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「スイッチして継続する」ことの違和感

日本はコロナウイルスの第3波が本格的にやってきてしまっているようですね。一度落ち着き、街の様子も少しずつにぎやかになってきたところで、また色々なことに制限がかかり、一進一退だなと思う今日このごろです。

私が普段会話をするのは公私関わらずBtoBマーケティングに携わる方々が多いのですが、これまで比較的積極的にリアルのイベントやセミナー、コミュニティ活動をしてきている方が多い気がします。そして、強制的に与えられた状況下において、波に飲まれることなく新たな方法にトライし、そしてなんとなくこの形が自社にとってフィットするなという探り期間を終えたか、その最中なのかなと思っています。新たな方法や施策を一気に進めていらっしゃる企業も多いでしょう。

私はこの数ヶ月、この動きの一部に少なからず違和感を感じていました。相変わらず言語化するのに苦労するのですが、それは「スイッチして継続する」ことに対する違和感なのではないかなと思い始めています。

例えば今までオフラインでワークショップを定期的にやっていた企業があるとします。オフラインで開催できる環境ではなくなったのでワークショップをオンラインにスイッチしました。けれどもオンラインにスイッチしたことで、これまでオフラインで得られていたチームの一体感やワークショップの良い流れを継承できなかったので、ワークショップではなく1対多の個人ワーク形式としました。

みたいなケースがあるとします。このような、オンラインにスイッチしたは良いものの、オフラインでの良さを活かすことができなかったため、建て付け自体を変えるというシーンは、イベントでもコミュニティでもあるでしょう。スイッチしてその状況に最適化したように見えるのですが、そこに違和感を感じてしまうのです。

上記のワークショップを例にすれば、ワークショップをレクチャー形式とした時点で、これを実施する目的もゴールも変わってしまうことがあり得ます。例えばワークショップは一般的には、チームビルディング、参加者同士の交流促進、他者の思考プロセスを可視化することによる刺激を与える、などいくつか想定できる目的があるかと思いますが、1対多の個人ワーク形式とした時点で、そうした目的からは離れていきます。要は何が言いたいかと言うと、そのアクティビティにより何をどうしたいのか、というところが抜けた状態でスイッチと最適化をしてしまっているのではないかなと思うのです。

BtoBのマーケティング手法の中で今年大きくやり方を変えなくてはならなくなったのは、間違いなくイベント / セミナー / コミュニティなど、対面型で実施していたアクティビティだと思います。これらをそのままオンラインへスイッチしても、当初想定していた誰のパーセプションをどう変化させたいのか、を担保できないのであれば、イベント / セミナー / コミュニティ単体でその施策を検討すべきではなく、マーケティングプラン全体における各アクティビティの比率を見直したり、新たな施策の可能性を検討したりしながら、単体でどうにかしようとしないことだと思っていたりします。同じ目的で別の手段を編み出せたなら、別にこれまでの在り方にこだわる必要はないですし。

#逆もあります 。例えば今までやっていた施策よりも、オンラインでセミナーをやった方が遥かに目的に沿ってゴールへ早く近づく場合もあると思います。

さらに言えば、マーケティング部門だけではなく、営業部門も状況が変わっているし、そもそも自社のサービス / 商品自体、この状況下で顧客 / 見込み顧客からの評価も変わっているかもしれません。そうした全体のバランスを見ながら、誰に、何を伝えるかを改めて整理し、マーケティング施策全体を見直した上でこれまでやってきたオフライン施策を再構築すべきだし、スイッチしてなんとかこれまでの状態を保とうとしても、気づいたら参加する顔ぶれが変わっていたり、本質的に求められているものを提供できないような気がするのです。

これって、サイロ化された組織や、各担当者に十分に権限移譲されたチームの場合、結構難しいなと思うのです。予算配分や個々の評価などにも関わってくる話だし。けれどパッチワークみたいなやり方だと、マーケティングに限った話ではないですが、おそらくどこかで勿体ないところが出てきてしまうように思いました。


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