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思考方法の基本 7つの視点
ある日の妻と次男の会話。
「何で冬になっても肌が白くならへんの?」
「地黒やからやで。アヤセちゃんはお尻までちゃいろやろ?遠い昔に海の向こうから来たからなんやで」
「だから僕も黒いんかー」
そんなルーツは持ってません!でもちゃいろいのは本当です!
こんにちは。初瀬野アヤセです。
さて、今日は新人社員研修で説明している思考方法の基本を取り上げます。
私の普段の思考方法のうち、汎用的に使えると思う7項目を整理したものです。
能動的に考えていくために有用だと思っていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
能動的に行動するための思考プロセス 3ステップで目標達成!
と相互補完する内容になっていますので、宜しければそちらも合わせてご覧下さい。
①想像しよう!発想しよう! (仮説を立てよう!)
すべての行動の起点であり、基盤です。
想像力が豊かすぎると誇大妄想だと相手にされなかったり中傷されたりすることも多いですが、一切気にすることはありません。
むしろ褒められたと受け止めましょう。
何事においても想像力は必須であり非常に重要ですので、日々様々なことを思い浮かべて想像力を鍛えておきましょう。
想像する=物事(状況/状態)の具体的なイメージを思い描くこと。
発想する=新しい何かを思いつくこと。
それぞれを組み合わせることで頭が整理され、明確に課題や解決案が見えてくるようになります。
なぜiPhoneが誕生したのか?
具体例として、今では知らない人がいないiPhoneがなぜ開発されたのか、「想像する、発想する」という観点から見てみましょう。
iPodを販売中、iPhoneがまだ世の中に出てない頃、スティーブ・ジョブスを始めとしたAppleの幹部はこんな想像をしました。
世界中の全ての国々の携帯電話で音楽が聴けるようになれば、iPodはどうなってしまうのか?
当時、日本では「着うた」という携帯電話で音楽を聴けるサービスが爆発的に広がり、成功をおさめつつあったタイミングでした。
しかも「着うた」を主導しているのはiPodの大先輩と言えるWalkmanを扱っていたSONYであり、ソニー・エリクソンという携帯電話を製造販売しているグループ会社まで持っています。
Walkman携帯電話が出たら、iPodは必要とされなくなるのではないか…
この想像(=仮説)がAppleにとって非常に重要な課題となりました。
Walkman携帯電話が出る前に課題を解決するアイデアを見つける必要があります。
そのアイデアの1つが、iPhoneだったのです。
iPodのようなユーザーインターフェースを持った携帯電話を新しく開発しよう!携帯電話を再定義しよう!
この発想(=課題を解決するためのアイデア)を、Appleが社運をかけてやるべきプロジェクトだとスティーブ・ジョブズが確信したとき、後に大ヒットシリーズとなる初代iphoneの開発がスタートしました。
自社に大きなマイナスとなる要因を想像し(=仮説を立て)、それを打ち消せるアイデアを発想しています。
想像x発想 思考は限界突破する
新しいアイデアが発想できたら、その発想を元に改めて想像してみましょう。当初の想像(=仮説)がどう変わるか、それによって更に別の発想が出てくるか?などを繰り返し考えてみましょう。
逆のパターンですと、突拍子もない思いつき(=発想)を元に、それが実現した場合にどんなことが起きるか想像していくこともできますね。。
このように様々な組み合わせを繰り返し試すことで、思考を無限に広げていくことが出来ます。
思考には限界がありません。突拍子が無くても良いじゃないですか。想像も発想も、どんどんジャンプアップさせましょう。
②自分の仕事を商売(ビジネス)として捉えよう!
商売、ビジネスとはどのようなものでしょうか?
色々な考え方があると思いますが、私は次のように定義しています。
『相手が望む何かを実現できる商品・サービスを、相手が許容できる金額で提供し、代金を頂くこと』
そう定義すると、いくつか必要なことが見えてきます。それが次の10項目です。
細かい条件はビジネス毎に千差万別ですので、ここでは考慮していません。これはビジネス規模に関わらず、プライベートビジネスでも企業活動でも同じです。
ビジネスに必要な10項目
1)相手が望んでいるもの・ことは何かを知る必要がある。
2)相手が許容できる金額(=予算)を知る必要がある。
3)どのように注文をもらうかを決める必要がある。(週1回 or 月1回? DM or Email?など)
4)商品・サービスをどのように届けるかを決める必要がある。
5)商品・サービスを準備するために必要な金額を知る必要がある。
6)提供する商品・サービスの価格を決める必要がある。
7)協力企業への支払いと顧客からの入金の条件を決める必要がある。
8)入金時期と支払時期の差が発生するので、その期間も含めて運転資金を準備する必要がある。
9)決まった内容通りに商品・サービスを準備する必要がある。
10)決まった内容通りに協力企業へ支払いし、顧客から支払ってもらう必要がある。
企業や組織に所属している場合、ビジネス規模が大きすぎて自分が何をやっているのか、ビジネスに対してどのような影響があるのか、想像しにくいこともあると思います。
そんな時は自分の仕事が前述の10項目のうち、どの項目と関連性があるか考えてみましょう。
自分の仕事はどの項目?
