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インタビュー&書評
『盤上に君はもういない』が発売されて、もうすぐ二ヵ月となります。
早々に重版もかけて頂き、ここ数年では一番と言ってくらいに、自分のことを知らなかった方々に読んで頂けている印象です。これからも沢山「はじめまして」を経験出来る本になったら良いなと願っています。
幾つかの雑誌からインタビューを受けたので、まずはそちらを紹介します。
☆オール讀物 2020年12月号(2020/11/21 発売)
☆anan No. 2225(2020/11/11 発売)
☆ダ・ヴィンチ 2020年11月号(2020年10月06日)
ダ・ヴィンチは『盤上に君はもういない』の執筆開始時まで担当編集だったMさんが異動された先なので、お世話になった担当さん(当時、将棋会館のある千駄ヶ谷に住んでいたというミラクル)にも会いたかったし、発売前から声がかかったら良いなと期待していました。(KADOKAWAですしね)
『君を描けば嘘になる』を作っていた頃から、編集部に行く度に、10秒で僕がアルビレックス新潟の話を、もう一人の担当編集さんがガンバ大阪の話を、編集長がFC東京の話を始めるので、Mさんはいつも呆れたような顔で僕らを見つめていました。という思い出もあります。
ダ・ヴィンチに掲載されたインタビューは、現在、webでも読めます。
そんなダ・ヴィンチはともかく、ananとオール讀物については、インタビューの話を頂いて本当にビックリしました。
「anan!? この私がanan!?」となりました。
メディアに顔を出すつもりがないので、写真撮影は辞退しましたが、著者近影には手持ちの最もエモーショナルな写真を使って頂きました。だってananに載るんですもの。お洒落な写真でなくっちゃ、と。
インタビューは3社ともオンラインで受けました。それも時代だなぁという感じなのですが、ananの編集者さんたちからは、画面越しでもお洒落最前線のオーラが出ていたのが印象的でした。
オール讀物のインタビューも素敵な時間でした。文芸の編集者さんだったようで、ネタバレを避けるために記事にはなっていないんですが、創作の深い部分だったり、技術的な裏話を沢山出来て、とても楽しかったです。何しろ小説の話をするのが大好きなので。
インタビューとは別に、初体験となるイベントもありました。
角川書店では初。もしかしたら、業界初? との噂もあった、【作家と書店員のオンライン交流会】です。
発売前にプルーフ(見本)を読んで下さった書店員さんたちと、本について語り合おうという会でした。こちらは業界内の話ですが、連載先のカドブンでイベント内容が前後編でまとめられています。4時間にわたるタイトル会議の写真なんかも載っています。
二日間にわたって開催されたんですが、両日共にあっという間でした。オンラインだから、全国津々浦々の書店員さんと会えて、とても楽しいイベントでした。
僕はメディアに顔を出さないけど、サイン会やイベントやラジオであれば出ますよーという人間なので。また、こういう機会があったら良いなぁと思います。思いますというか、近々、もう一つ開催されそうなので、発表されたら、お知らせしますね。次は読者さんにも参加して頂けるタイプのイベントなので。
ありがたいことに、書評も書いて頂きました。
将棋ペンクラブ大賞の選考委員でもある西上心太さんに頂いた書評は、宝物です。
サッカーについては年季の入ったガチ勢のオタクなので、たとえ現実では有り得ないようなことを書いていても、それは全部分かった上で書いているんですけど。(『レッドスワン』について批判的な意見を頂いた記憶もありませんが)
将棋については、好きなだけの素人だったので。
参考文献として載せた書籍以外にも、色々と読み込んで、取材も重ねて書いた本とはいえ、それでも、不安はやっぱりありまして。西上さんの書評には勇気づけられました。
野性時代に吉田大介さんが書いて下さった書評も。
担当編集さんたちも知らなかったらしく、吉田さんが『盤君』について書いて下さっていた! と、聞いた時には、本当にびっくりしました。
オール讀物もですけど、文芸誌が好きなので。野性時代に書評が載るって、大変嬉しいことでした。
昔からよく僕の本を取り上げて下さるタニグチリウイチさん(いつも、ありがとうございます!!)も、こんな記事を。
主人公の一人、千桜夕姫のルーツまで解説して下さっています。
最後にもう一つ。
現役書店員さんが週替わりでおすすめを教えてくれる【横町カフェ】の記事も。
商業作品なので、売れてくれることが一番なんですけど。(そうでないと、関わってくれた方に恩返し出来ませんし)
『盤上に君はもういない』は、発売前から、校閲さんたちや、デザイナーさんや、自分の担当ではない編集者さんたちや、営業さんから、沢山感想を頂けて。(校閲さんに感想を頂けるなんて、本当にめったにないんです。それなのに、雑誌連載時にも、単行本の著者校でも!!)
書店員さんたちにも愛してもらえて。
別に10周年に合わせて頑張ったわけではないのだけれど。
8ヵ月という時間をかけて作り上げたこの本で、こんなにも優しくしてもらえて、とても幸せです。去年は、近しい身内を亡くしたり、自分自身も倒れたりと、大変なことが色々あったんですが、この本を書けて良かったなぁって。
そうだ。『盤君』では、人生で初めてバズるという経験もしました。
コロナが怖くて。春から打ち合わせやインタビューはすべてオンラインにしてもらっているし、飲み会なんかのお誘いも、申し訳ないけど、すべてお断りしているんですけど。
三桁のサイン本作りで、さすがに編集部に行かなければとなった際、電車に乗りたくなかったので、新オフィスにして欲しいと言ったんです。そこなら車で行けるしなぁと思いまして。
担当編集者さんたちも全員(角川書店だけでなく、メディアワークスの担当さんも)、新オフィスに行ったことがなかったから、じゃあ、そっちでサイン本を作ろうとなって、皆で行った時に撮った写真がこれでした。
KADOKAWA新本社、『正解するカド』みたいになってるんだけど……。
— 綾崎隼@盤上に君はもういない (@Syun_Ayasaki) September 18, 2020
仕事をするために、担当編集さんたちと一緒に来たのに、皆、初めてだからオフィスのある5階に辿りつけないんだけど。 pic.twitter.com/gb2eVS1kxE
半年ぶりにまともに人と会ったんですが、本当に楽しい一日でした。
マジで、凄いものを作りましたよね。新オフィス、Googleみたいになっていましたからね。全然、人いないのに。最新機材がズラリと並んでいて、でも、編集者がチラホラとしかいない……みたいな。密になりようがない。
行きにくい場所にありますけど、個人的には、来年、授賞式や忘年会が開催されるなら、ここでやったら良いのにと思います。KADOKAWAで仕事をしている人たち、皆、一回は行きたいでしょうし。大御所に東所沢まで来てもらうわけには……というのも分かりますが。外観、これですからね。
来年からは新章というか。
希望が叶うかは分からないけれど、自分が向かいたい場所は明確なので。
また、新しい物語を発表出来るように、日々、原稿に向かっています。
あ。
『盤上に君はもういない』が文芸作品としての勝負作ですが。
エンターテインメントに徹した『レッドスワン』も、明後日、2ndシーズンが完結しますので、良かったら。(4巻まで公式サイトで無料で読めます)
僕はこの小説を書くために、足も、指も、腕も、肋骨も、サッカーとフットサルで骨折したのだと思います。「自分が日本で一番面白い【サッカー小説】を書くんだ!」という覚悟で、ラストシーンまで執筆しました。