シェア
綾夏
2020年12月20日 23:25
サー。という継続的な音と共に目が覚めた。カーテンを開けると、いつものような真っ白な光線が瞳孔に差し込んでくることはなく、重苦しい灰色の景色が上空にあった。久しぶりの雨だった。何となくテレビをつけると、たまたま気象予報士の落ち着いた機械的な声がした。今日の担当は男か。「この地方では、現在弱い雨が降っている模様ですが、雨雲は今後東へと抜け、昼頃には晴れるでしょう。雨上がりは気温湿度ともに非常に高く