~鬼滅の刃からの学び⑦~相手がどんな人かは、正面からだけでは理解できない
~お読みになる前に~
基本的に「鬼滅の刃」テレビアニメ立志編と劇場版無限列車編を観た上での、個人的な学びや感想、気づきを書いています。
ネタバレがあることと、知識が充分でないことをあらかじめご了承ください。
前回の善逸からの、今回は嘴平伊之助!
伊之助は、まさに「猪突猛進」、
考えるより行動が先、単純で感情的、
攻撃的・好戦的、白黒ハッキリ、
ってイメージでしょうか。
鼓の屋敷で初出場した時は、
融通が利かなくて、自分の主張ばっかり。
藤の花の家紋の屋敷でも、
わざと炭治郎の天ぷらを横取りして挑発したりと、何かと闘っていないと落ち着かない傾向が強かった。
でも、
家紋の屋敷で炭治郎や善逸としばらくの間衣食住を共にし、
おばあさんの優しさをキッカケにほわほわするようになり、
多分本当はもともと持っていたであろう優しさを開花させていくようになりました。
そして。
那田蜘蛛山で父蜘蛛に殺されそうになったところを、
冨岡さんのスマートな術さばきでものの数分で助けられたことから、
自分の実力を客観的に思い知ることもありました。
そんな伊之助に、私が強く感じたのは2つ。
まずひとつは。
無限列車で煉獄さんが死闘の末この世を去り、その激しい悲しさと、自分への歯がゆさなどから号泣する炭治郎に、
弱気なこと言ってんじゃねぇ❗
信じると言われたなら
それに応えること以外
考えんじゃねえ❗
このセリフ、
自分に言われたように捉えた人は少なくないんじゃないでしょうか。
「信じると言われたならそれに応えること以外考えんじゃねえ!」
信じる・・・
この作品のなかでは、炭治郎たちが煉獄さんから言われた、
「君たちを信じる」ということに対して言っていますが、「信じる」と言ってくれるのは、
他者だけでなく、
自分が自分を信じるって意味も含まれていると感じています。
自分に自信を持つ、
ってなにも自分をすごく褒めるとか評価するとか好きになる、とかってことでなく、
純粋に自分を信じる、ってこと。
ここまで生きてきた人生で失敗はたくさんあっても、今の自分に納得していなくても、
それでも今こうして生きている。
そしてこれからも、生きてきた自分を信じて生きていく。
「己の弱さや不甲斐なさに
どれだけ打ちのめされようと
心を燃やせ、歯を喰いしばって前を向け
君が足を止めてうずくまっても、
時間の流れは止まってくれない
共に寄り添って悲しんではくれない」
煉獄さんの想いや言葉を心から理解したからこそ、伊之助は炭治郎と善逸を激しく叱責したんだと思っています。
そして二つ目。
無限列車の走行スピードに興奮し、
外に出て列車と競争する~!って
聞かん坊の伊之助を必死で止める善逸。
その二人に煉獄さんが
「鬼が出る」と言って止めますよね。
「鬼、出るんですか?!」
「降りま~すっ💦」
って慌てふためく善逸に対し、
煉獄さんの話を黙ってじっと聞いている伊之助。
この場面。
伊之助の冷静さ、かしこさを表していると思いました。
思えば、結構伊之助は
冷静でかしこいとこがありますよね。
那田蜘蛛山で母蜘蛛の操る首のない鬼と闘った時、炭治郎の「自分は前に出ない」戦術を理解した時。
無限列車で、魘夢の血気術から覚醒するための自決を繰り返し、現実の自分の首を切ろうとする炭治郎を止めた時。
冨岡さんや煉獄さん、しのぶちゃんの動きや言葉を瞬時に理解できるし。
あったまいいですよね。
まあ、そこに自分で気づいていないようで、猪突猛進な感情的モードの自分にそこが隠れてしまっている感じなのですが。
伊之助は、見れば見るほどいろんな性格、側面が出てきておもしろい。
のびしろ満載です、伊之助!
善逸や伊之助を見ていると、
とどのつまり人間は、
いろいろな側面、いろいろな性格を持っている、ってことに改めて気づかされます。
それは、その時々の状況にもよるし、
それを見た人の価値観、考え方にもよります。
好戦的で荒々しい人なのか、
冷静でかしこい人なのか、
弱虫で愚痴ばっかりな人なのか、
人の役に立ちたいと強く思う人なのか、
でもどっちも伊之助であり、善逸であり、
その人なんですよね。
ここ数年のキーワードと化している、
多様化という言葉を勘違いしているのか、
相手を尊重しないニュースや話題をよく見かけます。
やたら批判したり、うがった見方をしたり、
自分の考えを正当化して、ひどいと誹謗中傷になったり。
最終的に自分のなかでどう判断するかは別として、
一方向でなく、いろんな方向からその人を見てみる。
人柄、考え方、思い、目的、真意
一歩引いてみると
いろんな側面が見えてきて、
相手の立場も理解できる。
その人のいいところが見えてくる。
そうすると、自分の価値観や見解、
考え方も広がっていく。
それが本当の多様化なんじゃないかな~って最近思います・・・。