意地と煙草と。
ホウ酸だんごさんの煙草に関する記事を読んで思い出す。
大学時代に吸っていた煙草は「DEATH LIGHTS」というもので「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます」というお決まりの注意書きがこれほど似合う煙草があるだろうかというくらいに髑髏マークがキマっていた。
普通のコンビニになんて売っているわけもなく、札幌市大通のドン・キホーテにわざわざ行っては一定数を購入し、寒空の下で独り吸っていたのをよく覚えている。あれは多分僕なりの瞑想だったのだろう。
就職してから吸っていたのはピースインフィニティで、それと比べるとDEATHといったら不味いしスカスカだしデザイン以外に良いところなんてほとんど無かったのだけれど、何かよくわからない意地のようなものを感じつつ、友人に「これがいいんだ」と言いながら吸い続けていた。
奥さんが煙草嫌いなので、今はもう煙草自体を吸っていない。
煙草を止めた人間は一気に煙草嫌いに傾くと言われているけれども、僕としては匂いと健康への悪影響さえなければ、また吸いたいと思っている(止めてから数年経つ今も、ときどき煙草を吸う夢を見る)。
メリットよりもデメリットが多いものを、周囲が止めるのも構わずに「これがいいんだ」と嘯きながら吸い続けていた当時と、それを止めた今を比べて、僕はどちらの方が上等な人間なのだろうか。それは多分、使う物差しによって答えが大きく変わる類のものなんだろうと思う。