例えば購買や調達など、何かを注文する仕事をしている人は、9)の一部を担当していると言えますし、経理などお金を扱っている人は10)の一部を担当していると言えるでしょう。
マーケティングの仕事をしている人は1)~6)を、契約の仕事をしている人は1)~8)など、複数の項目に関わっている場合もあるでしょう。
このように考えてみると、自分が何のために仕事をしているのか自覚できるようになりますし、何を知る必要があるのかも想像しやすくなります。
そうすると仕事の範囲が広がって裁量も増えるかもしれませんし、もしかすると、どんどん仕事が楽しくなるかもしれませんね。
別の表現で言い換えると・・・
新人社員への説明なのでビジネスを題材にしていますが、別の表現を使うと次のような考え方と言えます。
『全体像と個別項目の両方を把握しておき、自分が全体感の中で今どの位置にいるのかを捉える』
これを意識して行動できるようになれば、何をするにしても迷子になってしまうことを減らすことが出来るでしょう
。
もし全体感が分からないままで進んでいるのであれば、出来るだけ早く把握した方が良いと思います。把握しようとしてもできない場合は、その環境から脱出することを検討しても良いかもしれません。
③工程(プロセス)に分けて考えよう!
例えばコーヒーを飲む場合ですと、コーヒーを淹れるプロセスとコーヒーを飲むプロセスの2つに分けられますよね。お湯を沸かすとか、焙煎するとか、もっと細かく分けることもできますね。
このように、世の中の出来事は必ずプロセスに分解することができると考えてみて下さい。
また、類似性のある事象同士はそれらを内包した大きな分類の中で捉えられることがあり、その場合は同じプロセスとして考えることが出来ます。
商売を事例にしてプロセスに分けてみる
1. 注文をもらう。
2. 商品・サービスを準備する。
3. 納品する。
4. 代金を頂く。
商品を作って売る場合も、サービスを売る場合もこの4つのプロセスは必ず必要になりますので、1セットで考えるようにしましょう。
アプリなどソフトウェアを販売する場合は予め準備をしておくこともありますが、それでも受け渡しをするための環境を整える必要はありますよね。
製造の事例も見てみよう!
1. 材料を買う。
2. 作る。
3. 検査する。
4. 梱包(出荷できる状態に)する。
商品を製造するには材料が紙であれ、プラスチックであれ金属であれ電子部品であれ、この4つのプロセスは必ず必要になりますので、1セットで考えるようにしましょう。
2つの事例の通り、分類の範囲を上げることで共通性が見つかって同一プロセスで考えらえる場合があります。
プロセスが同一であれば押さえておきたい内容も非常に近いものですので、単独で考えるよりも抜け漏れを少なくできる可能性が高くなります。
前項の➁商売として考えるの内容と本項プロセスの考え方を組み合わせることで、迷子になる確率をさらに減らすことが出来ます。
ゴールまでのプロセスが想像できるかどうかで成功率が劇的に変わるよ!
プロセスが想像できない場合は仮でも良いので、一旦プロセスを想定してみることを強くお勧めします。
もし全くプロセスが想像できないのであれば、自分がやろうとしている事を実現するのは極めて難しいと言えますので、プロセスを想像できる別の手段に切り換えた方が良いと思います。
まずはプロセスに分け、各プロセスでどんな情報や状態が必要なのかを考えるようにしましょう。
④5W1Hで考えよう!
