第8回仙台国際音楽コンクール・ピアノ部門 #予選 雑感
残念ながら日本人コンテスタントは進出できませんでしたが、「はぁ~あれは妙々たる演奏だった」「桁外れなピアニストがいるもんだなぁ」と余韻に浸っている間に、もうクライバーン・コンクールはファイナル中盤です。
一方、仙台でも大きな国際コンクールが始まっており、YouTubeに続々演奏動画が上がっています。仙台国際音楽コンクール(Sendai International Music Competition: SIMC)はヴァイオリンとピアノの二部門あり、ヴァイオリンの審査はすでに終わって、もうピアノのセミファイナル進出者が発表されました。
クライバーン・コンクールにも出場している人がエントリーしていたり(もちろん、クライバーンに出ているので仙台は辞退)、ショパコンや浜松国際ピアノコンクール(通称:浜コン)に出場した人がいたりと、国際音楽コンクール世界連盟に加盟しているだけあって、聴きごたえある演奏が期待できるコンクールです。
※ちなみにSIMC第1回(2001年)はユジャ・ワンが3位、第6回(2016年)はブルース・シャオユー・リウが4位に入賞しています。
予選の演奏をいくつか聴いてみたところ、クライバーンで吉見さんが弾いたリストソナタを、15歳のコンテスタントが弾いていて度肝を抜かれました。吉見さんの魂を削るような演奏とも違い、厨二感、もとい青春の憂いを醸し出しているリストソナタも魅力的でした。無事、セミファイナル進出!
同じくクライバーンで、亀井聖矢さんがセミファイナルの最終演目で演奏した「最も演奏至難な独奏曲の一つ」(ウィキペディアより)と言われている『イスラメイ』を、予選の1曲目で肩慣らしの如く華麗に披露したコンテスタント(17歳)もいて驚き、同時に彼の演奏するバロックや古典にも、俄然興味が湧いてきました。この方もセミファイナル進出となりましたので、モーツァルトのコンチェルトが聴けるのを楽しみにしています!
さて、SIMC予選では、Shigeru Kawaiのピアノをセレクションしている参加者が多い印象を持ちました。YouTubeサムネイルでざっと数えたところ、31人中14名(間違っていたらごめんなさい)。
ちなみに、昨秋のショパコン本選でも、12名中3人がShigeru Kawaiで演奏していました。
そこはかとなく温かな、懐かしいような音色が、演奏者も観客をも魅了しているのだと思われます。
セミファイナルからは、SIMCの特徴であるコンチェルトづくしです。ダイヤの原石たちが、モーツァルトやベートーヴェンのコンチェルトと、ラフマニノフやチャイコフスキーのような大曲を、どう弾き分けていくのか期待を寄せています。