21世紀的親子「思い出と未来の親子関係とSNS」
夏休みのよく晴れた日、公園にて。
ユミ「タクちゃん、こっちこっち、ママの方見て!そうそう、撮るよー。はい、チーズ!(カシャッ)うん、いい写真。さっそく投稿しよっと。(『息子が1歳になりました!!』と入力してFacebookへ投稿するユミ)」
15年後...
リビングにて。
タクヤ「母さんさ、俺の昔の写真をFacebookとかいう昔のSNSにあげたことある?今日さ、学校の授業でSNSの歴史教えてもらってさ、試しに昔のサービスにアクセスしてみようってことになって、授業中にFacebookをクラスの皆と見たんだよね。んでさ、試しに遊びで、家族の名前とか検索してたら出てきたんだけど、俺の写真。赤ん坊の頃の俺の裸の写真とか皆に見られてさ、マジ恥ずかしかったんだけど。(怒り気味に)あれ削除してくれない?」
ユミ「Facebook?あー、そういえばあったね、そういうSNS。そうそう、あんたの小さい頃によく写真アップしてた、してた。懐かしいわね。」
タクヤ「いや、懐かしいとかどうでもいいからさ、早く削除して欲しいんだけど。肖像権の侵害ってやつ?マジやめて欲しいんだけど。俺の個人情報もだだ漏れだし。」
ユミ「あんた、何言ってんの。あれはいい思い出よ。タクちゃんも、あの頃は可愛かったのにね。」
タクヤ「もういいよ。自分で削除申請するから。今日、授業でその方法も教えてもらったし。(バタンと扉を閉めて部屋から出て行くタクヤ)」