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生活へ続く虹色の魔法世界 180503小沢健二「春の空気に虹をかけ」@武道館(北の丸アンフィシアター)

”北の丸アンフィシアター。

若い人は知らないと思うけど、ここにはかつて、武道館という八角形の建物があった。

天井には日の丸がかかげられて。

でもその武道館は燃やされちゃって、ここはその跡地。

雨が降ったらその雨をすべて浴びてしまうような屋外の跡地。”

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バンッと証明が落とされた瞬間、虹色の灯が会場中を照らした。

2018年5月3日、GW真っ只中に行われたのは、小沢健二「春の空気に虹をかけ」ツアー最終日。@武道館

明るいときにはわからなかったたくさんの数のグッズ「空虹回路」(7色電子回路)が暗闇に浮かび上がり、優しく照らす。

お客さんが照明を使ってライブを演出する様子は今まで何度も見てきたけど、今までで一番ほっこりと、そして心が温かくなったかもしれない。

通常のペンライトに比べて灯が小さくて優しく、しかも7色だったからか。

1曲目は”アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)”

小沢健二。

2018年に、本当に、いた。

CDやテレビで聴いたあの歌声が私の耳に直接届く。

あぁ。現実だ。いや、魔法の世界なのか。

そんな感慨に浸りながら、横にいる人に目を向ける。

満島ひかり。

満島ひかりちゃんは歌手や女優とかではなく、元々”表現者”という印象だったけど、この日改めてそういう人だと思った。

演技も憑依型なイメージだけど、考え方や話し方、生きることがもう表現しているような人というか。

臆すことなくまっすぐな歌声でオザケンのコーラスをしたりなんて、たぶんひかりちゃんじゃなきゃできない。

そして、

オーケストラの演奏による深度や広がりのある音

ドラムの音に共鳴する光の演出

オザケンやひかりちゃんが作り出すプリズム

ふたりのダンス

シャボン玉

虹色の世界

魔法の世界

「ここが天国であれ!」と思うほどの多幸感に満ち溢れた時間。

私はそんな夢のような空間と時間のなかで終始、笑ったり泣いたり揺れたりしていた。

体の奥底にためこんだ魔法の欠片を思い出すと、込み上げてくるものがある。

曲、歌、歌詞、演出、自分という存在、他人という存在、ジェンダーについて。

どれをとっても現実的だけどロマンチックで最高だった。

最高だった。

武道館が燃やされた跡地「北の丸アンフィシアター」でのライブだと当たり前のことのように話すオザケン。

「男子!と言ったら男子の気分の人、女子!と言ったら女子の気分の人が答えて!」

こんなコールアンドレスポンスを聞いたのも初めてだった。

ライブの最後、

「生活へ戻ろう」というカウントダウンのあとに、さっきも演奏した”フクロウの声が聞こえる”をまた演奏。

「え?」と思っていたら最後の最後、

「こんな音楽が日常にあるってことです」と、

音楽がある生活へ続くように、ちゃんと戻れるようにと繋げてくれた。

音楽は日常にあるよと伝えてくれた。

小沢健二の音楽は、聴くだけでも感動していたのに、本当に観てきたんだ。

魔法。浴びてきた。

2018年に、当たり前にオザケンの音楽がある。

2018年を生きる私に、私たちの生活にしみこむ、キラキラさせてくれる音楽がある。

誰に言うわけでもないけど…オザケン、本当にいたよ?音楽演奏して歌ってたよ?

オザケンが活動を休む前から時間が空いて、2018年の今また新たに音を鳴らし続けている。

そんな空白の時間を飛び越えて、

休む前の音楽は今を生きている人に響いているし、

休む前から知っていた人には、2018年の音が響いている。

ひかりちゃんと同年代の私も“オザケン世代”ではないけど、

オザケン世代が時間なんて関係なく飛び越えたオザケンの音楽にハマった人を指すなら、

オザケンの音楽がある世界に生きていて、オザケンの音楽にハマった私はもう、オザケン世代の仲間入りということでいいかな。

http://hihumiyo.net/

#小沢健二 #ozkn #オザケン  

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