キュリナリーズのポトフ12
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夕暮れ時を迎えるにも関わらず、姉姫の生誕祭の賑わいは一向に止むことはなかった。
この国は未来永劫栄え続けると、誰もみな確信していた。
国民も、国王も、妃も、未来の指導者となる姉姫も。
太陽が西に傾き始める。
空は燃えるような色に染まってきているが、空気はその茜色にそぐわない澄み切ったものになってきている。
明らかに冬の空気であった。
だが、例年のものとは明らかに違った。
人々は呼吸を重ねるごとに、胸の奥に絞れるような痛みを感じてくる。
死に至る冷気に気づいた者は急いで自宅に戻り、暖炉に火をくべる。
祝宴が一瞬にしてなかったかのように終焉を迎えた。
しかし、真に幕を閉じるのは人々が描く未来であることを、このとき誰が想像できたであろうか。
――つづく
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