フラワーテロリスト
多重人格探偵サイコが好きだった。
根岸しげやすのソロの曲にも『るぅしぃとあそぼ』という曲があるのだが、これも同作品の中の『ルーシー・モノストーン』という人物がモチーフである。
フラワーテロリストというタイトルも作品の中のフラワーボム運動という『花によるゲリラ』がモチーフになっている。
権力の象徴を花まみれにするのがエスカレートし、最終的には爆弾を使う普通のテロになるが。
この作品は非常に巧妙で斬新で画期的なメディアミックスを行っている。
漫画、小説、映画、ドラマが全て繋がっていて繋がっていない。
そして、架空の人物を実在していたかのようにするためにネットの掲示板、ブログ、ホームページ、CD、書籍まで出している。
YouTubeにもルーシーの当時の音源(と呼ばれているもの)があるので聴いてみると面白い。
これはインターネットの可能性を示した。
僕らは実在していなくても情報だけで存在を承認してしまうのだ。
例えば、僕の大好きなジャニス・ジョプリンも生で見たことは無い。
映像も音源も持っているが、巧妙なフィクションであることをもはや否定出来ないのだ。
つまり、この先過去なんていくらでも変えられる。
むしろ今学んでいる歴史なんてものは二次創作の可能性も大いにある。
だからこそ、今同じ時間を共有している間は、お互いが生きている証人なのだ。
テーマは人類への手向け。
最終的に人類が滅亡した後にもきっと花が残る。
地球という棺桶いっぱいに。
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