リハなのに本番さながら 戦艦に戦闘機、花火まで
シンガポールの大イベント「ナショナルデー」がいよいよ8月9日に迫ってきた。日本のいわゆる建国記念日にあたるが、ただの祝日という様子とはまるで違う。ひと言で表現すると、本気度が凄まじい。
その真骨頂ともいえる、リハーサルを少し覗いてきた。6月末か7月初めから毎週土曜には、マリーナエリア(マーライオンやマリーナベイサンズがある)でナショナルデーのためのリハーサルが開催されている。この時点で非常に入念な準備。筆者が行ったあとも、残り2回リハーサルが予定されているらしい。
夕方6時前に着くと既に人人人。腰掛けスペースにはほとんど隙間がなく、草っぱらにも遠足のようにレジャーシートを敷いて場所取りが始まっていた。海を囲むようにして、皆が「リハーサル(本番ではない!ここ注意)」を待ち望む夕方。
会場には入れなかったが、まず見えたのは、シンガポール国旗の紅白(よく考えると日本と同じ)のパラシュート集団。オフィスビルの隙間あたりから5人くらい飛んで下りてきた笑
続いて海に目をやると、黒い戦艦(小型の船)が縦に連なって登場。筏みたいな形状で、おそらく海軍が乗っている。後々、実際に弾を打っていたし。
時おり、劈くような爆音。数機の戦闘機が空を真っ直ぐ切るようなイメージで鮮やかに飛んでいく。
マリーナベイサンズの麓まで歩くと、音楽ライブコンサートや屋台テントでの軽食販売など催事場になっていた。毎年、美味しいかきいれ時だろうな。
催事場を出た時、ちょうどシンガポール国旗を掲げた真っ黒なヘリコプター3機がやってきた。皆カメラを構える中、近くにいた子どもたちは「Happy birthday Singapore!(シンガポール誕生日おめでとう)」と口々に叫んでいた。
おっそういう発想になるのか、なるほどね…
日本でいう建国記念日よりも、元旦の一般参賀とかのほうが近いのかもしれないなあと思いつつ、不思議な感じだ。
海の近くに腰を下ろしてそこから待つこと約1時間。オフィスビル群の方へ日が落ち一面鮮やかなピンクの空、思い思いのポーズを決めたり三脚をスタンバイしたり夕食を広げたりする人人人、目の前にいた赤ちゃんの笑顔からもらう癒やしなど諸々あって、ついに花火が始まった。
リハーサルなのに一体何発打つのかというレベルで、下からも上からも花火が降り注ぐ。デッキにいたのでかなり特等席。
日本の花火師の方による夏の風物詩という花火とは少し違って、めでたい日を祝う豪華な花火だ。「たまや〜」ではなく「ヒュ〜」と声があがる笑
花火を1人でみるとは、思いを馳せる時間なのかもしれない。去年みた日本の花火大会を思い出したり、来年もリハーサルをこうして覗いているか、自身はどこにいて一体何をしているだろうか考えたり。
スーパーで普通に国旗が売られ、コンドミニアムというアパートのベランダから国旗がちらほらと飾られ、そして毎年オリジナルテーマソングまで作られるナショナルデー。
あいにく見られないが、果たして本番はどうなるのだろうか。そして来年は60年だから更にパワーアップするのだろうか。
忘れちゃいけないのは、まだリハーサルという点だが笑
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