十円のチロルチョコを見上げた事があるか？

十円の買い物に悩んだ事あるかい？

ライフラインの全てを止められた事があるかい？

頼れるものが何も無い世界を経験したことがあるかい？

目の前に起こる事、すべてを自分で処理せねばならない状況下に置かれた事があるかい？

そんな記憶を思い出すまでに要した期間‥

数年。

たった数年だと思うかい？

その頃の記憶だけが、消されたかの様に思い出せなかった。

所々は覚えていても

自分の中でのストレスが極限であった事を

知り得るのに十うん年と費やした。

そんな事、経験する必要も無い。

その全てを選んだのは私自身だ。

でも、其れを他人に咎められなきゃならない理由など

ない。

それに、私の性格で社会に馴染めず

結婚して子供が居るのに

反発して、カッコ悪いと

責任感がないと

他人に追及されなきゃならない理由が

どこにある。

十円のチロルチョコを

指をしゃぶって眺めた事も無い人間に

ギャンブルはダメだといわれても

当たり前だからと

社会の御託を並べられても

人としてとか

社会人としてとか

大人として

親として

大黒柱としてとか

そんなチープなモノサシで

私の心は、もう動かされる事はない。

ゴミの中から拾ったジャンパーは

新品未開封で綺麗で

何より暖かかったし

コンビニで捨てられた弁当は

どうしてか、いつまでも腐る事なく

美味かった。

人の冷たさもみてきたな。

それ以上に、温かさも感じたな。

だけど、私は、私が選んでやってきた事だから

反省点はある。

でも、一度も後悔した事はない。

どの選択肢も間違ったと思った事はない。

金が無いのに

結婚して、子供がいて

首も回らなくなってきた。

だからなに？

私は

そんなものでしか測ることのできない

ちんけな幸せに

興味は無い。

ただ、家族を巻き込む訳にはいかない事で

首の皮一枚、なんとか、繋がってる。

息も絶え絶え、崖っ淵を歩いてきた

この人生は、私にとって

無敵の財産である。

何人たりとも侮辱する事はかなわぬ。

私に矛を向けるな。

私は、ありとあらゆる手段で、遣り返す。

誠意なき敵意に対して、私が平伏す事は無い。

1円玉10枚の重みに

今も救われ、そして、苦しみ続けている。

こんな私にも何か出来ないかと。