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バスの運転手さんに怒られた話

旅の途中、怖かった話をひとつ。

色々な価値観があるとは思うけれど、各自選んだものがあっていいし、相手に押し付けるものでもないと思う。

わたしはここ数ヶ月、マスクをしていない。マスクじゃ防げないのは明らかだし、呼吸が苦しいし、なにより不快。

付けてくださいと言われたら付けるけれど、電車でも映画館でも付けずにいる。付けてくださいというところが最近は減ってきたなという印象だった。

それで、昨日の岡山のあるバスの中での話。付けずに乗っていたら、運転手さんが口元を押さえながら睨んでくる。

あ、マスク付けろってことか。

瞬時に理解し、マスクをつけた。その怒った様子がすごく怖かった。

バスのポスターには"マスク着用のご協力をお願い"の文字。義務ではない、お願いなのだ。お願いなのに、どうして怒られなければならないのか。

でも、この運転手さんを怒らせて降ろされたら、わたしは宿につけない。タクシーも走ってない道の真ん中で放り出されたら困るのはわたし。しかもバスの本数も少ない。

車内でマスクつけるかどうか揉めて、電車が遅れたというニュースが過去にあったことも思い出した。

面倒は起こしたくない。マスクをつけろという高圧的な態度は許されるものではないけれど、こちらが立場的に圧倒的弱者だ。

その後も、水を飲んで顎マスク状態にしてたら、わざわざ振り返って、"ちゃんとマスクを付けてください"と言われた。

わたしが屈強な男性でも同じように言うのかしら?ピンクの帽子に黄緑のニットの浮かれた格好した女の子だから高圧的に嫌味っぽく言うのかしら?

意地悪い思考も巡らせつつ、おとなしく指示に従った。

運転手さんにマスクの意味について説いても、つけるのが正解と思っているだろうからきっとその時間は無意味になる。

あえて運転手さんの信じるものを否定するつもりもないけれど、怒ってマスクつけろと言われるのも違うんじゃないかなぁ。

分断を感じる旅のひとこまでしたん。

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