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キュリナリーズのポトフ17
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「かあさま、かあさま! まだ!? はやくきてよ! しんでしまうよ!」
暖炉の前に少女が立っている。
扉に向かって、母を必死に呼ぶ。
彼女はその場から離れることができなかった。
少女の腕には赤子が抱かれていた。
赤子の息はか細く、体は氷のように冷たかった。
外は一面の吹雪。
白い獣がうめき声を上げて、容赦なく建物に襲い掛かる。
小さな命たちは、獣と戦っていた。
少女は暖炉の前で毛布でくるまれた赤子の体を必死にこする。
額から滲む汗が赤子の頬に垂れ落ちる。
毛布をこする摩擦で手に痛みが走ろうと、自分より小さくか弱い命を守るためにがむしゃらに、ひたすら毛布をこすり続ける。
少女は赤子の姉だった。
――つづく
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