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なんなんw高校の同窓会✧♡

 ここ数日倒れていた。

 教師だった時に、それぞれの学校に懐かしい思い出があるが、特に2つの高校が思い浮かぶ。一つは。
 自分のマンガの舞台にもしている「キタキタ高校」。
 そして、もう一つは南にある「なんなんw高校」である。

 この「なんなんw高校」で、私の高校教師の人生がスタートした。
 その前は中学校教師だったのである。
 ある時、恩師の村上善男先生から電話がかかってきた。

「職員録をめくっていたら、君の名前があってね。これだ!と思って電話した」と先生はおっしゃる。何かと思ったら、先生は「なんなんw高校」の校長先生から学校をコース制にすることについて相談を受けていたと言うのだ。「君は今年の教員採用試験を受けてもらいたい。落ちたら、そのまま中学校教師でいればいい。受かったら、そのまま採用になるだろう」

 なんだ?このノーリスクのチャレンジは!

 高校教師に対して憧れが無かったわけではない。

 中学生とは、自分の中に思春期と言う嵐が吹き荒れている時期。自分でも制御できない理不尽な態度や動物的暴力をふるったりする時期だ。そんな時、周りにいるオトナ(教師や親)は、しっかり壁となって、せき止めないと、あとで大変なことになってしまう。
 私は勤め初めの頃、自分は、生徒と共に成長していこうと思っているのに、生徒に甘さをつけこまれたり、傷つけられることが多かった。
 年も近いから、教師と生徒という揺るがない一線をひいて、オトナを演じ切らねばならなかったのだ。
 何度か学級を持っては上手くいかないということが続いて、ある時はついに学級崩壊。本当に自分と言う人間に教師は向いていないと思った。


文庫本版



 しかし、その経験は、自分の何がだめだったのか、徹底的に考える経験にもなった。書店で偶然手にした「こころの処方箋」という本で、ユング心理学の河合隼雄氏に出会う。大学生の時も心理学を取っていたはずだが、河合隼雄氏の言う、心というもののつかみどころの無さにユング心理学を通じて少しずつ近づいて言ったのである。
 子どもの行動の後ろにある心や魂について考え始めた。




 笑えることにもう一つ、自分を助けてくれた本は「ダメな犬はいない」という本だった。飼い主がちゃんとしたリーダーになってくれないと、犬は問題行動を起こす。まさに犬は生徒たちで、自分はダメなリーダーだった。本を読んで、そんな真実に気付く。生徒は悪くない。ダメなリーダーに噛みついていただけなのだ。生徒に失礼かもしれないが、そんな自分の状況が客観視できたのは、この本のおかげだ。

 そう、私は「怒る」ということが苦手だった。

 いつも母や姉に怒られてきた妹、そして次第に、勉強していれば怒られないという優等生枠に自分を置いた。

 何か不愉快なことが起きても、怒れない教師がそこにいたのだ。

 怒れない自分は、生徒がこうあるべき姿がわかっていないとも言える。
 生徒をこういうふうにしたいという哲学が無いのだ。
 
 その後、結局、試験はクリアして、高校教師になったのだが、その時に、また学級担任と言うものに向かい合うことになった。
 自分の総量のしょぼさは同じだったが、河合隼雄大先生から得た知識が色々あったので、心の二次災害を防ぐ準備は出来ていた。
 
 私は「なんなんw高校」の美術コースの担当だった。現代美術家として活躍してきたカリスマ教師の恩師とは違って、その高校の知名度を上げるとかは出来なかったと思う。でも、今、思い出してみても、彼らの作った陶芸の器で調理実習を企画したり、なんなんw村のジャズフェスティバルの看板を生徒と創ったり、それなりに頑張っていた。

 今年、高校教師として初めて担任した生徒が集まる「なんなんw高校」の同窓会が11日にあると言う。彼らを担任した時、私は35歳ぐらいだったが、彼らは今、当時の私ぐらいの年になっている。

 どんだけ大人になっているのだろうか?
 会うのが楽しみであった。

 しかし、私は8月9日に、美容院に行って、家に帰ってくるとなぜか鼻声で頭が痛い。もしや熱がある?と測ってみたら37度8分。

 むむむ・・・平常の体温が36度台の私にしたら、明らかに高い。

 当日まで熱はさがるのだろうか?と、9日の夜も早く寝て、10日も、安静にして果物だけを食べて一日を過ごした。熱は下がらない。

 11日に起きると、熱は高めなものの36度台に戻っていて、行けそうになくもない。お酒は飲まずに食べずに出席していればいいのではないか?
 しかし今度は咳が出る。これからお盆だという時に出かけて皆にうっかり風邪をうつすのも気がひける。自分の体力もどれだけ戻っているのかよくわからない。泣く泣く欠席の連絡を入れた。

 気まぐれな彼らの学年のことだ。次がいつかはわからない。
 
 自由人になってから風邪一つ引いてなかったのに、なんだか、この突然の熱はなんのため?

 病気は神様からの手紙というけれど、この手紙は何?と昨日からずっと考えているのだ。

 考えてもわからないことは放っておくにかぎるケド( ´艸`)
 きっと数年後、そうだったのかとわかる時が来る。
 今は時期尚早。

 ただ自分が知りたいと思っていることが一つある。
 「キタキタ高校」は進学校で、「なんなんw高校」は全く逆である。

 どっちが生徒にとってハッピイな学校なのだろうか?

 面白いことに、「なんなんw高校」では有名な漫画家や、ミュージシャンがたまに、出現する。
 高校時代、自由であると言うことは遊びに走るやつも相当数いるのだろうが、その中で、自分の夢を温めたヤツの出現率も高いのではないかと、ちょっと思っているのだ。

 もう教師でもないから、そんなことを知っても、何の役に立つのかわからないが、真実の探求者として、知りたいなと思っているのであった。
 だから「なんなんw高校」の皆が、今何をしてどんな大人になっているのか、直接会って聴いてみたかったのだ。

 ほんと、この風邪


 っていう気持ちでいっぱいだ( ´艸`)