想像したり発想する際のきっかけとして使えるツールです。小学校の時に習った人も多いと思います。
あまり意識されていませんが、実は使いやすい順番があるんですよ。
誰もが一度は耳にしたことのある基本形1つと、使いやすい応用形2つの合計3パターンを順に紹介します。
その順序で考えていくと、驚くほど簡単に頭の中が整理できますので、ぜひ活用してみて下さい。
基本形:When-Where-Who-What-Why-How いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように
目的:コミュニケーション
小学校で習ったかもしれないのがこの順番です。打合せや報告書、会議のアジェンダなど、幅広く使いやすいです。新聞のリードもこの順序で書かれています。
応用系1:Why-How-Who-What-When-Where なぜ・どのように・だれが・なにを・いつ・どこで
目的:行動喚起
聞き手になんらかのアクションを起こして欲しい時に効果が高いのがこの順番です。
提案書、企画書、購買意欲喚起、新製品のプレゼンなどで主に使います。
スティーブ・ジョブズも初代iPhoneの発表時にこの順序でプレゼンしています。
Why(なぜ)が明確であればあるほど、聞き手に高い納得感を与え、What(製品)やHow(どうやって購入できるのか)への期待感が高めることができます。
Why なぜやるのか?何のためにやるのか?
How どうやって実現するか?方法論は?
Who 誰がやるのか?
What 何をするのか?何が出来て何ができないのか?
When いつやるのか?(期間/時期)
Where どこでやるのか?
最初に目的を問うので比較的使いやすく、私は基本この順序で考えています。
マーケティングや営業活動について確認する際にもこの順序が使いやすいと思います。
何かをヒアリングする場合は最初のWhyが分かり切っていることもありますが、相手から必要な情報を聞き出す際の理由付けになるので、必ず最初に考えるようにしましょう。
また、前項のようにプロセスに分けた後、抜け漏れを確認したり各プロセスで実行する内容を検証する場合にも有用です。
そうすることで、例えばある製品の受注を目指している場合、受注までに必要な情報と達成すべき課題を見つけやすくなります。
応用系2:What-When-Where-Who-Why-How なにを・いつ・どこで・だれが・なぜ・どのように
目的:課題や問題の掘り下げ、原因究明
何らかの問題を解決するために、原因を特定する際に使いやすいのがこの順番です。
問題というと製造業における品質不具合や不祥事を連想しがちですが、営業戦略の見直しでも多用しますし、プライベートでも様々な場面で使えます。
What どんな問題が起きているのか?なにが問題なのか?
When いつ起きたのか?継続して起きているのか?
Where どの部署で起きているのか?どんな場面で起きているのか?
Who 問題の原因となっている人物は?問題に関わっているチームは?
Why なぜその問題が起きているのか?
How どうやって解決するのか?
最初に一番把握しやすい事実をwhatとして特定し、以降も比較的把握しい順番に確認していくので、慣れると非常に使いやすいです。
⑤手を動かして書こう!
そのままの意味で、考えている事を紙に書き出します。
文字は自分だけが読める丁寧さで良いので、音声入力やタイピングよりも実際に速記(走り書き)することをお勧めします。
思考とほぼ同じスピードでアウトプットできますので、特に頭の中を整理する際やアイデアを出すときに有用です。
音声入力は声と耳を同時に使うので脳を刺激しやすく良い面も多いのですが、どうしても自分の思考の通りに入力されているか確認する作業が入ってしまいます。
そうすると思考が中断してしまいがちですし、繋がりが途切れるとひらめきが出にくくなります。
かといって入力結果を気にせず進めると、後で確認した時に誤入力や漢字の誤変換で何を言っていたのか全く思い出せないこともありますので、個人的にはあまりお勧めしません。
尚、速記と同じレベルでタイピングできたり、普段から音声入力とAIを組み合わせて使っている場合は手書きにこだわる必要は無いかもしれません。
いずれにせよ頭の中であれこれ考えるだけではなく、目に見える形でアウトプットすることが重要です。
まずアウトプットして、次にそれを眺めながら整理して行きましょう。
⑥結果から考よう!
思考する順番として、最初に結果(実現しようとしている状態)を想定し、その結果になる前提条件や必要な環境、それに至るプロセスを順に考えていきます。
結果から考えると言われると、初めて接する考え方のような印象を持った人もいるかもしれませんが、実はみんな普段から意識せずにやっていることですので、特別な事でも難しい事でもありません。
例えば旅行に行くとき、あなたはどんな順序で思考していますか?
とりあえず家を出よう!→どこ行こう?→空港に行ってみよう!→ヨーロッパに行ってみよう!
こんな順序で考える人はまずいないと思います。
特定の目的を置かないぶらり旅も楽しいですが、それでもある程度の行き先は最初に決めますよね。
ヨーロッパに旅行に行こう!→いつ行く?→ヨーロッパのどこ行く?→どうやって行く?→必要なVISAも確認しよう!
