてビーチへ連れて行ってもらう。ビーチは、緑がかった水色の綺麗な海がごつごつとした薄茶色の岩山に三方を囲まれていて穏やか。波もほとんどない。ライフジャケットを着て「同志」と仰向けで海に浮かぶと空には雲一つない。10月なのに海水浴日和すぎる。
のんびりしていたが、小さな船が勢いよく引っ張るバナナボートに乗ると一変。スピードが速すぎて、ボートが進む道がもはや「モーセの十戒」のようになっていて、左右に海水が湧き出てくる感じだった。6人の連携プレーでバランスを保っていたけれど、最後は海に振り落とされた笑
「荷物と靴をうっかり置き忘れた」と言ってビーチにもう一度戻ってもらったあと、元の大きな船へ帰る。昼食はビリヤニやカレー、サラダ、スパイスチキンなどのバイキング。そのあとは釣りをしたり(細い糸1本だけだった)、また小さい船に乗ったり、船内で寝転がったりと思い思いの過ごしかた。
寝転がっていると、時間がゆっくりゆっくり進むのを感じる。船内はインドの音楽がかかったり、シャワー付きトイレは軽い浸水状態だったり、色んな言語が色んなボリュームで飛び交ったりとやっぱりカオスなのに、あまりにも穏やかで驚いた。
帰りも、船のスタッフや乗客の連係プレーで一人ずつ港へ上がっていき、何だか心温まる。お互い全然知らない人たち同士だが、何かの縁でこのムサンダムツアーに参加して、同じバスや船に乗り合わせて助けあっている姿は美しいとさえ思う。人間の力かな?
UAEに入国するときは、私たち乗客がさっきの書類とパスポートを持ってバスを降り、1人ずつ審査を受ける。係の人は真っ黒のアバヤとスカーフ、マスクをしたムスリムの女性だった!
これで私の場合は学生ビザが無効になり、30日滞在できる観光ビザに勝手に切り替わるらしい。UAEに再入国するときもやっぱりちょっと緊張した。母国ではないのに「帰ってこれてよかった」という安心感もあった笑
写真は船から見た景色。オマーンの国旗つき。
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