未知のスイーツが定期的に流行るワケ、流行の作り方
突然ですがお気に入りのスイーツはありますか?
私はケーキ屋さんで頼みがちなのはモンブランが定番なのですが今回はスイーツのお話。
過去にもスイーツの流行が定期的に訪れる日本ですがその歴史となぜこうなるのか?考察、そして次に流行るのか?というお菓子をご紹介します。
次の流行か? "サヴァラン"というフランス菓子
みなさんサヴァランってご存知ですが?
サヴァラン(Savarin)は19世紀からの歴史ある一品。
有名な美食家のブリヤ・サヴァラン(Brillat-Savarin)にちなんで名付けられました。
先日、そのサヴァランのキャンペーンフランスパティスリーウィークがあり当選したので良い機会だと食してみました。
いただいたサヴァランがこちら↓
基本的な見た目はリング状のケーキで、ブリオッシュのような柔らかい生地にシロップに浸してしっとり仕上げています。
一番の特徴は、ラム酒やオレンジリキュールを含むシロップに浸すこと。
しっとりとした生地の上には、ホイップクリームやフルーツがトッピングされることが多く、イチゴやキウイ、ブルーベリーなどがよく使われます。
食べてみるとしっとりを通り越した独特のジュクジュク感。
甘味がほんのりして何より洋酒の上品な風味、しかし小ぶりなので重たくない。お酒が入っているから子供はダメ!と大人だけが食べられる笑
大人のデザートという感じでこれはなかなかに美味じゃ〜!!
次の流行くるか?!という一品でした。
ただ、これは誰かがどこかで紹介しないと日本には伝来しないもの。
過去のお菓子を振り返りながらどうやって流行が作られるのかを考察したいと思います。
過去日本で流行り、今や定番のスイーツたち
懐かしい! こんなお菓子たちが流行していました…
1980年代
ティラミス:イタリア由来のスポンジにコーヒーを浸したデザート
1990年代
パンナコッタ:イタリア発祥のクリームベースのプリンのようなデザート
2000年代
タピオカミルクティー(タピオカティー):台湾発祥のココナツミルクに小粒のタピオカを入れたドリンク
マンゴープリン:中国から来たマンゴー味のプリン
2010年代
パンケーキ:ふわふわで分厚いハワイアンパンケーキ
マカロン:フランス発祥のカラフルな小さな菓子
2020年代
黒タピオカ:大粒のタピオカをドリンクに入れた飲み物
マリトッツォ:イタリア・ローマ発祥のブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだデザート
バスクチーズケーキ:スペイン・バスク地方発祥のチーズケーキ
クロッフル:韓国発祥のクロワッサンとワッフルを掛け合わせたデザート
1982年生まれの私としては人生ど真ん中の世代なのですごくわかるのですが、突然未知のスイーツが黒船伝来の如く現れて定番になっていく日本。
しかもそのブームは毎回一気に加熱し、そしてあっという間に去っていく…熱しやすく冷めやすすぎるやろ、日本人(自分もな!)
この原因はなんでだろう?
日本は狭くて良くも悪くも新し物好き
日本には四季があります。季節ごとに特定の食材や風味を楽しむ文化がそもそも根付いていて、季節限定のスイーツが流行しやすい許容性を産んでいると推察します。
しかも、昔から海外など新しいものを取り入れて変化を楽しむことが重視される傾向があります。ファッションやテクノロジー、スイーツにおいてもしかり。車産業や家電産業など過去の日本は真似して作るが得意でした。
そして、狭い島国、また村社会。社会全体で流行っているものを知って話題にしたい他人と共有したい、または他人に勝ちたいというメンタリティにより常に競争は激化。
この競争がスイーツをはじめ様々なライフサイクルを短くし、次のトレンドが出現する要因となっているのではないでしょうか?
つまり、日本は群泳魚型の国民性。
流されるまま人生を楽しむもよし、離れてサバイバルするもよし。
どんな人生も選ぶのは自分、私はどちらも好きだなと思います。
日本経済がスイーツに与える影響を考察
このように日本人が短期的な流行で菓子を楽しむ素養があった上で、日本経済も重ねてみます。
外来菓子が始まった1980年代後半はバブル経済真っ只中。
消費者が豊かになり高級志向や新しいものへの関心が高まり多様なスイーツを試す「余裕」がありました。
そしてバブル崩壊と経済の低迷の1990年代。
消費者の購買意欲は減退しても、むしろ手頃な価格で楽しめ気軽に幸福度を高めるスイーツは人気を保ち続けました。
続くデフレ経済でもその傾向はより多くの菓子伝来に拍車をかけます。
そして2000年代以降のIT革命とSNSの普及により、新しいスイーツの情報が迅速に広まるように。消費者は新しいトレンドに敏感になり、企業はそれに応える形で新商品を次々と投入する土台が出来てきます。
2010年代にインバウンド需要が増加すると、訪日外国人観光客の増加に伴い、日本のスイーツが海外でも注目されるように。観光客向けに新しいスイーツが次々と開発され、外来菓子のみならず日本古来?のお菓子も発展を迎えスイーツ業界戦国時代へ。
2020年代には長引く経済成長の停滞により、物質的な豊かさよりも経験や体験を重視する傾向が強まり、新しいスイーツを試す「経験」が一つの楽しみとなりました。
上記を踏まえた流行の作り方
お菓子の短期的流行を通して見えてきた流行の作り方。
まずは、自社の分析と市場調査。
現在の市場トレンドを分析し、消費者の嗜好やニーズを把握します。競合他社の動向を調査し、彼らがどのように流行を作り出しているかを理解します。
それとともに大事なのはユニークな価値提案。
他にはない独自の価値を提供する商品やサービスを開発し消費者が共感できるブランドストーリーを作り、それを一貫して発信します。
その中で現代は避けて通れないのがSNSを活用したキャンペーン。
ちゃんと魅力的なコンテンツを作成し、消費者に商品やサービスの魅力を伝えることが大切です。
ただ広めるだけではなく、限定版の商品や期間限定のサービスを提供し、消費者の購買意欲を高める工夫もお忘れなく。
うまく希少性を演出し、希少価値を高め消費者の関心を引きましょう!
忘れてはいけないのが、タイミングとスピード
市場の変化や消費者のニーズに迅速に対応し、季節やイベントに合わせたプロモーションでさらに消費者の関心を引きます。
このように、様々な要素を加味しながら。
しかし大前提で一番大切なのは「自分が他人に楽しんでもらいたい、世の中を便利にしたい」というパッション!
商売って難しいけど楽しいという思いを深めました。
まとめ
以上、スイーツの流行とその影響についてお伝えしました。
日本人の短期的な流行や競争心がスイーツ業界を活気づけ、日本経済に与える影響も大きいですね。この狭い中での切磋琢磨がガラパゴス的発展を推進するのが興味深いなと思います。
というのも私も関わるテレビショッピング業界の流行も次々にブームが到来。おかげさまでこの15〜20年ほどずっとテレビショッピングの映像制作は常に多忙を極めています。(コロナ禍は一瞬撮影などが簡単に出来ないなど難しい面はありましたが、今ではむしろ巣篭もり需要で伸びています)
何か流行れば「続け〜〜〜〜!!!!」と次々新商品が登場。
栄枯衰退を見守りながら、楽しく買ったり売ったりを楽しむ人生を送りたいなと思います。
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