このように一度結果から考えてから、VISAの要否を確認し、航路などルートを確認、日程を決めるというように、最初から順番に行動していくと思います。
買い物を行くときも同じですよね。
とりあえず家を出てとりあえず何か買うなんてことは、ほぼしないと思います。
買うものを決め、どこで買うかを決めてから家を出ますよね?
ところが、なぜか仕事になると、とたんにできなくなる人が多いです。
すぐに行動しよう!と動き出す行動力は素晴らしいのですが、結果を設定していなければ必要以上に回り道してしまうかもしれませんよね?
結果から考えることが日常的にできるようになれば、何をするにしても成功率が確実に上がります。
とっつきにくさを感じている人は、まずはこの考え方に慣れることろから始めてみましょう。
⑦脳を使いこなそう!
思考する際は、必ず欲しい答えにあった形で形で自問します。
脳の働き方として、「問い方に沿った答えを探す」という特徴があるからです。
脳のトリセツ~仕様編
「どんな課題があるかな?」と自問すれば、「ある」という前提で探します。
同じ内容でも、「何か課題がないかな?」と自問すれば、「ない」という前提で探します。
つまり「〜あるかな?」と考えるだけで、ひらめいたり発想できる確率が大幅に上がります。
強く実感できるレベルで、本当に劇的に変わります。
脳のトリセツ~悪い例と良い例編
何となくうまく行っていないと感じている人は、もしかすると「なんでうまく行かないんだろう?」と考えているかもしれません。
そうすると、脳は「うまく行かない」ことを前提条件として「なぜなのか?」理由を探し始めます。
このような脳の使い方をしていると、状況を改善するアイデアはなかなか思いつきません。
そんな時は、「うまく行くのはどんな方法があるだろう?」と考えてみて下さい。
そうすると、脳は「うまく行く」ことを前提として、「その方法」を探し始めます。
このような脳の使い方をしていると、突然ひらめいたり会話の中でアイデアに結び付くことが目に見えて増えてきます。
脳は寝ている間も自動で答えを探し続けてくれるので、「どのような質問をするか」言い換えれば「脳にどのような指示を出すか」が非常に重要になります。
脳のトリセツ~間違ったので訂正させて編
尚、一度指示を出すと答えを探し続けますので、間違った指示を出してしまった場合は強制的にキャンセルを掛けて新しく指示を出し直した方が良いです。
否定形で指示を出してしまった場合は、「なーんちゃってー!うっそだよー!!」という魔法の言葉を唱えてから、改めて肯定形で指示を出してみて下さい。
そうすれば新しく上書きされた肯定形の指示を元に答えを探してくれます。
脳のトリセツ~実は他人にも使えます編
また、これは脳の特性を使ったものですので、自分だけではなく他人にも当てはまります。
つまりコミュニケーションにおける技術の1つとしても使うことができるんです。
肯定形と否定形のどちらで質問するかによって、ある程度相手の答えを誘導し、望んでいる答えを引き出す確率を上げることもできます。
例えば、あなたがファシリテーターとして会議をコントロールしているとして、盛り上がりすぎた会議を一刻も早く終わらせる必要がある場合は「他の意見は無いですか?」と特定の人を対象とせずに全員にふわっと投げかけてみましょう。
発言しようとしていた人の気勢をそぐと同時に、意見が無い前提で参加者の脳が働きますので瞬間的に沈黙を生むことが出来る可能性が高くなります。
沈黙が生まれればチャンス到来ですね。
「無いようですので終了します。次回は・・・」と速やかに会議を閉めてしまいましょう。
逆に発言を引き出したい場合は「何か意見はありませんか?例えば○○のような思いつきでも良いですよ」と想像のきっかけになるような内容と合わせて投げかけてみましょう。
発言に対するハードルを下げると同時に、意見がある前提で参加者の脳が働きますので、何かしらの発言が出てくる可能性が高くなります。
誰かが発言したらチャンス到来ですね。
「いいですね!もしかしたら次々繋がって○○のような展開も考えられるかもしれませんね!他にもありませんか?」と発想が繋がるような投げかけで会議を盛り上げて行きましょう。
自分の可能性を自分で高めましょう!
思考方法の基本として7項目を取り上げましたが、思考する際にちょっとした工夫をするだけで自分の望んでいる結果が得られる可能性を高めることが出来ますので是非参考にしてみて下さい。
あなたの結果が変わるきっかけになれば嬉しいです。
本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
自分の人生を、自分で生きて行きましょう!
初瀬野アヤセ
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