かつての紺色のはなし
私には、1年ほど前に付き合っていた恋人がいました。
その人はとても素敵な人で、私のことを好きになってくれました。
私もその人のことを人としてとても尊敬していたし、告白してくれたときは好きになれると思いました。
けれど、私はそんなに器用な人間ではありませんでした。
当時、私はめまぐるしい毎日を送っていました。
祖父の介護、大学のゼミ、自分の体調、バイト先のあれこれ、家庭の色々…
それらが合わさって、その人を優先して考えることが出来ませんでした。
その人はそんな私でもいい、と言ってくれました。
でも、私はどうしてもそんな自分が許せませんでした。
その人はそれでも私のことを好きだと言ってくれたけれど、私はその人と同じだけの想いを返せていたとは絶対に言えません。
なぜなら、私はその人のことを異性として好きというよりは人間として好んでいるという風にしか言えなかったから。
その人が好きだと言ってくれている気持ちに甘えていた、というのが正しいかもしれません。
だから、私はその人にお別れを切り出しました。
私の生活にその人の想いを付き合わせることは出来なかったから。
それでも、その人は別れを惜しんでくれました。
でも、私がその人のことを考える時間も取れないままに付き合っていることが苦しくて、申し訳なくて。
私のエゴのために、その人とお別れをしました。
その人は、本当に素晴らしい人でした。
私が「正直、人間として好きだけれど異性としてまだちゃんと好きか分からない」と告げたとき、その人は私の酷い言葉を受け止めてくれました。
そして、色んな話をして、お互いが納得の上で別れるとき、その人は「今度付き合う人のこと、好きになれるといいね」と言ってくれました。
本当に本当に、素晴らしくて素敵な人でした。
別れてから1年間経っても、正直、私はその人のことをちゃんと好きだったのかわかりませんでした。
🌸
今年、私のかつての恋人はバイト先から卒業することになりました。
やりたい勉強を続けるために、遠くへ行くそうです。
私も最後だから、ちゃんと送り出そうと送別会に参加しました。
正直、その人とちゃんと話したのはお別れして以来です。
バイト先は別れてからも同じでしたが、その人は勉強のためにずっとお休みしていたので私とシフトが被ることはなく。
送別会では色んな話をしました。
私の就職活動のこと、その人の勉強のこと、引っ越す先のこと、その人の将来のこと。
付き合っていた頃、バイト仲間に付き合っていたことを秘密にしていたこともあり、私もその人も、話の中で付き合っていた時のことにはあえて触れませんでした。
それでも何気なく、私もその人も付き合っていた時に話していた、
”この曲をカラオケで相手に歌ってほしい”という曲を歌いました。
私は普段なら絶対歌わない、好きだといっていた某アニメのキャラソンを。
その人は私が歌詞が素敵だね、と言ったバンドの曲を。
歌った後、お互いに何かを話すことはしませんでした。
送別会がお開きになり、帰宅途中、私は今日を思い出しました。
その人と別れて以来ちゃんと話をしたこと。付き合っていた時に話したお互いの好きな曲を覚えていたこと。色んな事を思い出しました。
色んな事を思い出す中で、付き合っていた時、私はちゃんとその人のことを好きだったんだ。と思うことが出来ました。
正直、何がきっかけでそう思えたのかはわかりません。
でも、送別会でその人と話すことがなければ実感することは出来なかっただろうなぁと思います。
別れてから1年経って、ようやく自分の気持ちが分かりました。
私は当時は気づかなかったけれど、その人のことを好きでした。
そして、私のエゴでお別れしました。今はバイト仲間として接しています。
別れたことを後悔はしてません。それでも、私のことを好きになってくれて、短い間だったけれど私を愛してくれた人に感謝したい。
少し前の私が好きだった人が幸せでありますように。
今度あなたが好きになる人は、あなたと幸せになれる人であるように。
そう願っています。
突発的に書いたので、支離滅裂だったり意味不明なのは勘弁してください。
正直私の気持ちを整理するためだけに書いた話なので。
唯一つ意味不明なタイトルの説明として付け加えるなら、タイトルの紺色は、私がかつての恋人に似合うと思った色です。私のなかでその人との恋は紺色のイメージでした。
それでは、そろそろお話はここまで。
私のよくわからない話を、ここまで読んでくれてありがとうございました。
あやせ(@Ayase_0189)