一番小さなアジマン首長国へ、こじんまりした良さ(10/4)
「同志」と学校でお昼を食べたあと、そのままアジマン首長国へ出かけることにした。日曜日にフジャイラへ行って帰ってきたことで謎の勇気と元気が湧いてきているのと、「鉄は熱いうちに打て」と言うので行けるときに頑張らないといけないと笑
アジマンはドバイの隣のシャルジャの隣にある、UAEで一番小さな首長国。ガイドブックによると、小さすぎてシャルジャ郊外にある町かと思われることもあるらしい。行き方はフジャイラ同様、メトロでユニオン駅まで行ってバス。今回は片道2時間ほどだ。
ドバイを通り抜けてシャルジャに入ると、自動車修理の店がやたら目につく。ドバイにはない歩道橋をたくさん見かけるし、タクシーやバスの色や信号機の表示が変わる。一番面白かったのは、UAEでおなじみのディスカウントショップ「DAY TO DAY」の系列なのか「NIGHT TO NIGHT」があったこと。車中から思わず二度見してしまった笑
終点のバスターミナルで降りるともう午後4時。ターミナルの中心には大きな広場があり、その中にモスクがたたずんでいる。バス停と同じ並びに、ムスリムがモスクに入る前に手足を清めるための水場があるのが新鮮。
目的のアジマン博物館と要塞は幸いターミナルから目と鼻の先にあるため迷わない。と思ったら、天井のドームの模様が綺麗なモスクに惹かれて歩いているうちにうっかり通り過ごしていた。
博物館や要塞などの観光スポットは1つのエリアに固まっていて、そのエリア内の建物にはUAEやアジマン、ムスリムをイメージしたストリートアートがたくさんあって楽しい。
博物館は、もともと18世紀後期に首長の宮殿として建てられた砦で、9年ほど警察署としても使われていたらしい。なので普通の美術館のように広い展示スペースがあるのではなく、小さな部屋にカテゴリ別になっていた。南京錠がついた小さなドアから入っては外に出て、また入ってを繰り返す面白さがある。
びっくすることに、たった5AED(200円)なのに展示物がわんさかある。アジマンの歴史や市場、伝統医療、動植物の効能、古墳から出てきた土器や銅のアクセサリー、衣装、砂漠の民ベドウィンの暮らし、真珠の取り方などなど、例の「小さな部屋」が本当にいくつもあってすごい。歴史で学んだのは、かつてのUAEがポルトガルとイングランドにおびやかされていたこと(説明画面の英語表記を選ぶ際に、旗がイングランドのものになっていた)。
展示方法も結構ハイテク。たとえば昔の市場コーナーでは、各店ごとに店のようすと人の模型が再現されていて、そのバックにはまるで本物の人間かと思うほどリアルな動きをする人の映像が映っていた。表情や仕草が妙に生身の人間ぽい笑
仕立て屋ならミシンでムスリムの日常着カンドゥーラを織っていたり、パン屋なら丸くこねた生地から平らなアラビックブレッドを作ってかまどにかけた鍋の上で焼いていたりする具合。音声ガイドがすべてアラビア語だったのが残念!
観光客はほとんどおらず貸し切り状態で、あれやこれやマイペースにじっくりみているうちに気づけば夜6時過ぎ。まだ閉館ではないけれど空はだんだん暗くなってくるし、お祈りを知らせるアザーンは鳴っているし、ドアを開けるごとに出迎えてくれる人の模型がちょっと怖くて不気味だし、気持ちが焦ってくる。最後の真珠とりのコーナーまできっちりすべて見て、そそくさと出てきた。大満足。
アジマン要塞も、国境に近いアジマンウオールも立派。この観光エリアの前にある道路の三角州には、かつての交易で使われたダウ船の模型まであった。
アジマンに行ってみて思ったのは、こじんまりしているけれど、だからこそ自らの建国(この言い方でよいのか?)の歴史をすごく大切にしていること。博物館でみた1つ1つの説明文でも、「UAEでは~」より「アジマンでは~」という書き方が多かった。何とも素敵。写真のように、「I love Ajman」の表示まであって妙にほっこりした。
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